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『キンプリSSS』12話感想 Yesお返しのhappy 始まる!

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「皆さんに、言いたいことがあります」

ステージに立ったシンが口にしたのは、初作『キンプリ』において応援上映の定番となったあの言葉。とても「なーにー?」と言い返せる雰囲気ではありません。

観客の女性達も、先ほどのプリズムショーを見た感想を思い思いに口にします。そのネガティブな言葉達は、自分の身に起こった真実を介していないシンの胸に深く突き刺さったことでしょう。

観客達は直前にTHE シャッフルのユニットショーを見て煌めきを得ているはず。つまりここで出てきている言葉は、彼女達の胸に刻み込まれてしまった困惑と恐怖の証であると考えられ、その感情は簡単にリセットされる類いのものではなかったということ。その事実は、シンはじめエーデルローズの仲間達の気持ちをより暗く落としたことと思います。

「先ほどは自分勝手なショーをして、本当に申し訳ございませんでした」

それでもシンは立ち向かいます。前のショーについて、本当に自分がやったのか未だに信じられないところもあったでしょう。だからこそ彼は飾らず格好つけず、自分の中のありのままの記憶と事実と感情を彼女達に伝えました。その上で、彼は観客に頭を下げ続けることを選んだのです。「自分のしたことだから」と。

シンの真正直な言葉と態度に、少しずつ観客の心も解きほぐされて行きました。「そんなに悪くなかったよ」「私は許すわ」「採点おかしいんじゃないの?」「0カラットなんて酷いよ」と、だんだんシンを擁護する言葉も増えて行きます。彼の態度が、彼女達の良心を動かしたのです。

しかし冷静に考えれば、彼女達はただシャインの物凄いショーを目の当たりにしただけの大勢の中の1人にすぎず、たとえそのショーの内容に面喰ったとしても、彼個人を否定するほどの悪感情を覚えたわけではなかったのかもしれません。我々のように真実を知っているわけではないですから。

よって彼の謝罪を「大袈裟だし、そこまでしてもらわなきゃいけないことはされていない」と思ったとしてもおかしくありません。「心は動かなかったが、悪くも思わなかった」という人も中にはいたでしょう。

故に「自分が良くないことをした自覚」を持っていて、それを自分達に伝えようと誠意を見せてくれたのなら、もう一度彼のショーを見てあげても良い。きっと次は上手くやってくれるだろうと、短い時間で観客の期待感情が大きくなっていくこと自体は自然であると思いました。でも、やはり「私は良かったと思うけど」という人は誰もいなかったんですよね…。

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「シン、戻ってこい」

禊は済ませたぞ。
皆がお前のショーを待ってるぞ。
そう言わんばかりに、仲間達は笑顔でシンを迎え入れようとします。真実を窺い知らないのは彼ら全員も観客と同じであり、シンが誠意を見せれば皆許してくれると考えていたはず。そしてシンは舞台裏で決意を見せてくれた。彼らにこの時、不安要素は1つもなかったはずです。

でもシンだけは違った。
観客の中から、1人、また1人と泣いている人を見つけていきます。自分をもう見たくないと思っている、自分のショーを拒絶している人に光を当てるように目を向けて行ったのです。

「――僕が」

彼女達と同じように、シンの頬を涙が伝いました。

「僕が泣かせたんだ」

真実を知らないのは、シンも全く同じです。むしろ彼が一番わけが分からないことが起きている自覚を持っています。なのに、それなのに彼は、この時一番傷ついている人達から決して目を背けなかった。それが自分自身を最も傷付けることだったとしても、彼はそれを背負うことを決めてステージに立っていた。

たとえ99.999%が自分を許しても、残りの0.001%の人が涙を流しているなら許されていない。「皆を笑顔に」できていない。一条シンはそう思える真のプリズムスタァでした。これは選んだのではなく、元々そういうことができる、優しい男の子なのだと思っています。

