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『キンプリSSS』5話感想 過去との折り合い 高田馬場ジョージの在り方

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最新作劇場版&TVアニメシリーズ
『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』公開記念!

『キンプリSSS』『スッスッス』の感想記事。
最速上映参加の勢いで1話ずつガッツリと。

5話は「高田馬場で俺と情事しない?」 高田馬場ジョージ!

前作『PRIDE the HERO』から謎の新規キャラクターとして登場した彼ですが、アプリの『プリズムラッシュライブ』では見事プレイアブルキャラに昇格、今回の『スッスッス』では晴れて個別シナリオを獲得!

ずる賢いピエロとしての活躍で目立った彼ですが、文句を垂れながらも法月総帥に媚を売りまくって出世するなど、"社会"を理解した立ち回りを徹底しているのは印象的でした。今作ではその辺りがどう掘り下げられるかが1つのキーになるキャラクターだったと思います。

そんな5話はジョージというキャラクターだけでなく、シュワルツローズの裏事情もフィーチャーした重要な設定が多く見られた内容になっておりました。今回もしたためさせて頂きます。頑張るジョイ☆

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これまでの高田馬場ジョージ

『キンプラ』の癒し。
シリアスになりすぎないように用意されたコミカル担当。

ストーリー上の役割のために用意されたキャラクターという感じだったかと思いますが、恵まれたルックスに(CV:杉田智和)という(露骨な)特異性を付与されたことにより「ただ者では終わらない」というスタァ性を持って我々の前に現れたのでした。

キャラクターとしては、自身がスタァとして人前に立つものの、歌はゴーストシンガーの池袋エィス君が担当している(非公表)というのが最大の特徴。池袋エィス君も、アニメ本編では今作が初登場ですね。THE シャッフルのセンターをエィスから奪い取ってのデビューという設定も明かされています。

スタァ性の高い人間を輝かせるためなら本人達の尊厳を平気で傷付け、嘘をついて大衆を騙すという法月 仁のやり方。hiro×kojiを彷彿とさせる立場を担わせられた2人のキャラ。奇しくも担当カラーはヒロと同じく黄色です。

個人的には、ジョージについては例えで見た「ドラゴンボールのミスターサタン」という表現があまりにもしっくり来てしまって、もうそういう奴にしか見えなくなってしまって早1年と9ヶ月と言ったところ。サタンもコミカル担当として用意され、結果的に「超人の中の一般人代表」としてその人間味溢れるキャラ性から作品の中核を担うキャラの1人にまで成長した人物。

ジョージに関しても似たような流れで、後から人間らしいところがどんどん見えてくるんだろうなぁと思っていたので、『キンプリSSS』においてなかなか注目度の高いキャラの1人だったと言えますね。

キラキラする要素をたくさん持ったキャラが登場する中で、何かと泥臭い彼だからこそ描ける物語。人間がスタァへ成長して行く過程を、最も現実味を持って届けてくれるに違いありません。

妬み嫉みやコンプレックス、マウントの取り合い。誰もが持つ根源的な卑しさと戦う凡俗な人間達の姿を、そこから抜け出そうと誰よりも強くあがくジョージを中心に描いた第5話。味わい深い本編を語って行きましょう。

明かされるシュワルツローズの現実

この話で特徴的なのはやはりシュワルツローズ所属のスタァ達の振る舞いが色濃く描かれたことでしょう。それぞれがそれぞれの立場から互いを見下し、蔑み合う姿は、正にエーデルローズとは完全に対極に位置するもの。エーデルローズが良いところを探し合っているとしたら、シュワルツローズは悪いところを探し合っているという状態です。

前作ではシュワルツの中ではルヰとアレクサンダーに次ぎ、3番手に位置するジョージ。今作ではPRISM.1出場者発表の際に仁から2番目に呼ばれたことから、(アレクより使いやすく)実力もついてきた?というところでしょうか。

しかしそれもエィスというゴーストシンガーを利用して偽装された仮初めの人気であると仲間たちにも認識されているばかりか、周りを見下し自分を持ち上げるその横柄な態度から嫌われ放題。

