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キンプリオタクの『ヒプマイ』感想 第2話 俺が一郎!俺達がBuster Bros!!! いくぜこの街のトップランナー!

投稿日:2020年10月13日 更新日:

12人のキャラクター紹介に徹した1話を終えて、物語が動き出す2話へ。アニメでしか見られない『ヒプノシスマイク』が幕を開こうとしています。

どのような構成になるかがまだ未知数な中で、その方向性を提示したのはイケブクロディビジョンの「Buster Bros!!!」!

今回は彼ら3人を主にフィーチャーした物語となりました。つまりここから数話は、各ディビジョンを1話ずつ掘り下げる内容が展開されると予想できます。

想像より熱く、想像よりもトンチキだった最高の2話「Speak of the devil and he will appear.」。噂をすれば影。その内容をアニメの質感に準じた形で記事にして行こうと思います。

いっちょかますぜ!今回もよろしければお付き合いくださいませ。

癖が強すぎる新キャラ?たち

見るアニメ間違えました?

と言いたくなる突然の新キャラの登場に困惑する視聴者。モブ…と言うにはこだわったキャラデザと作画で存在感。さすがに使い捨てキャラには思えない。とは言え、いきなり誰かも分からない3人の会話から始まるとは驚きです。

彼らの立ち位置は今のところ不明ですが、2話での印象は某テニヌ漫画の月刊プロテニスの記者に限りなく近い(分かる人には分かる)

『ヒプマイ』はメインキャラクター以外の世界観描写がほぼ行われていないため、直接ディビジョンラップバトルに絡んでいない一般人(?)代表という感じでしょうか。男女混合のトリオも原作には存在しないため、今後の動向に注目しておきましょう。

SA☆DA★ME☆DU★KA

そんな新キャラのターンが終了し、いよいよイケブクロ「Buster Bros!!!」の登場。

感覚派の次男 二郎と論理派の三男 三郎のスタンスの違いに触れながら、そのどちらも余裕を持ってしっかりと受け入れるカリスマ長男 一郎の存在感を際立てる進行です。

対するは1話で彼らに煮え湯を飲まされた「テンダーロインズ」。リーダーを引き連れてお礼参りに馳せ参じたようです。

「運命の塚と書いて…SA☆DA★ME☆DU★KA!」

という独特な自己紹介をキめるリーダーは、何故か当て馬モブのはずなのに恵まれたネーミングと大物声優を起用されてしまった逸材。

さらにケータイのコール音に対し

「えぇぃ誰だァ!?なんでマナーモードにしとかねぇんだ!?」

という斜め上すぎる怒りを爆発させる思考回路を持っていて、かなり独特な世界観でライムを刻んでくれるではないかと感じます。さすがは荒くれ者をまとめるリーダーと言うところでしょう。

残念ながら今回はラップシーン無く退場という結果に終わりましたが、ここで終わる"ライバル"とは思えません(大嘘)今後の活躍に期待が高まります(大嘘)

俺が一郎

これが伝説のヒプノシス MIC Hip Hopの新時代 到来
まだいけるか? Hands in the air yo
言えよ who's the one
「それは一郎」

開幕の見所は、山田一郎の第一弾ソロ曲「俺が一郎」を活用した疾走感溢れる合流シーン。

イケブクロに山田一郎あり。
そんなメッセージ性を短い時間で表現するのにバッチリの一曲で、兄弟だけでなく町中が彼のことを慕っているのが分かる演出でした。

決して身内にだけ優しいのではなく、誰にとっても頼れる兄貴的な存在になれる。そんな人望と人徳で彼はイケブクロ代表の地位に君臨しています。

この演出によって、『ヒプアニ』は必要に応じて既存曲を利用した演出も取り入れて行くことが分かりました。1話は全て新曲で展開したこともあり(ぞれ自体は大変に素晴らしいことですが)既存曲の扱いについては定まっていませんでした。

やはり3年かけて様々な音楽を積み重ねてきたコンテンツですから、見知った曲が流れるというのも「熱い演出」には違いありませんよね。新曲を楽しみながら、どこでどんな曲が流れるのか。自分の好きな曲は使われるのか。そこに想像と期待を膨らませるのも一興になりそうです。

