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キンプリオタクの『アイナナ』ミリしら感想 1期総括 IDOLiSH7の始まり 現実に抗う少年たちの讃歌

投稿日:2020年10月9日 更新日:

『アイドリッシュセブン』のミリしら感想始めます。

初めての方は初めまして。
いつも読んで下さっている方々、ありがとうございます。

この『HatsuLog』管理人のはつは

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こういう記事を書いている者です。

昨年から『アイドリッシュセブン』も見てほしいというメッセージを継続的に頂いており、2期の本放送に合わせてチェックしてみようと思い1期を完走しました。

『あんスタ』『A3!』とチェックしたことで、ここまで来たら『アイナナ』も押さえておきたいと感じたのが大きいですね。個人的な印象では、ソシャゲ発の女性向け作品の3強(※規模の話)だと思っています。

2期の放送に合わせて1話ずつ感想を書きたいと思っていますので、既に放送を終えている1期は総括という形で1記事したためさせて頂こうと思います。

よろしければお付き合い下さいませ。

ストーリー重視の展開

まずはじめにアニメ『アイドリッシュセブン』見終えた結果、ストーリーを非常に大事にした作風であると感じました。

今まで僕が触れてきた女性向け作品は、キャラクターをいかにしっかりと見せるかに重きを置いている作品が多かった印象。キャラクターの行動によって物語が創られていくのが基本で、極めて情緒的なお話がほとんどでした。

一方で『アイナナ』は主軸となるストーリーが明確で、その上で彼らがどう動くかによってキャラクターが表現されています。目的や目標が明確なので分かり辛いところがなく、全17話を通して1つの物語をストレートに楽しむことができました。

特に1話でアイドリッシュセブンとなる7人+マネージャーの魅力を上手く説明し切り、2話で何を目指す物語を明確に決定付ける流れはお見事です。最初の2話で「このアニメは面白くなりそうだ」と思わせる力がある、スタイリッシュな展開でした。

そして核となる各キャラクターの扱い。こちらはアニメの中での完結を見出そうとはせず、あくまで「IDOLiSH7誕生」までで7+3人が果たせそうな役割のみをフィーチャーする形で進行しました。

そのため全てのキャラクターが一定の活躍をしつつ未完成のまま終わる作品となっていますが、逆に全員が未完成であることで1本のアニメとしての納得感が増していると感じます。

比較的に見て出番の少なかったキャラクターは存在しているものの、「この物語上ではそうだったのだろう」と受け入れて見ることができました。なので特定のキャラの影が薄かったとか、不遇であったという印象を抱くことはありませんでした。

総じて「始まり」の物語に完全に特化した創りで、既にその先が展開がされているアプリ作品への導入としてスマートなアニメ作品となっていたのではないでしょうか。

アニメ1期は始まっただけで何かが起こったわけではなく、ただ始まるまでが非常に困難だったという作風。その先があってこそ輝く物語だと思います。だからこそ2期開始のタイミングでこの作品に触れられたのは、むしろ幸運だったなと思っています。

現実にもがき苦しみ、未来を目指す物語

『アイナナ』の物語で特徴的なのは、主人公格であるアイドリッシュセブンが何の後ろ盾もない状態が始まっていることです。

この手の作品だと男女向け関係なく、「最初から超名門の学校や事務所に加入しているエリート」「アイドルになるべくしてなる天性の才能持ち」「そもそも最初からアイドルである」など、アイドルになること自体は決定事項であるかのような設定が主流です。

一方で『アイナナ』は事務所のお抱えであるとは言えその規模はかなり小さく、才能も超一流というわけではありません。だからキャラとしてもかなり平凡な人間が多く、(特に序盤は)彼らに自信もないことも相まってパッと見あまりキラキラしていないように感じていました。

それ故に、アイナナの処遇は全て身の回りの大人の判断によって決められて行きます。実際、1期のアイナナは自分たちから行動することはあまりなく、基本的に何かしらの指示や止むを得ぬ事情によって動かされるシーンがほとんどでした。ライバルで一流アイドルのTRIGGERでさえ、その枠組みから外れていたとは言えません。

自分たちの意思に関係なく襲いかかる社会の力。時にはそれに助けられ、時には痛めつけられながら、懸命に夢見る先を目指してアイドリッシュセブンは努力を重ねて行きます。できないことが多すぎる中で、できることに一生懸命になる彼らの姿が、だんだんと光を放つようになるのです。

どうしようもない環境に抗い、自分たちの気持ちを優先するために行動する。もがき苦しみながらそれを実現して行く彼らだからこそ、応援したくなるものです。

上述したストーリー重視の空気も相まって、良くも悪くも女性向け作品っぽさがない、少しくすんだ印象からスタートした『アイドリッシュセブン』。ビジネス的な知見がまだまだな新米プロデューサーの采配も逆風となり、彼らの活動は"最悪"の状況から始まりました。

しかしだからこそ、ステージ上の彼らは華々しく美しい。絶対に成し遂げられるステージではないからこそ、自分たちの力で勝ち取った輝ける場だからこそ、その1回1回に情熱を燃やすIDOLiSH7のステージは人の心を打つのです。

大きな後ろ盾もなく、特別な才能があるわけでもない。皆が皆アイドルになりたくてアイドルをしているわけでもないし、結果的にアイドルに辿り着いただけの人たちも少なくない。

けれど大きな1つの目標に向かってそれぞれが努力した結果、その場所と時間がだんだんと掛け替えのないものに変わって行く。始まりはバラバラで、持っている想いが別々であっても、7人で歩んできた時間は新しい絆を彼らの心の内に宿す。