女性を口説きまくってはスキャンダル寸前まで行き、仁にもみ消してもらっているという専らの噂まで。ですが、それはもみ消してまで守りたい存在、ということでもあります。こういう細かい部分から、仁はジョージに意外と本当に期待しているということが分かりますね。

『キンプラ』でユウに「そんなに凄いショーだったか!?」と言われていたように、ジョージ個人のプリズムスタァとしての実力は恐らく言うほど大したものではなかったのでしょう。それも歌を自分で歌っていないわけだから、周りからしたら「媚を売って気に入られていたから贔屓されているだけ」と思われても仕方がありません。

でも逆に言えば「歌を他人に歌わせてでも人前に出す価値のある存在」と仁が認めたと取ることもできる。そうであれば、彼らの嫉妬は見当はずれのものであるという見方も可能です。

人前に立つエンターテイナーというのは、必ずしも実力がある者が選ばれるわけではありません。「可能性の高さ」というものは、時としてどんな能力よりも優先して尊重されるものだったりします。才能や光る物を持つ者とて、最初から優れているわけではありませんからね。

その「選定される価値基準」が真に理解できるのは、得てして選ぶ側に立つ者だけというのが現実。選ばれる現役の人間からすれば「なんであんな奴が……」という妬みに繋がってしまいやすいのがこの状況です。

ジョージは実力ではなく、そういった未来への才能「スタァ性」を理由に選ばれた存在なのかもしれません。そもそも仁は大嫌いなストリートの権化 大和アレクサンダーをしっかり重用している辺り、好き嫌いでスタァの価値を決めるような人間でないのは明らかです。そういうところには極めてドライな人間だとも思います。

ジョージ個人の人間性は恐らく本当に問題なんだと思いますが、シュワルツローズはそういった人間的な基準を度外視した上で格と実力を追求しトップを目指す集団なので、それらが全体で見て些末事だと判断されているのにも納得できます。

しかしそういった強引に効率だけを求め続けた結果が、あの凄まじくギスついた関係性の構築に繋がってしまっているのは否めません。シュワルツローズという集団の持つ根源的な闇を、想像ではなく体感で知れたのは、作品として非常に大きいことだったと思います。

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仁への強い憧れが過去を乗り越える原動力に

そのシュワルツローズで泥臭く這い上がる努力を重ねていくのが高田馬場ジョージ。本音を隠し総帥に付き従い、どれだけ酷い目に遭わされても上を目指し続けるそのメンタルには、彼の過去の経験が大きく影響していました。

いじめられっ子で小太りのオタク少年だった岡山の少年「ノリくんこと本川則之」は、男勝りな根性を持つ幼馴染ミヨちゃんに助けられていました。そしてその傍らにあったのはプリズムスタァ法月 仁。彼にとって、仁は誰よりも自分を支えてくれたスタァそのもののようでした。

仁が卑怯なことをしていると分かっていながらなお彼に憧れたのは、「弱い自分でも手段を選ばなければ強くなれる」という気持ちを正当化してくれる存在だったからでしょうか。

ダイエットに成功し謎ツッパリ時代を経た彼は、自身の憧れだった法月仁率いるシュワルツローズを目指します。そこで「高田馬場ジョージ」としての新しい人生をスタートさせたのです(余談ですが、ジョージは本作初となる、家族以外の大切な人との過去が描かれたキャラクターです)

だから彼がシュワルツローズに固執し続けるのは、きっと在りし日の法月仁への憧れをまだ残しているから。もっと言えば、このシュワルツローズの環境すら「彼が思い描いていた理想の法月仁」から外れていないのかもしれません。

憧れだった人にしごかれながら、弱い日の自分と決別しスタァを目指す。姿勢は歪んでいても、その環境が彼を強く奮い立たせていたのだろうし「どんなことをしてでも上に登り詰めよう」という強い意志を持つ原動力だった。

それこそが他のメンバーには持てなかった「シュワルツローズとしてのスタァ性」へと繋がって行ったのでしょう。それを単なる総帥の好き嫌いで終わらせるべきではない、とこの場においては言っておくべきだろうと。