「やらなければやられちまう。だったらやられる前にやっちまえ。そんなきな臭い奴等が、目をギラつかせ生き抜こうともがく街…」

人望と人徳、そして実力を持ち合わせる存在には、それを疎ましく思う者も必ず現れます。彼らはそれを理解した上で、イケブクロという荒んだ街で正しく生きることを選んでいます。

「ようこそ俺の愛する"ブクロ"へ。心してかかってきな」

真に強い力を持つ者は、それを不当な方向に奮おうとせず、必要な時に必要な形でのみ使う。心優しい彼とその兄弟は、そんな矜持の上で、これからどんな暴威と向き合って行くことになるのでしょうか。

『ヒプノシスマイク』の世界観

激烈に癖の強いモブとのやり取りを終えた一郎を迎え入れたのは、何故か超絶に気合いの入った作画で彩られたデザートの数々。

甘い物が好きとか嫌いとか関係なく「無理」な量の善意を半ば押し付けられた彼は、家で留守番している兄弟たちの助けを借りることを試みました。ちなみに彼は萬屋ヤマダを営む経営者で、普段は雑多に人助け全般を請け負う仕事をしています。闇の仕事と言うわけではなく、今回もその一環でしょう。

そこに突如現れた1人の暴漢。
ナイフや銃ではなくマイクを振りかざし、ダイナマイトの如く数多の違法マイクを身体に括りつけた姿は(色んな意味で)分かりやすく不審者。しかしこれが『ヒプノシスマイク』の世界観を考えれば、ごく自然な光景であるというのを、2話にして我々に突き付けてくれました。

「これだけのマイクのヴァイブスを叩きつけられたら、こいつらどうなるか分かるよなぁ!?」

分かりません。
そもそも複数のマイクを通すと威力が増幅する仕組みが存在していることが驚きです。

「マイクヘッドを人質に向けたら駄目なのでは?」「そんな数のマイクにどうやって声を届けるんですか?」「(原理は分からないが)ハウリングして自分も大変なことになるのでは?」などなど、果てしないツッコミどころが頭の中を巡りながらも、「まぁどれにツッコんでも無駄だろう」と悟らされるこの感じ。正に「ペンは剣よりヒプノシスマイク」。

しかしながら「爆弾のように自分がまき込まれるリスクが低く、遠距離から広範囲かつ多人数に同時に攻撃できる」という点で見ると、ヒプノシスマイクは単純に武器として非常に優秀。

仮にその他の武器が手元に存在しているとしても、ラップさえできれば個人強盗などでは最適な装備とさえ言えそうです。H歴の住人である以上「男ならラップできる」ものなので。

ラップに懸ける想い

テレビのニュースで一郎のピンチを知った二郎と三郎は、彼を助けるために現場に急行。一郎も強盗犯を牽制するものの、家にマイクを置いてきてしまったため反撃することができません。

なんだテメェ くそがき 人質の 分際
ヴァイブスなら 桁違い 粉々に 粉砕

こんな素人でも素人臭いと分かるクソラップ相手でも、マイクのない状態でマイクを持った相手と戦うことはできないのが現実です。

ですが大量の違法マイクを使いながらも、強盗犯は一郎をそこそこ吹き飛ばす程度の火力しか出すことができません。これが彼の力量における限界ということなのでしょう。

多くのマイクを同時に使った(身体に密着させると同時にマイクを使用できる…?)ことで、強盗犯はわずかなラップだけで大きく疲弊。限界を超えた力で言葉を放っているのが分かります。

「そんだけのマイクでラップしたら、持たねぇぞ…精神が」

ヒプノシスマイクは相手の精神に干渉してダメージを与えるアイテム。当然、使う側の精神にも影響を及ぼすのです。何十本ものマイクを通して過剰にそのヴァイブスを引き出せば、異常なダメージを受けてしまうことは想像に難くありません。

「お前…死ぬぞ」

死ぬのか。
それは知らなかった。

自分に悪意と暴威だけを向ける強盗犯相手にも、一郎は毅然として立ち向かいます。それどころか相手の心身を慮り、できれば助けたいと考える優しささえ見せています。イケブクロという街で、どうしようもない連中を見続けてきた彼だからできるソウルフルなやり取りでしょう。

