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『キンプリ ベストテン』10,000字感想 "8人目"が紡いだ物語 生まれ変わっても22世紀でハグしよう!

投稿日:2020年1月29日 更新日:

『KING OF PRISM ALL STARS プリズムショー☆ベストテン』公開からもうすぐ3週間ですね。皆さん楽しんでおられますでしょうか?

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『キンプリ ベストテン』を映画館で観よう!初めての人にこそオススメしたい理由!

さぁ今回の記事ではいよいよ『ベストテン』全体の感想を書いて行こうと思います。ストーリー性のない総集編作品ですので、新規で製作された部分についての所感が中心となります。

あのダイスキが溢れるプリズムショーについても書いて行きますのでお楽しみに。

初作から『スッスッス』まで。1つの区切りとなった『ベストテン』を紐解きましょう。

"初めて"尽くしのネタOP映像

本作のスタートはセプテントリオンをモチーフにした謎の戦隊もの描写から。基本的にフラッシュアニメで展開する本作で、何故か新規に作画されてしまったのがこの序盤の特撮パート。

確かに「セプテントリオン」の語感はどことなく男の子の心を熱くする要素が満載で、一度は頭の中でこのような妄想をした人が大半だと思いますが(?)、それを公式でネタにしてくるのがやはり『KING OF PRISM』という感じ。

何作品と数を重ねても同じように、開幕で「は?」と言わされるのが『キンプリ』の1つの醍醐味に違いなく、スタッフがそれを"分かっている"のが改めて伝わってきて最高でしたね。総集編映画とは言え、ファンの心を掴むことに余念がありません。

この特撮「セプテントリオン」も決してネタのためだけに用意されたおまけ映像ではなく、SePTENTRIONの7人が受けた"特撮の仕事"という設定。芸能関係の仕事に従事する彼らが初めて見られた瞬間になります。

七者七様に衣装を着崩し、1人は無駄に予算をかけまくって防御力を上げるなかなかの珍集団。ちゃんと着ているシンくんが「"ただの全身タイツ"じゃねーか!」と突っ込まれる理不尽さ。

きっとゼウスが「俺はこれが良い!」と言って聞かなかったので、予算削減のためにミナトが「良いよ俺はエプロンがあれば(狂気)」とでも言ったのでしょう。優しいなぁ。

タイガも「俺はこっちの方が馴染んでるから」と言ってバトルスーツを着て、カケルは「タイガきゅんが全裸(全裸ではない)なら俺っちは前だけにしよっかな~(意味不明)」といったやり取りがあったことが伺えます。妄想です。

相対するのはアレク役のアレク。意外とノリノリ。タイトルにユニット名を冠し比較的自由な振る舞いが許されていた7人と違い、1人完全に役割に徹したアレクにもに注目して行きたいところ。

7人同様に、アレクがプリズムショー以外の仕事をこなしている姿も、ここまで一度も出てきていません。そしてアレクサンダーとエーデルローズ生(タイガ・カケル以外)が直接会話する描写はアニメには一切存在せず、仕事とは言えアレクが7人全員に1人ずつ言及して行くのも初めて。

そして「ストリート系は女性に弱い」という設定がありながら、今まで母親(とドラゴン)以外は一度も女性との接点がなかったアレクが、レオにたじろぎ甘く出る姿が見えたのも初めて。ネタOP映像でありながら、実は何かと"初めて"が多い映像に。

アレクは『スッスッス』で一辺倒な破壊から足を洗う決断をしたことにより、こういった「悪事をはたらく魔王」といったキャラが妥当…とは言えなくなりましたが、内面と世間のイメージはまた違うのでしょう。

そういった仕事にも一片の迷いなくヒールを演じ切るアレクはやはりプロ。爆発に巻き込まれて、似合わないほど無様な吹っ飛び方を強いられても文句1つ言いません。

恒例の全裸でご挨拶を終え、いよいよ始まる『プリズムショー ベストテン』!

本編?に移って参りましょう!

トラチとドラチ タイガとアレク

今回の司会進行役はペアとも(仮)のトラチとドラチ。ドラチは最終回にて若干の台詞がありましたが、トラチはまともに喋るのが今回が初めて。

ドラチもキャラが分かるほどの台詞はなかったので、実質的にこのペアとも(仮)2体がキャラ立ちする初めての映画になりました。可愛らしいマスコットキャラが『キンプリ』にも誕生しましたね。

彼らを語る上で欠かせないのが、休憩パートにて劇中に挿入されたショートアニメです。

個人的には正直今回の映画で最も「?」となった部分。心温まる義理人情の物語。ただただ良い話で、良い話のまま終わるというのが逆に狂気的に見える2体のエピソードでした。

ドラチは「活動に充電が必要」というのが新情報。だったのですが、何故彼女だけが充電が必要なのかは謎のまま。ちなみにドラチが充電している描写は、デザインの時点で尻尾がコンセントだった→演出担当がコンセントだったので挿した(?)→出来上がったものに監督がOKを出したという連携プレイで完成したもののため、理由は誰にも分からないそうです(舞台挨拶での監督の発言)

そして当たり前のようにコンビニで買い物する(できてしまう)トラチ。何故?そもそもアレにお使いを任せているタイガも含めて大丈夫なのかという不安が募る次第。

補足として『レインボーライブ』の最終回ではかなり沢山の女の子達にペアともが降臨している描写があり、あの世界では既に「マスコットの存在は特別なものではない」可能性はあります(劇中に女性スタァが基本的に登場しないので不明)アレクとタイガが2匹の存在を隠そうとするのは、普通は女の子につくはずのペアともが自分達についていて恥ずかしいからとか…?