皆のためのジョージ 1人のためのスタァ

ジョージがスタァを目指す理由の最も根底にあった存在は幼馴染のミヨでした。人気モデルとのデートをキャンセルしてでも、彼女のことを優先するほどに(それは比較基準としてどうなんだという話ではあるが…)彼はどこまで行っても、ミヨを特別で大切な人だと思っていたし、最後には彼女を喜ばせたいという気持ちで動いていたと思います。

「俺はあの頃に戻らない」
「俺はもうダサいノリマキじゃない」
「"高田馬場ジョージ"だ」

そうやって子供の頃の話を避け、実家の工場を拒絶し、どれだけ過去との決別を露わにしても、大切な幼馴染だけは邪険にしなかった。過去を卑下しても、彼女に対しては「面倒臭い」の一言すら言わなかった。努めて良い男でいようとした。彼女に対するジョージの気持ちは、紛れもなく本物でした。

「お前なんで東京に来たんじゃ」
「お前がその気なら、こっちで面倒見ても良いんだぞ?」

2人きりの時は、岡山の方言が出てしまう一幕もありました。ミヨのためだけには過去を思い出して、できるだけ過去と同じことを再現しようとしたし、昔を忘れていないとアピールしているようにも見えました。皆にとっては「ジョージ」でも、彼女にとっては「ノリくん」だということを意識して接していたのでしょう。

プリズムスタァになって、憧れの法月仁のようになって、誰よりも誇れる自分になって、最後にはミヨに添い遂げよう。そう思っていたのかもしれません。最後には皆のための高田馬場ジョージではなく、ミヨのためのスタァであろうとした。

あくまでジョージは「個人への愛」のためにスタァを目指した男だったのです。ここに関しても、ジュネを得たいがためにプリズムキングになろうとした仁と通ずるところがあったと言って良いかもしれません。

「…ウチ、結婚するんよ」
「―――!!」

そのミヨちゃんにどこか恥ずかしそうな笑顔で拒絶された瞬間を、果たしてジョージはどう受け止めたことでしょうか。どん底に落ちる絶望であったと言っても過言ではなかったはず。

こういった状況から察するに、彼女はきっと昔からノリくんのことが好きだったのだと思います。だからこそ彼女は彼女できっと「良い方向に変わって行くノリくんの邪魔をしてはいけない。彼は"皆のスタァ"になるのだから」と思ったに違いない。それが彼女の気持ちを違う方向へと向かせた理由でしょう。

「――親父さんの葬式、出れなくて悪かったな」

ジョージがミヨにそう告げた時、彼女はジョージの顔を見ませんでした。ミヨの父が大変で、彼女が一番傷ついていた時、彼女のそばにジョージはいられなかった。それこそが彼女とジョージの人生を決定的に別つものになった可能性もあります。何もなければ、ジョージが「ノリくん」として地元にいれば両想いの2人だったかもしれないのに、悲劇という他ありません。

彼女はエィスに向かって「ノリくんはウチのスタァ」と言いました。

ジョージは間違いなく彼女にとってのスタァにはなれたのでしょう。しかし、彼女の最も大切な人になることはできなかった。そこの選択、努力の方向性を、最初から誤ってしまっていた。

そして奇しくも彼女の隣りにいた婚約者は、昔のノリくんとそっくりな男性でした。その姿をジョージが目撃しなかったのは、幸運と言うべきか不幸と言うべきか…。

彼はその気持ちを絶大な力に変えて「ノリくん」の思い描いた「ジョージ」に辿り着くことはできました。あらゆる手を使って確固たる地位を得た。けれど、自分の思い描いた未来に辿り着くことはできなかったのです。人生とはままならぬとはこのことです。

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エィスを通して見る「男性視点」の感覚

この辺りの関係性について僕は「男性として見るからこそ感じるもの」というのが多大にあると思っています。男じゃないと分からないと言うつもりはありませんが、ズドンと来るものが大きいのは事実だと考えています。

