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進撃3期OP「憧憬と屍の道」が微妙だったので音源版を買ってみたら評価が逆転した

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『真実への進撃』をまだ聴いていない『進撃』ファンへ。10,000字ロングレビュー

CD『真実への進撃』の記事を書いています。
「憧憬と屍の道」と「13の冬」のFULLについては、上記の記事を併せてお読み下さい。

始まりましたTVアニメ『進撃の巨人season 3 part.2』

いよいよ壁の外を目指した進撃がスタート。
人間VS人間の感傷的な戦いが描かれたpart.1から打って変わって、人間VS巨人の感情的な戦いのクライマックスが描かれていくのがpart.2。

テーマソングも一新し、OP曲はLinked Horizonが返り咲き!『進撃』の荒々しさを誰よりも臨場感たっぷりに表現してくれるのはやはりこのリンホラ!一度EDを担当してから再びOPに戻ってくるという流れも、ファンの高揚感を煽りました。

テーマ曲となった「憧憬と屍の道」は、事前に作曲者であるRevo氏から「今までの集大成的な音楽になる」と発表があったように、「紅蓮の弓矢」から始まった『進撃』とリンホラの歴史全部盛りというような曲に仕上がっていました。

この「憧憬」ですが、個人的には是非是非是非!TVサイズ版の音源を購入して、ヘッドホンなどで楽しんでほしいです!

と言うのも僕自身はオンエアで初聴した時の感想が「何とも言えない」だったにも関わらず、音源を購入して何度か聴いたら「凄まじい曲だ…」に変化したからです!

ちなみに僕のリンホラ愛については、これらの記事を参考ください。

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リンホラの音楽は使われている楽器数やその特徴的な曲作りのスタイルから「CDフル音源が本番」とファンから言われることも多く、それ自体はお馴染の展開ですが、今回はいつも以上にその振れ幅が大きいと思います。TVサイズでそれを十二分に感じることをできるからです。

CD発売にその凄さを伝えたくて筆を執りました。

この記事では僕がオンエア時に「何とも言えない」と思った理由と、音源版を聴いた時の衝撃を比較しながら「憧憬と屍の道」TVサイズver.を解説します!

※以下、敬称は省略致します。

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「何とも言えない」と思った理由

事前に公開されていた「集大成」というRevoの言葉に期待しまくっていた僕が「憧憬」をオンエアで聴いた時の感想は「まぁいつも通り良いな」でした。

もちろん後半の畳みかけるようなテーマ曲メドレーには興奮しましたし、言葉通りの「集大成」感はありました。ファンサービスとしても、歴代テーマ曲を担当し続けてきたリンホラだからこそできる飛び道具的楽曲だったと言えます。

ただそれだけでは僕の期待値は超えてこなかったというのがオンエア時の感想でした。Revoは今までも自分の想像を超える進化を常に見せ続けてくれていたので、そのRevoが魅せたい集大成が過去の曲を連結しただけだったことは些か肩透かしだったのです。

過去のメロディラインを参照して曲を創るというのはアルバム『進撃の軌跡』以降は常に見られた手法であり、「想像を超えるものではなかった」という本音を隠すことができませんでした。

曲としても1分半とは思えない圧倒的情報量、そして今までを超える疾走感を響かせてくれていましたが、その分音楽としては詰め込み感が半端ではない印象。この息つく間の無さは音楽としての聴きにくさ、盛り上がりの難しさを表しています。

TVサイズの完成度で言えば、前作「暁の鎮魂歌」の優秀さが光りますし、同系統のOP曲としても「心臓を捧げよ!」の聞き心地の良さに勝るかと言われると微妙なライン。

その分過去曲全部盛りのインパクトは、唯一無二の強さを持ちファンの心を打ちました。しかし裏を返せば、TVサイズの段階ではその強さへの依存度が高すぎる楽曲であり、「進撃」を通して自身の持ち味とTVテーマ曲の狭間を突き詰めてきたRevoの「集大成」としてはもう一声欲しかった。

というのがオンエア時の率直な感想。
だからフルを聴くまでは「何とも言えない」と評価せざるを得なかった。

しかしTVサイズとは言え、そんな感想を往年のファンに抱かせるような曲をRevoがこんな局面で持ってくるだろうか…。TVからは完全に聞き取れない部分にどれだけの工夫を施しているのかをまず確認した上でフルを待つべきでは…。

と思い、すぐに音源を購入したら、評価が540度回転してひっくり返りました。オタクはチョロい。

何故なら、自分が「ここ微妙では?」と思った部分全てに、当たり前であるかのように曲を良く聴かせる工夫が施されていたからです。そしてそれらにより「憧憬と屍の道」は圧倒的情報量と疾走感を保ちながら、最高の盛り上がりを実現する楽曲に仕上がっていたのです。