トラチとドラチはタイガとアレクのマスコットなため、お互いライバル視する関係ではあるようです。しかし、この2体自体は2人ほどバチバチの関係ではなさそうなのが印象的でした。

また、タイガとアレクが互いのペアとも(仮)を認知し合っているのも本作にて初めて分かったこと。2週目のウェルカムムービーにて「タイガとアレクが密かに連絡を取り合っている」ことが明かされましたが、恐らくこのことについてなのでしょう。

ペットともただのマスコットとも違う、言葉を介して意志を持つ2体のペアとも(仮)。それはちょっと子供のようでもあり、友達のようでもある。不思議な関係です。

2体と接するタイガとアレクはいつもより少しだけ大人びていて優しそうで。タイプの違う2体に苦労させられることもきっと多いはず。その気持ちを共有できるのも、わずかな人間しかいません。

そんな決して相容れることのなかったであろう2人を結んだ数奇な絆は、今までにない友情を育んで行くことでしょう。

もし続きが見られるのなら、タイガとアレクとトラチとドラチの、全く想像もつかなかった物語を見せてほしいものです。

改めて応援上映に完全適合した作品

本作の追加シーンの中で、トンチキ的な意味で大注目だったのが「King of Prism 語学講座」のお時間です!

トンチキ語学講座と言えばトンチキ系作品では鉄板と言っても良い存在。ありそうでなかった『キンプリ』版、満を持してここに登場!

応援上映というコンテンツを育て上げてきた『キンプリ』だからこそできる、映画館で皆で声を合わせてRepeat After me!初見通常上映で見た方々はまさかの展開に心も周りもザワザワしたことでしょう。

本作は総集編映画であることを活かして、今まで「声に出してみたかったけど一応マナー違反」といった部分で声を出せる仕組みになっています(応援上映は台詞や歌被せでの発声は避けることになっているため)

ランキング中でも「師匠ー!!(※不意打ち)」「天然ガスが出たァー!」などに台詞被せでプリズム字幕が追加されていたりなど、プリズムショーをより大手を振って応援できることを旨としたタイトルでもあります。動物の声に「ウォーン!」の字幕も追加してほしかった。

この語学講座も、アレクの「GO TO HELL!!」を筆頭に、声に出して読みたい煌めきのオンパレード。いやー俺も「今の成績で行ける高校があるのが?」って一度で良いから言ってみたかったんだよね。やっぱりスタッフの皆さんは"分かってる"と言わざるを得ないなぁ。

チラホラ台詞が捏造されていたり、語学講座なのに突然の演技指導が入ったり、様々な要素に翻弄されながらも心から「やっぱり応援上映って楽しい!」と思わせてくれたのがこの語学講座の時間。

『キンプリ』は応援上映のヒットから大きく広まったコンテンツですが、作を重ねるごとに物語性が増して行き徐々に応援は難しい作風に。アニメその物は俄然クオリティアップして行くものの「これは応援できない」と思わされたり「どこまでを応援(発声)するか」で度々物議を醸すこともありました。

本作はその点で原点回帰を感じさせる内容。基本的に発声しやすいプリズムショーがメインの作品であることに加えて2周目を前提とした映像利用によって、誰もが好きに応援できる環境を作ることに成功しています

ここまで気兼ねなく声を出し、会場一体となって盛り上がれる空気。周りを大きく気遣うことなく、個々人が思い思いのところで声を出す。そんな応援上映を体感できるのは(ごく一部のイベント上映会を除けば)初作以来になるかもしれません。

「なんだこれwww」とツッコミながらも、この作品を"応援"し始めた4年前を思い出させてくれる興奮がここにある。『ベストテン』の応援上映は、本当に最高ですね。

一条シンのステージ

さぁ、本作の新規パート最大の目玉とも言えるビッグイベント。ベスト3の発表を迎える前に、ローズパーティーと中継が繋がります。

PRISM.1ではどうしようもない不幸によって披露することができなかった一条シン"本来の"ソロショー。それを満を持して見ることができる機会がこの映画でした。

「皆さん…」

TV放送版のEDで披露されたレオデザインの衣装に身を包み、シンのためにユウが書き下ろした楽曲を使った最高のプリズムショー。それを改めて披露する場を仲間達が尽力して作り上げてくれたのです。

「あの日は…怖い思いをさせてしまって、本当に…申し訳ございませんでした」

しかし、最初に見せられたのはここに来てまだ観客に向けて頭を下げる一条シンの姿でした。

我々はそんな姿が見たかったわけではありません。口に出した処々の問題は、あの日あの場所で解決したはずです。シンを含む7人の煌めきが生み出した「ナナイロノチカイ」、それを皆が受け入れたことで。

ですが、彼にとっては起こしてしまったことは変わらなくて。無かったことにはならなくて。許されたからと言って自分がしたことの重大さを軽んじてはいけないと、きっと心から思っている。

そこまで君が抱え込む必要なんてない。ないのだけれど、そんな彼だからこそ一条シンは、今こうしてまた皆に望まれる形でステージに立てている。その優しさと生真面目さが、一条シンがスタァである所以なのです。

誰も見捨てない、誰も切り捨てない、誰も否定しない。そして誰もに望まれて。

「みんなが笑顔になれるステージを」
ただそれだけを望んだ彼が行う最高のプリズムショー。

「ダイスキリフレイン」の幕開けです。

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