「ごめんなさい…」
「大好きなプリズムショーで"あなた"を傷付けてしまった…」

"みんな"では無く"あなた"
たった少しの差で、届く人は変わります。

彼はきっと、自分に気付いて泣いているんだろう。ほとんどの人が彼を許してもう一度ショーをすることを認めたのに、「その事実さえ恐れた」自分達のことを彼は、多くの人達よりも優先して接してくれた。こんなに優しい彼なのだから、さっき言っていたことは…本当なのかもしれない。

「僕はもう…プリズムショーを…」

多くの人がシンのその行いに困惑する中、この時に限り怯えていた彼女達1人1人だけがシンの心からの優しさに触れていました。それはもう一度「この人がやる本当のプリズムショーが見たい」と思わせられるほどの優しさだったのでしょう。

だからシンを応援する拍手は彼女達の手から始まり、観客全体に拡がって行ったのです。シンが決して彼女達を見捨てることをしなかったから。

この時の一条シンは紛れもなく『KING OF PRISM』の主人公。彼だからこそ、あのおぞましいシャインの力を使って皆を煌めかせることができていると、改めて感じる一幕でした。

観客全員から許されるのではなく「あなたのプリズムショーを見せて!」と望まれた一条シンは、吹っ切れた顔で仲間達の元に戻ります。

いよいよユニットショーが始まります!

7つの光が 降り注ぐこの場所に
煌めけ Shooting Star

7人全員によるユニットショー。
「エーデルローズ Seven Stars」のショーは、『プリティーリズムシリーズ』全体で見ても最大規模となる人数と、それぞれのキャラが別々の動きで魅せてくれるという圧巻の内容で始まりました。

今作では各キャラ1回のショーにも関わらず、毎週ほぼ全てが長尺によるオリジナルジャンプ。個性的なダンスの振り付けと美麗な3Dモデルと、超絶クオリティで続けられてきたショーでしたが、最後に入れ込んできたのはその全ての集大成として十二分すぎるものでした。

軽快でノリの良いメロディながらもどこか穏やかな音使いを感じさせる楽曲に、彼らが持つ煌めきと想いを最大限乗せた、言葉違わずエーデルローズ史上最高のプリズムショーが展開されます!

どこか誇らしげで、清々しい笑顔。そして何よりも楽しそうに踊る彼らの姿は、観る者の心を打ち、それだけで我々に感動を与えてくれる内容だったと思います。

そして彼らが準備していた最初のプレゼント。それは――

ーッシュ!」

全員によるプリズムラッシュ!
今まではシン1人で観客全員に煌めきを広める技として使われましたが、今回はそれを7人で!

しかもただ観客の中を走り抜けるわけではありません。1人1人の観客達に直接手を触れて、全員で直接煌めきを届けて回るのです。1人では無理だったことも7人でならできる。「皆を笑顔にする」最高の方法が取れる!

シンに怯えていた女の子達も直接、彼らから煌めきを受け取り笑顔を作ってくれました。この時初めて彼女達は、心の底から彼らのショーを楽しめるようになったのだと思います。

「これは…僕が忘れられていく!?」

強烈なショーで皆の心に「愛」を届けたと思っていたシャインですが、実際に彼が皆の心に齎したのは「傷」でした。そしてその傷は真の愛によって上書きされ、癒されていく。エーデルローズの7人は皆の心から図らずしてあの悪魔の記憶を消し去ろうとしていたのです。

プリズムラッシュを終えた後はもちろんプリズムジャンプ!

複数人による3D映像のプリズムジャンプは、シリーズ通してオバレの行うようなトリオジャンプが最大。それ以上の人数の場合は個々人のプリズムジャンプを単発で連続するのが基本でした(全ジャンプの中ではTHE シャッフルが最多人数です!)

しかし今作では飛ぶ!飛べるんだ!
全員一緒に!心を1つに7人で!
プリズムジャンプは心の飛躍!

