ニュース考察

調べ物には得意・不得意がある「調べ方が分からない」人達の頭の中とは?

投稿日:2019年1月17日 更新日:

2019年1月、調べ物が「オタク的行動」であるかというツイートが話題を呼びました。

調べ物に熱心な人は「知的好奇心が強い」「興味のベクトルが豊富」といった人間性がある者ではないかと思います。物事を追求する姿勢を持つ人全般を「オタク」と形容するのであれば、調べ物を「オタク的行動」とするのもおかしくないのかもしれません。

この一件を通して調べ物を熱心に行う人は少数派であり、そこから調べ物は得意・不得意が存在するジャンルであると解釈することができます。

では調べ物の得意・不得意とは一体何なのでしょうか?調べ方が分からない人達の頭の中を読み解いて行きましょう。

 

「調べ物」は最早スキルになっている

1億総スマホ時代と呼ばれるようになった昨今。限られた人のみがPCを持っていた頃とは違い、調べ物ができる端末を誰もが持ち歩いている世の中になりました。

そのことから、以前からPCを使いこなし、長年に渡ってネット慣れしている我々のような人間は「端末を持っている=誰でも調べられる」だと自然に思ってしまう傾向があります。そのため、全ての人に調べる能力があると認識してしまいがちです。

なので「これどうやるの?」「これってどうすればいい?」という質問を投げかけられた時「スマホで調べて下さいよ」と思ってしまうことも少なくありません。

ですが、実際にそう言葉にした際によく返ってくるのが

「調べ方が分からない」
「なんて検索したら出てくる?」

という言葉達です。

「いやそんなこと言われても普通に…」と言うことしかできないなと思うことも多いのですが、あまりにも似たような機会に巡り合うことが多いのです。

そしてこれこそが「昔からPC文化に触れてきた延長でスマホを使っている人」と「スマホからネットに触れた人」との決定的な乖離であると最近は思っています。

彼らは検索エンジンをまともに使ったことがないから、本当に調べ方が分からないのです。

ツイート主様もこのように言及しておられますが、調べ物の上手い下手というのは確実に存在しています。実際に僕も「調べるの上手いね」「すぐ答えを見つけてくるよね」と言われたことがあります。

ですから、ネットでの調べ物を迅速かつ的確に終わらせることができるのは、れっきとしたスキルの1つだと言えるのです。

「本当に知りたいこと」が分からない人々

調べ物が苦手な人達は、頭の中で自分の考えの「要点をまとめる」ということができないのではないでしょうか?

例えば

例文

「iphoneを買いたいけど、どこのキャリアにすればいいのか分からない。最近は格安SIMとかいうのもあるって聞くし、何がどう違うのかさっぱり分からないからちゃんと理解した上でできるだけ安い価格で購入して使いたい」

というような悩みがあるとします。
これは敢えて分かり辛く書きました。

この場合、調べるべきことは

「iphone 1番安く使う方法」

のような内容です。
結論に最も早く辿り着けるし、必要な情報だけが入ってくるはずです。

調べ物が下手な人は、まずこの「自分の本当の目的」に至ることができないのではないかと思います。

と言うのもこの手の人達は、人に尋ねる時も

「iphoneを買いたいんだけどどうしたらいい?」

のような聞き方をしてくることが多いのです。
「自分がどうしたいか」を伝えることをしてきません。

ですからこの質問に答える場合、「まずどうしたいの?」をこちらから確認します。それでやっと求めている質問を知ることができるし、こちらも回答者として同じ土俵に立つことができます。

頭の中を整理できているか

調べ物をせずにすぐに人に聞く人は、この「要点をまとめる」という作業自体を放棄して他人に解決を求めているように感じます。

彼らが教えてほしいのは、目的の内容以前に、自分の本当の目的そのものではないでしょうか。そしてそれに最も近い答えを的確に探し出す方法も、ついでに他人に要求しているのだと思います。

我々のような人種の場合、疑問が湧いた時などは、すぐ検索エンジンの横長ボックスに文字を打ち込んでいる自分が頭の中に浮かぶと思います。そこに何を打ち込むかで自分の脳内整理を行い、実際に調べ物を始めます。

もちろんネットだけでなく辞書を引いたりしても良いのですが何か疑問を解決するために必要な方法論を持っていれば、それを想像することで整理を行い実行に移すというプロセスを踏めます。

調べ物ができない人はその方法論自体を持っていないので、整理するという行程に移行することができず、頭の中がぐちゃぐちゃなまま他人に丸投げするか、諦めて終わらせてしまいます。

自分で調べて終わらせられる人からすれば信じられないようなことかもしれません。スタート地点に立てていないのと同じです。だからこそこの壁は、我々が想像するより遥かに高いものなのかもしれません。

「調べられない」=「学がない」ことに?