正直なところ『キンプリSSS』は今までに増して男臭い話が多いというか、明らかに女性向け作品としてのサービスよりも「男性の生き様」を描くことに注力している節があり、全体通して「最早男こそが見るべき作品では?」と思わされるシーンも多いです。

そんな中で、この高田馬場ジョージ回は取り分けそういう視点からの描かれ方にMAX振り切っていると言わざるを得ません。濃厚な人間ドラマであれば男女関係なく楽しめるので、女性にとっても面白いのは確実ですが、冷静に考えれば考えるほど特にこのジョージ回は野郎の話です。

そう感じるのは、池袋エィス君という第三者視点から見える高田馬場ジョージの姿をフィーチャーしているからではないかと思っています。

「そうだよな…スタァっていうのは、このタイミングで登場できる男のことを言うんだよ…」

エィスという今正に恵まれない1人の男を通して見る、過去に恵まれなかったジョージの姿は、「何者でもない1人の男」たる我々の目にはよりストレートに映ると言えます。言わば、第5話のエィスは「俺達代表」というポジションにいる男であり、男性視聴者の分身ともなり得る存在でした。

男としてもエィスは底抜けに優しく良い男で、人畜無害な雰囲気を持つ少年です。一方ジョージはルックスは良いものの女癖も悪く性格も最悪。でもこういう奴の方が女にはモテるし良い目を見る。男性のよくある現実をモチーフにしたような関係性です。

だからこそ彼を通して見るジョージの姿は、決して褒められたものではないにしても受け入れられてしまうところがあるし、それを通じてエィスがジョージを認めていく過程にもグッと来てしまうところがあるのです。

これに関してはせっかく男性ファンが書く感想なので、そういう目線からのものとして1つ書き残しておきたいと思いました。解釈の参考の1つとしてお役立て頂ければ幸いです。

「高田馬場ジョージ」としてやり抜くことを選んだプリズムショー

以上の悲劇を経験した後にステージに立つジョージは、ショックとイライラを隠し切れない最悪の精神コンディションでのPRISM.1出場となります。ここについても、何かしら晴れやかな気持ちでステージに立っているエーデルローズ組との対比を感じられます。とことんネガティブですね…。

「ミヨちゃん、観に来てるんだろ?」
「お前が出ないなら、俺が出る」

そんなジョージを、エィスはここぞとばかりに挑発します。その不満そうな顔からは純粋な煽りの気配も感じられますが、きっとエィスの狙いは別にあったと思います。

「俺を誰だと思ってる」
「俺はTHE シャッフルのリーダー…高田馬場ジョージだ!」

僕には、この時のエィスはジョージのスタァとしての真贋を確かめているように見えました。そしてジョージはそのエィスの思惑を知ってか知らずか、立ち上がりステージに向かいました。それはきっと、エィスの期待通りだったはず。

実際問題ミヨちゃんと結ばれなかった以上、ジョージがショーをする理由は半分失われたも同然です。だからこそここは彼の分岐点。彼は決して高田馬場ジョージとしての自分を捨てることはありませんでした。迷うことなく、腐ることもなくただプロとして最高のステージをする道を選んだのです。

「僕がミヨちゃんにすごいプリズムショーを見せるけ!」

彼が「ジョージ」として皆のためのスタァを真っ当しようとしたのか「ノリくん」として幼馴染との過去の約束を果たそうと思っていたのかは分かりません。その両方ともが彼を奮い立たせたのかもしれません。結果として、彼はどんなに劣悪な精神状況でもステージに上がる信念を持っていました。

「マイクが……!」

そして彼に襲い掛かる再三の悲劇。それは同じシュワルツローズの下っ端からの裏切り行為、エィスの持つマイクを断線させるという酷いやり口でした(いやしかしまぁここまで良心的に語ってきてやってアレだが自業自得な面もあるぞ本当に)