そのジャンプ演出はシャインの「プリズムアクセル」を思わせる構図でありながら、彼らは決して1人ではありません。7人だからこの技ができるのです。1人1人の力ではシャインには敵わないかもしれない。けれど、7人でならあの悪魔を超えられる。彼以上のことをして、人の心に煌めきを届けることができる。

輪になった7人。
彼らが決意に満ち満ちた表情で紡いだのは、まるでプロポーズのような「誓いの言葉」でした。

一条シンは誓う。
悲しい想いをしている"あなた"に
精一杯笑顔を届けることを。

太刀花ユキノジョウは誓う。
辛い想いをしている"あなた"のそばに
寄り添い続けることを。

香賀美タイガは誓う。
"お前"が困難に負けそうになった時
共にそれと戦い抜くことを。

十王院カケルは誓う。
"君"が求めるのなら
自分を投げ打ってでも心に愛を贈ることを。

鷹梁ミナトは誓う。
寂しがっている"あなた"の心に
いっぱいの幸せを届けることを。

西園寺レオは誓う。
"あなた"が生きる気力を失った時
心身を支え応援し続けることを。

涼野ユウは誓う。
"世界"が絶望の淵に立たされた時
希望の歌を歌い続けることを。

7人は誓う!
プリズムショーに身も心も全て注ぎ
リンクとエンゲージすることを!

それぞれがそれぞれの言葉で、相手に精一杯の想いを伝えて行きます。彼らの担当回を見ていれば、その短い言葉を聞くだけで彼らの気持ちの全てとその意味が直接心に伝わってくる内容、言葉選び、そして言い方でした。涙なしでは見られないまっすぐすぎるほどにまっすぐな煌めきに溢れる時間。

「今まで『KING OF PRISM』を支えてきてくれてありがとう。これがその"お返しのhappy"です」とも聞こえる、全身全霊を込めた全力全開、一切の手加減がない演出。そういった角度から想像を超えてくる作品にはそうは巡り合えません。我々は幸せ者です。

7人の誓いが煌めきとなり、1つの大きな指輪を象ったその時――

突如として全ての光が消え、プリズムショーが中断されてしまいます。彼らの「誓い」は直前で成立することなく、闇に閉ざされてしまったのです。

その状況を見たジュネは張り裂けんばかりの声を上げました。

「プリズムワールドが…この世界を切り捨てた…!」

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ナナイロノチカイ

「誠に遺憾ながら、エリア4989を放棄する」

出たな無能石板軍団。
シャインの存在、抹消の失敗、使者の裏切りなど幾重にも様々な問題を抱えた『RL』世界=エリア4989を彼らは捨てることを選んでしまいました。あまりに横暴。あまりに無慈悲。これが管理者たる彼らのする損切り判断でした(余談ですが、ジュネが「プリズムワールド」と言っても聖には意味が分からないのでは?話しているのだろうか?)

しかし数字の数だけ世界があるとすれば、少なくとも5000近い世界を同時に管理しているということ。彼らは管理する能力はあっても、いわゆる千里眼的な特殊なスキルなどは一切持ち合わせていなさそうなので、想定外の事態への対応力に難があるのは仕方がないと言えないことはないです。

プリズムワールドからの干渉を失うということは、プリズムの煌めきが世界から失われるということ。プリズムショーができなくなるということ。カケルがいち早くその状況に勘付けたのは、過去にプリズムの煌めきが失われかけた事件のことを深く把握していたからでしょう。

しかしそんなことは今は関係ない。
この場において重要なのは、「彼らのショーが止まってしまったこと」ただそれだけです。

観客達は悲鳴、怒号、懇願、罵倒など、その鬱憤を口々に言葉にして発散します。真っ暗闇と化した会場中にネガティブな言葉が満たされ、先ほどまで行われていた幸せなショーの雰囲気は一切感じられなくなってしまいました。