以上を踏まえて、調べ物が得意なことを「オタク的行動」と呼ぶのには疑問が残ります。

結局のところ、知識に固執する姿を指して「オタク」という言葉を用いてしまうのは、知識欲や好奇心がないことを正当化して甘えているだけではないでしょうか?(※これは一意見であり、件のツイートで会話がそういったネガティブな意図を含んだやり取りだったと断定しているわけではありません。逆に「すごい!」と褒める会話だった可能性もあります)

それで他人に迷惑をかけて平気な態度を取り「大抵知らないことはそのまま読み飛ばす(ツイート内より引用)」のような「普通は調べないんだよ」に近い言い方をされてしまうと、その「普通」という価値観の方に問題があると言わざるを得ません。

調べられることをスキルとするならば、調べる意識を持つ人だけが誰かに教えるレベルに達することができるのです。調べ物をせずに他人任せにしている時点で、学を積む機会をそれだけ失っていることになるとも言えるでしょう。

つまり調べ物をしない(できない)ということは、現代や近未来において学の無さに直結してくると言っても過言ではありません。

「本を読まない」「辞書を引かない」「ニュースを見ない」という、外側に関心を持たない人達を指して「学がない」とするのは昔から変わっていないと思うのですが、これからは「ネットで調べられない」というのもそこに加わってくるのかもしれません。

今やネットは誰もが使える文化になり、それをどこまで扱えるのかの認識差は曖昧になったと思います。だからこそ使いこなせる人とそうでない人のズレを感じる場面は今、後どんどんと増えていくでしょう。

気付いた時には自分は劣っている側だった…そんなことがないように、今ある文化を自分のために最大限扱える努力をして行きたいとものですね。

「調べ物」を強要された世代がある

余談ですが1つ昔話をば。

一般的に「オタク」と称される人達の中で調べ物が取り分け得意な人達がいるとすれば、「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」などのサイトの雰囲気を直に経験してきた世代でしょう。かく言う僕もその1人です。

ああいった匿名サイトは元々ある空気やノリを理解しない人達への風当たりがとにかく強く、また調べればすぐに分かることを「それってどういうこと?」と何の気なく質問してくる人達を嫌いました。

その結果生まれた言葉が「ググれカス」(自分でgoogleで検索しろ)という言葉であり、今では当たり前に使われるようになった「ググる」という言葉の発祥もこういった文化圏からだったと思います。

今では死語ですが「半年ROMれ」という言葉もありました。これはROM(発言せず掲示板などを眺めているだけの行為)を強制するもので、要するに「そんなことも分からない奴はちゃんとこの掲示板のノリを眺めて勉強してから話に入ってこい」という極めて乱暴な理屈です。サイトの空気を守り、既存の住人が気持ちの良い空間を維持するためにこういった発言は日常的に繰り返されていました。

当時のインターネットでは、これらのノリについて行くことがネットの世界で生きることであり、誰もがこれを意識して過ごしました。なので人に何かを尋ねるということ自体が、相当の努力と覚悟を経た上で行わなければならない「最後の切り札」だったように感じています。

この世代のネット住民は、自分で調べ物をしなければネットで人権を得られなかったため「調べ物をする」ノウハウが自然と身に付いています。そうやって今でも「まず調べる」を徹底している人は多いでしょう。

そのような背景を指して調べ物を「オタク的行動」と呼ぶことについては納得できます。

しかしこれらを理解している人は調べ物=「オタク的行動」などと形容することはないはずです。そこから今回の話の本質とはズレていると考え、余談としました。

まとめ

調べ物についての1つの意見を書いてきました。

断っておくとスマホの使い方が分からない人=学がないという意図はありません(まぁこの辺りはエクセルが使えない50代敏腕営業マンを有能と呼ぶのかどうかというのに近い問題だとは思いますが…)

こういう人達も使い方をよく分かっていないだけで、何度か調べ物のやり方をレクチャーしてあげるとそれ以降は自分で考えて検索できるようになることがほとんどのように思います。だいたいはやろうとするかしないかの問題だというのはPC時代から変わっていませんね。

スマホにより誰もがその場で即調べ物ができるようになった時代です。これからはもっともっと「自分で調べる能力」というのが重要になってくるのではないでしょうか。

「オタク的行動」などと言う言葉で片づけないで、そういうことにチャレンジしない自分の在り方を改める人がもっと増えたら良いですね。

お読み頂きありがとうございました。

 

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