そうして手に入れた得難き仲間たちと目指す芸能界の頂点。スターとしての道を歩き始めるアイドルたちの物語。それが『アイドリッシュセブン(1期)』という作品でした。

この作品で完結ではなく、ここから始めるために創られたもの。紆余曲折を経た導入を描き、未来へと繋げていく作品。そんな趣きのある物語でした。

アニメを彩ったアイドル達

では現時点での登場キャラクターの印象を1人ずつ書き込むことで、2期視聴&執筆の足掛かりと致しましょう。

和泉一織

知的クール担当。
ですが仕切り屋…と言うには少々力不足なのが可愛いところ。ユニット内でも年齢は下の方で、兄が同ユニットに在籍しているので当然ではありますが。

齢17にして「自分の言う通りにすれば絶対に成功できる」と自信満々に言い切れる胆力で、上手いことマネージャーを懐柔してしまうなかなかの未成年。恐いもの知らずで世間知らずとでも言いましょうか。

しかし実際に言っていることとやっていることは間違っておらず、アイドルとしても裏方としても確かな才能を持っているのが分かります。

彼自身はアイドルに最初から強い興味があったわけではないことから、当初はマネージメント補佐としての立ち回りが主たる活躍となっていました。

ですがそれを意識しすぎるあまり、人前に立つ者としての意識が疎かに。中盤では「自身がアイドルである」という事実を軽んじていた自分の存在を自覚させられるミスを犯してしまい、それが彼の精神性に大きな変化をもたらしました。

それ以降はアイドルとして自覚的な行動を取る時間が増え、だんだんと振る舞いも裏方気質ではなくなったと思います。

何事も「ちゃんとやりたい」性格なのが功を奏し、自由なアイナナのメンバーに振り回されることで場を動かす立ち位置を確立しています。ただ、その「ちゃんとやりたい」が自分の中での基準に依存してしまっているのが気がかりです。

今のところは上手く回っていますが、自分の方策と生真面目さに絶対の自信を持つことがトラブルの種になるリスクもあるでしょう。

頭が人より回るということは、そこに及ばない人の気持ちが理解できないということでもあります。その長所と短所が、どのように物語に絡んで行くのかに期待しようと思います。

二階堂大和

アイナナの年長者にして達観者。
とは言うものの、年齢の割に大人びすぎているのもまた事実。

出生に重大な秘密があり、それが自身の精神性に影響を及ぼしている様子。週刊誌にすっぱ抜かれた隠し子説が真実…と見るのが今の段階では妥当です。

基本的には面倒臭がりで、楽な方楽な方を選ぼうとする遊び人気質。しかし実際に仲間が窮地を迎えるタイミングでは、率先して解決のために行動することができる情に厚い人間性を垣間見ることができます。

論理的に考えられるものの若くイレギュラーに弱い一織に変わって、臨機応変に状況を変える一打を放てるのがこの二階堂大和。さながらIDOLiSH7のセーフティネットとも言うべき存在です。

転じて行動方針が「仲間のため」にかなり依存している傾向があり、本人がどのような希望や要望を持ってアイドル活動に勤しんでいるのかがかなり不明確な状態。

アイドルになった理由に「復讐」を挙げていましたが、その実情は全く見えていません。目的が何なのかよく分からないという点では、IDOLiSH7の中で随一といったところでしょう。

演技力を買われて役者として人気を博し、アイドルではないフィールドで名声を挙げることが、今後の活動にどう影響するのかが気になっていて。それについても、血筋が無関係であるとは思えません。

そして「役者を避けていたこと」と「アイナナのためなら役者を引き受けられたこと」。この辺りの心情変化や気持ちの置き所が、彼を知る上で大切なポイントになってくると感じています。

和泉三月

見た目は可愛い系、中身は兄貴肌とギャップが楽しい和泉兄。

アイナナの中では数少ない常識人でありながら、誰よりも"アイドル"その物に強い憧れを抱く彼。しかし実際にアイドルとしての才能を買われたのは弟の一織の方で、三月は一織の要望によってデビューさせてもらえたに過ぎなかったという現実がありました。

実際アイドルと言うには見た目にも性格にも飛び抜けた素地がなく、個人では可もなく不可もなしという評価で終わってしまうのも止む無しといったところ。

しかし彼らが活動するIDOLiSH7は7人組のユニットで、最初から個人で活躍しているわけではありません。人数の多いユニットでは役割分担が必要不可欠で、同じように個性的なアイドルばかりでは食傷気味になってしまいます。

三月はアイナナの中に入ったからこそ、全体を引き締める役割を担うことができました。そこで彼らしい才能が開花して、ソロでの仕事も請けられるように。彼1人ではアイドルとしてデビューするのは難しかったのかもしれませんが、皆と一緒だからこそ彼は輝く場を得ることができたのです。

アイナナは最初から7人でのデビューが考えられていたわけですから、当然その役割分担を意識したメンバーを集める必要があります。

三月は最初からお零れで選ばれたのではなく、7人グループの1人としてイメージに適合したからの採用だったと考えるのが自然でしょう。そもそも小鳥遊事務所に情けで人員を選ぶ余裕があるとは思えませんし。

後半では不幸な巡り合わせから「自分が認められてスカウトされたわけではなかった」ことを知り、コンプレックスを刺激される展開も。この点についてはまだ完全な解決が図れたわけではないですし、今後また動きがあるのではないかと思っています。

作品内の立場は不遇なアイドルと見られやすいものですが、キャラとしては非常に分かりやすく愛しやすい男の子です。彼が喋っていると全体的に空気が和やかになる印象があり、見ていて安心することが多いですね。

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