そんな折に…

「……ななつのひかりが――」

歌い出したのは、シンに恐怖し、拒絶していたあの女の子達でした。その声に促されるかのごとく、周りの観客達は共に歌い始め、それは瞬く間に会場中に響き渡ります。

彼女達の想いは1つでした。

「彼らのショーの続きが見たい」
「この気持ちをこのままになんてできない」

その気持ちを悪い形で外側にぶつけるのではなく、それを自分達で動かすことを選びます。受け取るだけの観客としてではなく、そこに集っていた彼らに心動かされた者として彼らに協力し、応えることを選んだ。一緒に歌い、笑うことを求めた。

「誓いのリングを贈るから」

彼女達の歌声から生まれたプリズムの煌めきは彼らに向かって飛んで行き、やがて大きなリングの形を再現し始めます。プリズムワールドに捨てられた世界に煌めきは与えられない。だったらその煌めきを新たに作り出してしまえばいい。

「ありがとう」

皆の笑顔で7人のショーは再開。
完成した大きなリングは7つの小さなリングに別れ、7人の指に収まります。

"私"は誓う!
あなたとの約束を胸に
煌めきにあふれた明日を精一杯生きることを!

7人だけでなく、そこにいる皆で創り上げるプリズムジャンプ!全ての人達の心が生み出したプリズムの煌めきの集大成!これが「ナナイロノチカイ Brilliant oath」

煌めきによって生み出されたのは新たなプリズムの女神。
この世界をプリズムワールドの呪縛から解き放つ存在として新たに光臨した…と今は考えておいて良いのではないでしょうか!

新たな女神の前で、誓いを結ぶ彼らと我々。
それを温かく受け止め許容する女神は、煌めきに溢れた慈愛の言葉を向けてくれました。

「プリズムの煌めきは、いつもそばに…!」

女神の祝福を受け、7人と観客、そして鑑賞者たる我々は結ばれました。最高の感動をありがとう『KING OF PRISM』これからもずっと一緒です。

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架せられた責任

――いや冷静に考えて、女性向け男性向け問わず、最終回でキャラと受け手がいきなり結婚(に準ずる誓い)をするアニメって他にあるんでしょうか?正直初見はあまりのことに「何をされていらっしゃる???」という感想で頭が埋め尽くされてしまった(流石に男にはつけ入る隙がなさすぎた)「女性向け分かんないけど、一番大きな愛の形って言ったら結婚だよね by菱田」ってこと?発想がキッズ!好き!

全編通して女性向けサービスよりキャラの生き様にスポットした作品(便宜上女性向け)ではあったものの、クライマックスでここまでサービスを過剰かつ謎~Mystery~な方向に振り切ってしまえる作品は他にないと言え、本当に『キンプリ』でしか見られない展開だと思いました。各位万一この作品にお気持ち表明する際は、愛を込めて「離婚を考えるレベル」と言ってください。

しかし皆のプリズムの煌めきによって完成した7つのリングは、誓いの証となっただけではありません。それは奇しくも、シャインに新たな封印を施す役割を持つことになりました。

観客とスタァの絆が保たれる限り、プリズムの煌めきは永遠に輝き続ける。エーデルローズの7人の絆が続く限り、シャインは封印され続ける。しかしどちらもが絆という不安定な基軸に依存した危険な状態です。

「いつかこの身体、僕のものにするからね…」

成立した瞬間の関係を長い期間同じ状態でキープし続けるのは当然難しいもの。そして今後、シャインはシンに僅かな干渉を与え仲間との絆を綻ばせることで、復活を目指すかもしれません。シンの煌めきが今後もシャイン由来のものであるとすれば、彼はプリズムショーの度にシンに干渉できるチャンスがあるはずですから。

彼らの身にどんな不幸が降りかかるか分かりません。でも、彼らであればそれを全て乗り越えて行ってくれるでしょう。どのような物語が展開されるのか、今はそれを楽しみに待ちましょう。

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