アニメ 単話感想 第1話まとめ

『キンプリSSS』1話感想 TV放送を意識した「はじめてのキンプリ」感に抱腹絶倒!

2019年3月3日

 

引用元:https://kinpri.com/story/tv/detail.php?id=1000546

祝!『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』公開!

通称『スッスッス』(監督のインスタでの発言より)

最新作劇場版&TVアニメシリーズ!
前作から約1年9ヶ月。
3/2(土)より満を持して公開された『キンプリ』最新作です!

僕も早速見て参りました。
おさらい(応援)からの最速上映は最高だったぜ!最速上映会の良いところは「場内の全員が何も知らない」というのが確定しているところですよね。思わず笑ったり突っ込んだりしても、皆だいたい同じだからという安心感。次の機会には是非お試しください。

ちなみに僕がどんなレベルのファンであるか知りたい方は、この辺の記事を読んでもらえると嬉しいです。男性ガチ勢ですよろしくお願いします。

『KING OF PRISM』をまだ観ていない方へ!30回通った漢の『キンプリ』丸分かり解説

【キンプリ】男だが『KING OF PRISM』の上映に10回以上足を運んでしまった話

そんな『キンプリSSS』ですが、あまりに最高の出来だったので1話ずつ感想をしたためようと思います。まだ一度しか見れていない(※記事初稿時点)こともあり、拾えない部分も多いかとは思いますが、是非楽しんで頂けたら幸いです。

ここからはネタバレ全開で書いて行きますのでご注意くださいませ!

俺の「#キンプリみたよ」記事始まるよ~。

進化した「家で見るプリズムアフレコ」

第1話はプロローグ回。
『キンプラ』から『キンプリSSS』を繋ぐストーリーが前説的に描かれていましたね。今回はTVシリーズとしての展開がメインとなりますので、1話辺りに与えられた時間はOPEDを抜けば賞味20分強とコンパクト。この時間をどう使って新規視聴者の心を掴みに来るのかが1話最大のポイントだと思っていました。

ド頭から復活したOver The Rainbowの「虹色CROWN」によるプリズムショースタート。全体的な構成として初作となる『キンプリ』のスタイルを基軸に、よりパワーアップさせたインパクトで勝負しにきたというところ。

まずはその曲に乗せて、一条シン君の語りによる登場キャラクターの紹介。こういうダレやすいシーンも音楽に乗せると何となくリズムで見れる、というのが音楽を取り扱った作品の長所ではないかと思います。シリーズファンにとっては、このパートで初めて実家や家族が見れたキャラも数多くいたこともあり、最初から驚きの連続だったなと。

個人的に気になったのはやはり、シン君に普通に両親がいたこと(実の親かは分からないが…)とレオ君のヤバすぎる実家。あとはガッツリ描かれた涼野家の仲良さそうな食事風景と集合写真でいきなり感極まる事態に。

その後はオバレのショーでは最早おなじみとなった「プリズムアフレコ」の時間。待ってましたと言わんばかりの我々を待ち受けていたのは、前作や前々作を遥かに超えるレベルの狂気映像でした。「あ~ん終電行っちゃった~」ではないのである。台詞が長すぎる。

しかも大人になったRL娘達を相手にするというのも相当アレ(※TV版は完全に黒塗りという初見向け対応)今作のアフレコは完全一人称視点でスタートするというのが映像的なポイントだと思うのですが、部屋に行ったところから三人称視点に切り替わることによって、あの背丈であんちゃんの髪型の女がいきなり画面に映る、というインパクトもなかなかのものがあったと思います。

カヅキとヒロに至っては内容自体は「らしい」感じであり、シチュエーションが狂ってることを除けばまぁ理解できるのですが、コウジは映像的な強さを優先するあまり最早意味不明である(しかも台詞の口調が涼野いとそのものであり、コウジといとは付き合っているという事実を全面的に主張して行くスタイル)アメリカで何かあったのかな。

そして今作のアフレコで最も特筆すべきはやはり「TVで流れることを意識している」ことではないでしょうか。何を言っているんだこいつと思われても仕方がないが実際そうなのである。

シチュエーションが深夜に家で1人で見ることを想定している(と真顔で監督が言い出す気がする)としか思えないのはもちろんのこと、前作までと確実に違うのはアフレコのシーンにボーカル曲が流れていないということです(柔らかいBGMは流れます)曲に乗ってません。

つまりあれはあくまでも自宅でゆっくり浸ってもらうことを意識して作られた演出であり、映画館で勢いで流し見する映像として用意されたものではない。というのは火を見るより明らか(※明らかです)

これは製作陣による「今作は映画だけではなくて、TVシリーズとして創られたものを映画館でも流していくんだよ」という改めての意思表示だったのはないでしょうか。良いですね本気を感じますね。お酒は20歳になってから!!!!