以下に微妙と思った場所とその理由、それをクリアしていた工夫を併記することで、この曲を凄さを解説します。

細部に渡った音楽的工夫

まず最初に、僕は音楽理論などを全く勉強していない一介の音楽ファンなので、正確に語り切れる音楽知識を持っていません。よって以下に書かれていることはあくまで「感じたこと」になります。ご了承ください。

歌い出しからAメロへの流れ

聞き覚えのあるメロディと「あの日人類は思い出した」という歌詞から始まるこの楽曲。

それ自体は熱い展開なのですが、とにかくAメロにいきなり飛ぶ展開の高速さに気持ちが追い付かないのが本音というところ。もしかしたこの辺りはフルだと整理されている可能性がありますが、どうしても押し込んだ感が否めない構成に。

音源版ではファンの間では馴染み深い「星が流れるようなSE」によって気持ち導入が整っているのが分かります。ちなみにこの曲はかなりこのSEによって曲全体を整理している部分が多いのもポイント(気にすると気になりまくるほど多い)で「憧憬」という言葉の通り、不確かな存在を表現しているのかもしれません。

その他、Aメロ全体が他の部分(歌い出し含む)と比較すると完全に音使いが異なっており、ピアノを中心とした奥行きがある伴奏になっています。ここだけが過去への旅愁のようなイメージで創られていると考えられ、このおかげか音源版で聴くと落差がはっきりと感じられて、不思議と展開がスッと入ってくるようになっているのです。

これだけでも見事なものですが、本番はこれ以降の演出です。

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Cメロの盛り上がり

この曲で個人的に最も微妙に感じたのが「夢の続きが見たいなら~」からのCメロでした。

そもそもOPサイズの楽曲にメロが3種類押し込まれていること自体が特殊な構成だと思うのです。「憧憬」はBメロでオーソドックスに盛り上がってからCメロで1回落ちるというのが楽曲的な裏切りとなっていると言え、この曲がとても1分半に思えない理由の1つでもあります。

TVで聴いた時は、Cメロが構成の割りにイマイチ落ち切っておらず、気持ちの切り替えが難しいというのがこの曲の最大の問題だと感じていました。

そしてボーカルRevoは声質的と歌い方的に一定の中高音域で迫力が出辛いという問題を抱えており、これは彼の慢性的な弱点であると言えます。恐らくそれは本人が最も把握しているため、迫力を出す時には(ライブでの安定した歌唱が困難な)ハイトーンを利用することが多いのだと思っています。

今回もそれに則した曲創りになっているのですが、その関係でCメロの最も静かになるところの歌唱の落差が足りていないのがこの問題を生んでしまっている最たる原因であると感じました。これは過去の曲でも少なからず散見されたものであり、どうしようもないことだと思っていましたが、「憧憬」は特にそれが悪いハマり方をしているという印象でした。

故に音源版を聴いて驚かされたのは、このCメロの活かし方でした。

まず歌い出しにはオクターブ下げの超低音歌唱をユニゾンさせて主張させることで、Revoが苦手とする「声の厚み」を補完していました。主張強めでありながら耳障りにならないギリギリのラインでの音量調整とエフェクトの追加が光る。これを歌詞とマッチさせることで曲の全体演出としても機能しており、聴き手の気持ちを明確に落とすことに成功しています。

後半ではコーラスとクワイアの歌唱をMAXで合わせることでCメロ内でしっかり落差を生み出し、そのグルーヴ感はサビへの導入を完璧に生み出しています。この手法は過去曲でもボーカルの厚みを補完する上でよく用いられていたものですが、今回は同じメロ内という短い時間での「落差の出し方」へのこだわりが物凄い。

これはどうしてもメインボーカルが強く出てしまい他が潰れてしまうTV音源で感じることが難しく、音源版でしっかり聴かなければ気付けないところでした。これはサビの盛り上がりへの導線ともなるため、ここの感じ方1つでこの曲の印象はガラリと変わります。

サビのメドレー

サビのメドレーもオンエア版では100%完璧とは言えないという印象。

過去のメロディを曲調を変化させずに高速で連結するということ自体が荒唐無稽な試みです。『ブレイブリーデフォルト』のラスボス曲「地平を喰らう蛇」でさえ、キャラクターメドレーのパートは曲調を原曲に合わせていたことを考えると、やっていることが滅茶苦茶です。OP曲は全体的な曲調が近いとは言え、全く異なる「鎮魂歌」も存在しているわけなので。

内容的にどうしても切り貼りした感が拭えないのは当たり前でそれが普通なのですが、それをやるからには完璧を体現してほしかった身としては「物足りない」という感想。強欲なのは百も承知ですが、Revoは今までそれを期待してもそれ以上で返してきてくれていたので、普通を望みたくなかったのです。