「これであいつは終わりだ」
「詰まんねぇ小細工してんじゃねぇよ!」

その裏切りを制したのは、他でもないエィスです。最初はPRISM.1という大舞台で率先して彼を陥れようとしていたエィス自身が、彼らの悪行を止める選択をしたのです。

「お前なら分かるはずだろう!?」
「ジョージの姿を見てみろよ!」

そう。ステージの上のジョージは、全くめげていなかった。音声が届かずともショーをやめることはせず、ただひたすらに笑顔で完璧に自分のできることを最大限こなし続けていた。

どんな悲劇があっても、その場で歌が流れなくても、彼はステージ上でスタァであることをやめようとはしませんでした。迸るプロ意識!何だかんだ言ってカッコイイぞジョージ!最初体調不良で落とされた奴とはえらい違いだ!(仁の言っていたことは理不尽なようで割と正しい)

「俺の声を待っている!」

よく見てみると最初のショー直前のエィスは、本当に自分が歌を歌うべきかまだ悩んでいたようでした。だからあのまま歌を歌っていたら、彼は100%実力を出し切れない歌唱をしてしまっていたかもしれません。

最後に彼の心を決めたのは、ステージ上のジョージの振る舞いだったのでしょう。ジョージは嘘をついてファンを騙し、自分を利用してステージの上に立っている。それを分かっていてもエィスは心を動かされたし、自分を動かしたジョージの才能を認めた。

それはエィスにとってもスタァとして成長できた瞬間だったはず。晴れやかな顔で高田馬場ジョージGSに徹するエィス。ここで初めて2人は「高田馬場ジョージ」として納得してステージを演れたのではないでしょうか。

だからこそ彼も動かずにはいられなかった。「高田馬場ジョージ」として、彼と共にステージにどうしても上がりたかった。そうに違いありません。プリズムショーは心の煌めき、プリズムジャンプは心の飛躍!

「「お前と一緒なら最弱でも最強!」」
「「可能性は無限大!!」」

2人で翔んだプリズムジャンプ!1人1人は完璧ではなくても2人なら翔べる!4連続ジャンプが!!

そのスコアは9270カラットとここまでの全スタァで最高。ソロショーの大会である以上、2人での出演は認められていませんが「ステージ上で分身する技がある」この作品ならではのゴリ押しでとりあえず何故かセーフ!汚い手を使ってでも絶対勝つ!

「ありがとー!皆のおかげでーす!」

『RL』でショーを見せた際の法月仁の勝ち口上を口にする徹底ぶり。『キンプラ』の頃から言ってはいましたが、まさかこれがリスペクトだと判明する日が来るとは。本当に仁が好きなんだなぁと思わせてくれる一面も見られました。

相変わらずショーがセル画だったのは悔やまれる限りですが、それはジョージが本当に1人でショーができるスタァになるその瞬間までの楽しみに残しておきましょう。

エィスの成長 仁の采配

「結局…俺はスタァになれないんだ…」

そのジョージとは対照的に、飛び入りの2連続ジャンプすらしっかりこなせず転倒する自身の情けなさに独り自分の限界と挫折を知るエィス。そんな彼を見て、仁は(彼にしてはかなり)優しく声をかけました。

「お前をTHE シャッフルのリーダーに任命する」

これまでの仕事(高田馬場ジョージGS)を続けることを条件にエィスを表舞台に、ジョージをソロに送る決断をしたのです。自身の実力や立ち位置を正確に把握することは、より良いショーをする上で重要です。身の丈を知ったスタァとなった池袋エィスは、きっとより大きな煌めきを放つことができるでしょう。

もしかすると仁は初めから歌唱力などエィスの可能性やジョージの独り善がりな態度を見越した上で、それぞれに適切な経験を積ませるためにTHE シャッフルのメンバーを入れ替えたのかもしれませんね。

「僕もソロソロソロかなーって――」

うるせぇぞ。

これでもう金魚のフン共の世話をしなくて済む。それを高らかにメンバーに告げると、何故かそこにはエィスの加入を心から喜ぶ元メンバー達の姿が。

「どうせ俺がいないと困ってしまうんだろうなぁ!引き留めてくれるんだろうなぁ!」と思っていたのでしょう。見当違いな認識と、それに対する何とも言えない嫉妬を露わにするジョージ。どこか仲睦まじい雰囲気を感じさせながら、彼らの新しい物語が幕を開けます。