「公道での2人乗りは禁止だよ」で全てを持って行くことで一大ムーブメントを生み出した初作のテンポ感をそのまま利用。既視感がありつつもよりパワーアップを感じる構図によるゴリ押しです。

当然ながら「今期はこれをチェックしてみるか」という軽い気持ちで何となく見る人達が大勢いらっしゃるはずですが、あの映像を見て何を思うのか本当に気がかりです。「(アドリブ)」をTVの前でいきなり要求される人達の顔が見てみたい。4月にその感想が見れるのが楽しみですね。

ジェットコースター設定解説

冒頭で「よく分からんが何だか面白そう」という雰囲気を作り出したら間髪入れずに謎のエヴァパロサブタイコール。パッと見でサブタイが分かるオリジナルのスタイリッシュさを台無しにするごちゃごちゃ感で視聴者の頭をゴリゴリ削ってきます。ありがとうございます。

その後は設定とストーリー進行(休憩)のターン。とは言っても、そのスピード感は尋常ではなく畳みかけるように頭に押し込まれる情報の波はさながらジェットコースター体験!視聴者の頭と心を掴んで離しません!

この辺りの創りも初作に通ずるところがありますね。今作は、初作の雰囲気を感じさせるアプローチがかなり多く盛り込まれており、改めて「初めての人向け」を意識しているのが分かります。

過去作を知っている人は単純に「新設定!!」ですし、知らない人はとりあえず「分からない」ままスルーでも良いパート。初めて『キンプリ』を見た時は「オバレのショーを噛み砕く時間」だったと思います。初見さんは今回もだいたいそんな感じでしょう。

まずは前作の功績から評価が上昇し、凄まじくオシャレなビルヂングの建設に成功したエーデルローズ。一体建設期間はどの程度あったのだろうか。あと先に借金を返そうな。

中では新しい後輩たちがお出迎え。レオ君がシン君のこと好きすぎだったり、モヒカン軍団久しぶりって感じだったり、過去作のネタを踏襲して笑いを取って行くスタイル。皆がプリズムショーの話をする中、頑なに飯の話しかしないミナトママが気になった。彼はスタァとしてどんなストーリーを見せてくれるんだろうか。

当たり前のようにベルローズの面々が滑っているのも良かった。女の子達もこの世界の住人として登場するというのを1話で提示してくれました。久々にあの練習着を見たなぁ変わってないなぁという感慨深さ。エーデルローズ女子部って「ベルローズ」という名前で独立してたんですね。

新しい校舎にお引越しし、至れり尽くせりの対応を受けられるようなエーデルローズ生達ですが、そのどこか機械的で無機質な環境に全員が疑問を抱いてしまいます。素晴らしい環境ではあるけれど、何かが足りない…と。

「自分達にはやっぱり、あそこが良い」

そう言わんばかりに、元の旧校舎に全員で揃って戻ります。やはり7人だけで過ごしたあの期間は掛け替えのない大切なもので、そこで皆揃って切磋琢磨して過ごすことが一番自分達を輝かせられると思ったからだと思います。

彼らのその純粋な気持ちは、このタイミングで身を引くことを考えていた山田さんの心を引き留め、仁との私的な争いに「これ以上皆を巻き込めない」と孤独な戦いを決意していた氷室主宰の心を変え、改めて皆の心を1つにすることができました。

また新たにここから、エーデルローズ生の以前と変わらない、それでいて新しい日々は始まります!

意味のあるゴリ押し映像

そして後半の見所はやはり良い大人たちの良いケツがたくさん見れるところでしょうか。謎の作画にこだわりが見られます。細かく強いインパクトでゴリ押してくる作品です。視聴者に息つく暇を与えない話創りこそが菱田イズムの真髄。ここの風呂は悪くねぇ。

このお風呂のシーンですが、何だかんだ言いつつ様式美にはこだわり続けてきた法月仁が、ただ「派手なら何でも良い」というイメージの下卑た仮面をつけてしまっているのがポイント。美的価値観よりもトップに固執する気持ちが前面に出てしまっているのでしょう。今作における仁の余裕の無さが垣間見えます。

『キンプリ』はこういった笑いどころもただ笑わせるだけでなく、細かい演出からキャラクター性を伝えてきてくれるのが面白いところ。短い時間の中で残さなければならないものだけを残して作劇しているので、話的に無意味なものは何もない、という楽しみ方ができるんですよね。

入浴シーンの1つ1つにも意味がありますし、びっくりトンデモ映像にも全く無意味なものは1つもありません。意味があって創られているからこそ、あれらの映像に惹きつけられてしまうし、何となく続きを見たくなってしまう魅力があるのです。

明らかにデカすぎるオバレの黄金像や会場を大爆発してお咎めなしなのにも理由があるんです(多分)この世界では会場はプリズムショーで再建(物理)できます。何を言っているか分からないと思いますが、そういうものだと思ってください(気になる人は前作を見よう!)

