雑学

電車や船を海に沈めて処分!?アメリカで行われる「人工漁礁」の実態とは?

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我々の生活に欠かすことができなくなっている多彩な乗り物たち。日夜西へ東へ奔走し人々の生活を支えてくれています。

しかしこれらの乗り物にはいつかは寿命が来てしまうもの。壊れた車体の取り換えや最新型実装に伴った廃棄処分など、こういった大型産業廃棄物の処理は大きな課題の1つです。

そんな中で方法論の1つとして実際に活用されているのが廃棄された乗り物の「人工漁礁」化です。なんと電車や船舶、果ては軍用の戦車や戦闘機などを海に沈めてしまうという大胆な処理方法。アメリカなどの一部の国では、それを積極的に行っているようです。

話だけ聞くと不安感が煽られるアメリカンなやり口ですが、この記事ではその実態に迫って参ります。

※この記事はテレビ番組の内容を元に調査し、まとめたものです。

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人工物を海中に設置し魚の住処にする「人工漁礁」

「人工漁礁」とは、意図的且つ人為的に人工物を海中に沈め、そこを魚の住処にするという生物保護方法です。海産物の確保を目的として行われる場合もあります。

基本的に魚とは海の岩場を中心に拡がるサンゴ礁などを住処にしている種類が多く、平坦な海底などに集まることはほとんどありません。当然ながらその平面にいきなり岩場が隆起してくることは有り得ないため、人工的に物体を配置することで疑似的な岩場を再現し、魚の生息範囲を拡げるという活動です。

主に石や鋼材、コンクリートなど環境に悪影響を及ぼさない素材を並べることで造り上げることが多いのですが、その代わりに乗り物などの巨大な機体を沈めて廃棄と漁礁化を両立するという一石二鳥な方法を取っている国があるというわけです。

魚の生息域や方法は種類によって異なっているため、設置物の大きさや形にベストは存在しないこともあり、様々な角度からサンゴ礁が成育できる機体は人工漁礁に向いているとのこと。実際に戦争などで沈没した船や潜水艦が漁礁化し、環境に好影響を与えていることは少なくありません。それと同じことを人工的に再現しているというわけです。

ちなみに、沈没船などが漁礁化しているものに関しては「人工的に行われたものではない」ため、人工漁礁という言葉を用いて説明することはないようです。しかしながら、大型機体を利用した人工漁礁の着想から実施に至るまでの背景には、これらの"成功事例"が関与しているとされています。

計算された投棄によって成立している

人工漁礁設置には過剰投棄のリスクも存在するため、必要な場所をしっかり計算し配置を行っているとのこと。サークル状など配置が一定になるように計算して沈められており、サンゴ礁成育に必要な時間などもしっかりと計算に含まれているとのこと。

これにより生物保護だけでなく見世物としてのクオリティも担保しており、一部地域の漁礁にはダイビングスポットとして名を馳せているものもあります。非常に神秘的な光景が見られると話題を呼んでおり、観光資源としても最大限活用されているようです。

機体に含まれる金属成分は、およそ海中に悪影響を与えることはない(金属は自然に存在する物質なので)と言われており、しっかりと沈めるものを選定すれば環境破壊のリスクも低いため、非常に効率的な方法として注目を集めています。

不適合な素材による環境汚染問題も

しかしながら、沈める物によって環境破壊リスクが高まってしまうという実用結果も出ており、まだまだ完璧に完成された方法とは言い切れないようです。

1960~70年代では、使い古されたタイヤの人工漁礁化が廃棄の観点から注目されており、数百万というタイヤが海中に投げ入れられたそうですが、これは結果として自然に悪影響を与えかねないという結果に。今でもその問題は尾を引いているとのこと。

タイヤは金属やコンクリートよりも軽く、海流に流されしまいやすいのが問題でした。その過程でタイヤがズタボロになって漁礁化できないただのゴミと化してしまう事例も多かったと言い、それが自然生息しているサンゴを逆に破壊しているという研究結果も出ています。

またタイヤの人工漁礁はコンクリートのと比較して定着率も4割程度と低く、効率的ではないという事実が上塗りされたことで、タイヤの人工漁礁は「廃棄物処理の観点から"有用である"と見せかけられた」という眉唾なものであったという結論に着地してしまいました。

これに伴い、2007年よりフロリダ州など一部地域では沈めたタイヤの除去作業を行っており、その数の多さから完全な撤去にはまだまだ時間がかかるのではないかと言われています。

まとめ

廃棄物の処理と生物保全を同時に行える人工漁礁。

非常に魅力的な内容ではありますが「海に合法的にゴミを捨てられる」という側面から、何でもかんでも有用であるように見せかけて投棄してしまうという「人間都合による問題点」が付きまといます。概ね上手く行っているように見えるものの、まだまだ試験的な動きであり、解決しなければならない部分があるようです。

成功例が増えれば追従する国や地域も増えるでしょう。今後も無限と言って良いほど新たな乗り物が生み出され、海に捨てたい廃棄物も同時に生まれていくものと思います。しかし、海のスペースは有限。今は双方にとって都合のいい状態かもしれませんが、海にとって都合が悪くなる日がいつ来るかは分かりません。

そんな状況になっても、人間の都合で捨て続けることがないような取り組みとして、今後も上手く機能して行ってくれたら良いなと思いました。あくまで生物保全の一環としてのものであることを前提にしてほしいですね。

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