特にオンエア時はCメロの展開に納得していなかったことからこのサビの動きにのめり込め切れなかったと言え、総合的に満足感が最高潮にはならなかった。

また、最後の「太陽はまだ沈んでいないのだから」への落ち方がイマイチでまとまりきっておらず、スピードに流されてしまっている感覚を受けたのもマイナスでした。一部で「サビの盛り上がりが足りないのでは?」という意見が散見されましたが、恐らくここが原因だと思います。

しかし、一度音源版を聴いただけでこの部分のこだわりが凄すぎることが分かり、唸ってしまいました。やっぱりRevoは想像を超えてくる男だと圧倒的高速掌返しを披露する厄介ファンであった。

まず前述の通り、後ろ側のこだわりにより、Cメロ内で盛り上がりが明確化されていたことで、サビへの入り込みがオンエア版とは段違いに彩られていたことは言うまでもない。「屍の道の"先に"」のたった一呼吸がここまで心にスッと入ってくるように変わってしまうんだから音楽というのは凄い。

最高潮に達した「紅蓮の弓矢」のパートは、原曲さながらストレートな力強さが押し出されており、Cメロ後半から滑らかに繋がってくれました。

そして特筆すべきはそれ以降。
是非ヘッドホンでしっかり聴いて頂きたい。

「自由の翼」は曲調をそのままに、アクセントとして左前面からのライドシンバル超高速16分連打が"分かるように"差し込まれており、確実に我々の注意を引きつけてきます。これは翼が羽ばたく音か心臓が鼓動する音か、はたまたその両方と言ったところでしょうか。

その後の「心臓を捧げよ!」では管楽器が左右後方でより激しく鳴り響いており、前方のライドシンバルにあった意識を後ろ側に引きずり込んでくれます。「心臓」のTVサイズは管楽器押しの楽曲でしたし、そういったエッセンスもばっちり入れてきています。

最後の「暁の鎮魂歌」では、両サイドから拡がるように児童合唱音声(恐らく「すずかけ合唱団」のもの)が包み込んでくるという構成になっており、これがクワイアの合唱と混合することで空間を意識できる展開になっています。単純な声圧と音圧もこの楽曲内で最大となります。

前→後ろ→左右→全体と聴き手を感覚的に振り回すことでボルテージを上げ切った上で「太陽はまだ沈んでいないのだから」でニュートラルに戻す。その全ての基盤として「紅蓮の弓矢」があるのがにくい。

この展開によって過去の楽曲のイメージを守りながら、曲の勢いを全く失速させず「憧憬」という曲としてサビの盛り上がりを完全に成立させており、恐るべき音楽構成と言わざるを得ません。

しかもラストフレーズの「進み続ける 波の彼方へ」が、どことも言えないような開けたところから降り注いでくるようにミックスされており、このフレーズだけでアニメ全体のテーマを象徴しています。これもオンエア音源では感じることが非常に難しいポイントであると思います。

サビは特にですが総合的に見ても、TVサイズの時点で「憧憬と屍の道」は「音による空間構成」にこだわり抜いた工夫が施された楽曲であると感じることができました。

音源版では今までの楽曲を総まとめにした楽曲でありながら、それを総合して「憧憬」という言葉を表現する全く新しいアプローチによって生み出された「集大成」であることが分かります。

フルを待とうと思っている方にも、是非TVサイズ版をまず聴いてみて頂きたいです。

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おわりに

「いやオンエア版と音源版でここまで感じ方が変わるってあります?」と思わず声が出そうになるほどに、音楽的なこだわりが細かく緻密に組まれているのがこの「憧憬と屍の道」です。「紅蓮弓矢」を思わせるストレートに激しい曲調とは裏腹に、ここまで繊細な要素が散りばめられている。

いつもフルを待ってから記事を書くのですが、今回は音源を購入して聴いたら居ても立っても居られなくなり、無限にリピートしながら思わず記事を書き始めてしまいました。

それくらい今回の楽曲は、オンエア版とTVサイズ音源版の聴き応えに差がある曲に仕上がっていると思います。だからこそ、当日23時間限定108円販売や、いち早く配信サイト無料公開に打って出た(より多くの人にそれを実感してもらうため)のでは…?という感想すら浮かんできました。

TVサイズ版はアニメ動画でも聴けるし、正式音源はCD発売を待つよという方も多いと思います。正直言って僕も過去曲についてはそうでした。でも今回は「何か納得行かない」という思いから即音源を購入して正解だったし、そうさせるに値する音楽であるとかんじました。

この記事を読んだ方は、是非音源を購入して「憧憬と屍の道」の真価を感じ取ってほしいです。そして、共にフル音源の発売がより待ち遠しく感じる日々を送りましょう。

Revoはやっぱすげぇや…。
たった1分半で改めてそう思わせてくれる楽曲でした。皆様是非ともお願いします。

 

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