もちろん最初は「なんだあの全裸仮面…」程度の引っかかりで大丈夫。見ているうちにだんだんとその引っかかりの意味を感じ取ったり考えたりできるようになるのが『キンプリ』の世界です。まずはその引っかかりを残すことから始めましょう!

分かりやすい目的「PRISM.1」の開催

終盤になっていよいよ本題。
爆発するオバレの黄金像(謎の形態変化)の意味不明映像から始まる真のプリズムショーNo.1を決める祭典「PRISM.1」のスタートです。不正に塗れたプリズムキングには何の意味もない(世界最高峰の負け惜しみ)

不正はお前だというのは置いておくとしても、ルヰとヒロが同点だったこと、カヅキが規格外で失格になったこと、確かな実力を見せつつも会場破壊行為によって失格になったアレクとタイガなどの存在によって、前回のPKCの結果に納得行っていない層が世間に存在したのは容易に想像できる事案であり、4年に一度のPKC以外の大会が望まれていたとも思います。その層を抱き込んで発足したものなのでしょう。やることが汚い。

映像の勢いでゴリ押したことにより、分かるのは概ねエーデルローズとシュワルツローズが対抗戦をするということくらいですが、実際のところプリズムショーの何たるかを説明するよりも「何かしらの競技でチーム対抗戦を行う」という構図だけを記憶に残した方が作品的にはシンプルです。

一応解説しておくと、その内容はソロショーの10,000カラット(※煌めきを表す単位)×7にユニットショー20,000カラットの合計90,000カラットの累計で競われる構図であり、1対1で勝ち負けを競う戦いではありません。ですが、話の内容には実はあまり関係がありません。2話以降を見れば分かって頂けると思います。

「賞金総額は1,000億円!」
借金絡みで金額のインフレに慣れ切っている既存ファンにとっては「いつものこと」ですが、初見さんにとってはあまりにもオーバーすぎるその設定に度肝を抜かれたこと間違いなしでしょう。印象付けに余念がありません。

あとは「来週からこのアニメは(恐らく前半で見たような)ショーで競い合うアニメになるんだな…」ということだけ分かってもらえれば、このスピード感溢れる魅力に引っかかってしまった人達が視聴継続をしてくれるという戦略ではないかと思います。この辺りのフックのさせ方は流石『KING OF PRISM』を成功させた監督並びにスタッフ達ではないかと。

引っかからない人はそもそもこのアニメを見ないと思うので、その方向性で全振りしたのは正解ではないかなぁと1人のファンとしては思います。アイドルコンテンツ飽和時代でこの作品に目を留めさせるパワーがある1話に仕上がっているはずです(※実際はアイドルアニメではありません)

ちなみになんですが、仁はここで賞金の総額を絞ることで確実にエデロを潰せたはずなんですよね…。にも関わらず1000億円というフェアな(?)金額設定をしてしまっていることにどんな意味があるのか…考えてしまいますね…。

おわりに

総じて1話は我々の期待していた『KING OF PRISM』を期待以上に体現してくれた形だったと思います。

『キンプリ』の魅力の1つに「オタクが考える最高の展開をオタクが考える以上のクオリティで創り出す」というものがあると思っていますが、今回も例に漏れてこなかったと感じています。掴みはバッチリ。これで掴めない人は元から掴まらないので仕方がない。そんな1話でした。

TV放送や配信で初めて『キンプリ』の世界に触れた方々は「正直意味が分からない」という感想だと思いますが、大丈夫です。歴戦の猛者もよく分かってません。でもそれが正解なんです。意味が分からないことが分かったところからが『キンプリ』です。

考えるのではなく感じてください。まず感じて楽しんで、分かってきた段階で色々なことを考えてみたらもっと楽しいと思います。戸惑いは2秒 あとは楽しさが永遠です。

当然のことながら過去作を楽しんできた人達で、この1話に文句をつけたくなった人はそう多くないでしょう。分かりやすくマジキチ映像アニメをしていたと思います。色々な作品を見てきましたが、狂気度の高さで言えばやはり最高峰の作品です。

しかし作品としての面白さはもっと別のところにもある。マジキチ映像の裏に隠されたキャラクターの魅力の掘り下げこそがこのシリーズ最大の魅力です。それが発揮されて行くのが第2話以降。新しい『キンプリ』の世界を深く楽しめるのはここからです。

今後も1話ずつ感想を書かせて頂きます。いざ、参る。よろしければ今後ともお付き合いくださいませ。

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はつ

『超感想エンタミア』運営者。男性。美少女よりイケメンを好み、最近は主に女性向け作品の感想執筆を行っている。キャラの心情読解を得意とし、1人1人に公平に寄り添った感想で人気を博す。その熱量は初見やアニメオリジナル作品においても発揮され、某アニメでは監督から感謝のツイートを受け取ったことも。

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