雑学

有名ブランド「ブルガリ」の綴り「BVLGARI」は読みにくい?どうしてそうなった?

投稿日:2018年10月15日 更新日:

言わずと知れた超有名ブランドの「ブルガリ」。
日本でも愛用している方は多いと思います。

この「ブルガリ」ですが、正式名称は「BVLGARI」という綴りになっています。

ブルガ…ビブルガリ…?日本人に分かりやすい発音が「ブルガリ」とか…?

「ブルガリ」と読むのであれば「BVLGARI」ではなく、「BULGARI」となるのが一般的だと言えます。何故"U"ではなく"V"が採用されているのでしょうか?

TV番組『林先生が驚く 初耳学』でも取り上げられたこの話題。
詳しくまとめて参ります。

1934年までは「B"U"LGARI」だった

「ブルガリ」は1884年にソティリオ・ブルガリ氏によって設立されたブランドで、創始者の名前を社名に採用するというところから始まっています。ブルガリ氏の名前の綴りは「Bulgari」であり、それがそのまま当てられて「BULGARI」という名称になりました。

つまり、創業当時は"V"ではなく"U"が使われていたのです。
それが1934年のローマ本店回想を境に、看板の表記に"V"を採用。今の形に収まります。

これは「ブルガリ」のブランドイメージの1つである「古代からの伝統を守る」という考え方を重んじての変更とされています。

では、何故"V"を使うことが伝統を重んじることになるのでしょうか?

古代ローマ文字には"U"が存在しなかった

「ブルガリ」がデザインの指標にしている古代ローマには、"U"という字が存在せず、代わりに"V"が用いられていたのです。実際に経営陣であったブルガリ一族のファーストネームをラテン語表記で書くと「Bvlgari」であったそう。現代日本でいうところの旧字体のようなイメージでしょうか。

「古代からの伝統を守る」というイメージをより強固にするため、実際に使っている名前の綴りから古代ローマで使われていた綴りに合わせるという変更が為されました。
こうして「ブルガリ」は今の社名になりました。

なので「BVLGARI」に使われている"V"は文字通りには発音せず、"U"として扱うことになっているのです。

2014年に設立されたばかりのコレクションギャラリー「ドムス」も綴りは「DOMVS」であり、今なお"U"を用いないラテン語表記での展開を続けているとのことです。

"U"という字は何故生まれた?

となると、少し気になるのが"U"という字が生まれた理由。
どこから"V"と"U"が区別されるようになったのかを少しお話しします。

古代では筆記具が今ほど発展しておらず、曲線を書くことが難しかったため、"U"という字は使えない書き方とされていました。そのため"V"という字に今でいう"U"の意味を持たせ、2つの役割を持つ字として扱っていたとのこと。

しかしながら、1つの文字が2つ以上の役割を持つことは混乱の種になるため、ある時を境に"V"から1つの意味を切り離し、形の近い"U"という字を生み出し使うようになったというわけです。使われるようになった時期には諸説あり、現在の情報では明確に断定することはできていないそうです。

同じような経緯で分かれた字に"I"と"J"があります。
こちらも同様に曲線を用いて意味の区分けを行ったとのことです。

文字というと、どうしても「必要だから」とか概念的な理由だけで新しく生み出されていく気がしてしまいますが、古代においては技術進歩によって「書けるようになった」というのも大きな理由になるという驚き。これは盲点でした。ちょっと感動すら覚えますね…!

まとめ~伝統を重んじる奥ゆかしさ~

現在の「BVLGARI」は創業当時は「BULGARI」だった。
古代からの伝統を重んじた結果、古代表記を尊重して"U"の代わりに"V"を用いる「BVLGARI」へと変化したということでした。

こういった対外的な表現を1つ1つを余念なく見詰めて行った結果が、誰もが認める1流ブランドへの進化へと繋がって行ったのでしょう。たかが1文字、されど1文字です。そういう細やかなところで見せる志の高さが「他人に見られること」を強く意識する人々の心を掴んだのかもしれません。

この記事も皆さんに見られることを意識して書きました(上手いこと言ったつもり)
お役に立ちましたら幸いです。

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