今回の第5話でただの賑やかしのピエロだったジョージは鑑賞者の心からいなくなったに違いありません。しかし人間としてはまだまだなジョージ。次こそは完全完璧な1人のプリズムスタァとして、煌めきを放つ彼を是非見せてほしいですね。

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おわりに

ここまで語ってきたものの、率直なところ高田馬場ジョージという男はどうしようもない小悪党且つ、だらしのない男であることは変わりありません。それが彼が持つスタァ性とは大して関係がないというのが、シュワルツローズのスタンスだというだけのこと。

ミヨちゃんへの想いが本物であっても、女癖が悪いことの言い訳にはなりません。どんなに優れたスタァになっても、人を見下すような人間性は認められてはいけません。それが『プリティーリズム』です。1回どっかで酷い目に遭えよ。

最初からスタァとして成立する理由が手堅く用意されている主人公属性のエデロ組とは違い、前作までが完全ヒールであったジョージには、まず彼がプリズムスタァとして作品に立っていい理由が必要でした。

今回の話ではまだそれが確立されたに過ぎません。
実はキャラクターとしての成長は一切描かれていないと言っても過言ではないのです。

実家との折り合いの問題もあり、彼自身はまだまだこれから成長の余地を残したキャラクター。ここからが真のスタートです。だから今回は3Dプリズムショーが用意されなかったのではないかと推察します。彼が作品を代表するスタァの1人として成長して行く物語が、これからも見たいですね。2期はよ。

男性目線で見ても心にグサッと来る物語で、前4話とは違った形で印象深い話になりました。残りの話も楽しんで参りましょう。

番外:仁とヒロの関係について

僕は『スッスッス』については基本箱推しのオタクですが、作品全体で見たら速水ヒロの超絶厄介オタクです。今回は彼が重要なことを喋るシーンが1分ほどありましたのでここは語っておかねばなるまい!!

個人的に引っかかりを覚えたのはヒロが聖さんと仁の話をするシーンで「仁さん」と言ったこと。これはマジで重要。

今回改めて語られた通り、エデロに引き取られた後のヒロは仁と共に生活をしていたこともあり、単純な上下関係では語れない家族のような関係性が構築されていると考えるのが自然でした。しかしながら、そういったことを匂わせる会話は過去作通して僕の記憶では全くなく、ヒロがプライベートで仁のことをどう思っているかはブラックボックスと言って良かったと思います。

ヒロが仁のことを「仁さん」という、プライベートを感じさせる呼び方で呼んだのはアニメ上では初めてのはず。『レインボーライブ』では主宰と呼んでいたし、『キンプリ』以降はそもそも彼の口から仁の存在が語られたこと自体がない。

過去にあれだけの陰湿な仕打ちを受けておきながら、ヒロが仁を貶めるような言葉を発したシーンが1つとしてないのは気がかりだったという他なく「ヒロは仁のことをどう思っているんだろう?」という疑問は本当に尽きませんでした。

今回でその一端が紐解かれた気がします。
少なくともヒロは過去のプライベートな関係を否定するほど、彼を憎んでいるわけではないことがその話しぶりから分かったからです。

元々速水ヒロという男はその親子関係からも分かる通り「自分に向けられる人の悪意というものに対して果てしなく鈍感」という性質があり、仁についてもべるに対する仕打ちなどで怒りを向けることはあれ、人的な関係として憎んでいるということはないのではと思っていたのですが多分その通りでした。どこまで行っても速水ヒロという男は…まったく…。

そうなってくると『キンプラ』において、聖が急に仁の話をしてヒロをPKCに出場させようとした理由にも正当性があったのでは…と思えてきます。僕はあのシーンについて『キンプラ』時点では「聖が自分勝手なことを言い出したが、聖の力になりたいから何とか自分を奮い立たせて練習に参加した」のだと思っていました(だって話聞いてる時のヒロの顔酷いじゃん…)

しかし今回のやり取りを見て、ヒロと聖には「昔の仁に戻ってほしい」という共通の想いがあるのでは?聖はそれを知っていて(感じていて)ああ言ったのでは?と思えるようになりました。

それをもし汲んでいるとしたら、PKCのヒロのプリズムショーは「仁に改心してほしい」という想いが込められたものであった可能性が出てきます。こうなるとあのショーの解釈はまた大分変わってしまうのでまた激しく泣いてしまいますね。困った。

以上厄介オタクの妄言でした。

法月仁を取り巻く悲劇

上記の速水ヒロの踏まえた上で、第5話の法月仁について補足します。

当話の最初のシーンで、ルヰにヒロを投影して悶え苦しむ仁の姿は大変悲しいものであると言えます。

仁にとっての速水ヒロは氷室聖と同様に過去のトラウマとなっており、自分を貶めた憎むべき対象であると思ってしまっています。前作まででは「自分を裏切った小物」くらいに思っていたのかもしれませんが、今作ではっきりとヒロは仁の最大のトラウマの1つになったと明示されてしまったのです。

あんな仲睦まじくPS2のコントローラーを握っていた兄弟のような2人だったのに、今では憎んでもおかしくない方が憎しみを持たず、憎むべきではない方が強い憎しみを抱いてしまっている。その構図こそが仁という人間の矮小さを強調しているようで、彼をより惨めな境遇へと落とし込んでしまっている。

その原因が聖の想いを汲んで「昔の仁に戻ってほしい」という気持ちで臨んだあのプリズムショーだとしたら、これはもう悲劇以外の何物でもない。それをあえて見せるためにわざわざ回想で「王位戴冠 THE KING OF PRISM」を入れたという見方もできます。

今作の仁は、ルヰを通してヒロの他に聖や優しい母の面影など、複数のものを投影しています。これらは全て仁を縛り付けるトラウマだと推察されます。しかしこの中で仁が見た母の面影は彼を優しく見守っているという類いのもので、当話の劇中で登場した法月愛本人の態度からはかけ離れています。

もし彼が母親をトラウマとしているのであれば曇った母親の顔を幻視すべきですし、そもそも彼がルヰを通してトラウマを見ていることも関係性との整合性が取れないため、あれは紛れもなくトラウマの類いではあるものの、単純な心の闇ではないと思われます。

思うに、彼がルヰを通して見ているのは「彼が手に入れたい理想」なのではないでしょうか?

自分が望んでも果たせなかった才能を持っていた聖、PKCで自身を(半強制的に)屈服させるほどの煌めきを放ちキングの称号を得たヒロ、自分のことを優しく気にかけてくれていた在りし日の母親。全てが彼の理想の範疇であり、肉親(的存在)でもあります。

そうであれば今自分の理想としてそばにいてれくれる如月ルヰからこれらを幻視しているのも辻褄が合います。しかしそれは、物凄く悲しい現実でもある。彼はルヰに自身の理想を当てはめる限り、自身のトラウマを常に幻視し続けることになるのですから。ルヰはそれを分かっているように見えなくもない…。

理想=トラウマとなってしまっている仁。まずその理想を手放すことをしなければ、彼は永遠に苦しむことになるのかもしれません。それは、彼がどんなに願っても手に入らないものばかりなのですから。

このエピソードをこの5話にあてがったおかげで、法月仁に対する絶対的な支持者たる高田馬場ジョージの存在がさらにさらに大きく引き立ったとも言えます。この辺は何と言うか…本当に上手いですねぇ…(CV:三木眞一郎)

法月仁の救済は過去作から通して見ているファン大半の悲願の1つだと思っているのですが、高田馬場ジョージの存在はその礎になってくれることと思います。初めてできた、仁にとって最大の理解者になってくれる存在です。

今はルヰばかり見ていてそれに気付いていないように思いますが…いつか仁自身がそれに気付く時が来てくれることを願うばかりです(ということは今作でも仁は救われないってことになるだろうか…)

???「仁は俺がプリズムショーを始めてから人が変わってしまった。…原因が何かは分からない」

本当何だろうな。

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