それでも強盗犯は決して一郎の言葉に耳を貸しません。ダメージを省みずに一郎を斃すためだけに言葉を酷使し続けます。

それは音楽ともラップとも言えるものではなく、ただただ粗雑な感情をぶちまけるだけのお粗末なもの。別に目の前のものを排除できれば手段は何でも良い。そんな私利私欲を満たすためだけに、卑劣な暴力を奮い続けるのです。

「言っとくがよ…マイクは――」

ラップは自分を表現する方法、手段であり、音楽は人を楽しませるために存在しているもの。それは時代や形が変わってもきっと変わることはありません。

バトルという形式を取ることはあっても、それは無秩序かつ無矜持に行われるべきものではありません。

「――人を傷つけたり、犯罪に使う道具じゃねぇんだよ!!」

そこで初めて一郎は強盗犯に声を荒げます。それはきっと、強盗犯の行動が一郎のラップにかける想いに強く反する行いだったからなのでしょう。

山田三兄弟の絆

監禁という状況をひっくり返すには、まずマイクを手に入れる必要があります。普通に考えれば目の前の相手からマイクを1本強奪するのが手っ取り早そうですが、一郎は最初からその選択肢を掲げませんでした。

これは違法マイクの使用に何らかのリスクがあるとも想像できますが、最大の理由はやはり「弟たちが既に自分を助けようと動いていると考えたから」でしょう。

しかし山田三兄弟はここまで何の連絡も取り合っていません。一郎は弟たちが「自分が事件に巻き込まれた」ことを知っているかさえ明確ではない状況です。

唯一の情報は(何故か綺麗に立てられていた)一郎のスマホに三郎がハッキングしたことだけ。それでも彼は、その情報だけで弟たちが自分にマイクを届けてくれることを信じて、彼らに情報を届けることを優先して行動しました。

三郎が超絶ハッキング技術で監視カメラに侵入することを見越し、そこから目線だけで自分の思惑を伝えるという高度なやり取りを断行。放る側も受け取る側も間の完璧な信頼関係が必須で、普段のコミュニケーションがなければ決して為し得ない荒技です。

三郎はしっかりと一郎の意思を読み取り、彼が求めていることを理解して次手を打ちました。

そしてその先で必要になるのは、二郎の身体能力です。
(どこからともなく現れた)少年からサッカーボールを借り受け、某名探偵顔負けの無回転シュートで窓を突き破りつつ強盗犯を襲撃します。もはや無回転シュートでは説明できない謎磁力的な軌道を描きましたが、ここまで来たからには不問としましょう。

一郎は三郎が正確に行った解釈の先で、二郎が会心の一撃を確実に決められると信じてこの一連の作戦を彼らに伝えました。

誰かが欠けていたら解決できず、3人がそれぞれの役割を果たせなければ上手く行くことはなかった作戦。それを完璧な形で成し遂げ、理想通り思い通りの結末を描き出しました。

山田三兄弟の絆の強さ、信頼の深さをひしひしと感じることができる一幕でした。

「RUN THIS CITY」

「…俺の魂を感じて行きやがれ」

3人で窮地を乗り越え、いよいよ揃ったBuster Bros!!!。
彼らが刻むのはアニメ初公開の新曲「RUN THIS CITY」です。

一郎のヒプノシススピーカー発現が一話から引き続きたことでバンク化し、完全にホビーアニメの質感に。今後このバンクが涙なしには見られなくなったりするのかもしれない。

新曲は一郎個人のターンから。強盗犯を車で轢くことで、キラキラと浄化させる圧倒的な演出(※完全に意味不明)からスタート。心が浄化されたのか街と一体化されたのか、真実は誰にも分からない。考えるのをやめた。

「マイク良い感じに手入れしてくれたじゃねーか」
「兄ちゃん…!」

合流した弟たちに声かけた一郎が発したのは、事件や状況の話ではありませんでした。それよりもまず兄弟の努力を褒める。それが山田一郎というカリスマです。二郎の努力を評価した一郎の立ち振る舞いは、正に年長者の風格。些細な努力を見落とさず、その働きと功績を最大限に褒め称える。こういった1つ1つの心遣いが、彼が慕われる理由なのでしょう。

「三郎も、よく気が付いたな」
「だって、一兄ぃが教えてくれたから…!」

当然、ここまでの道筋を導いた三郎の努力についても同じことです。分け隔てなく兄弟を気遣ってこそ三兄弟の長男。決して驕らず、偉ぶらず。兄として対等に彼らとの関係を築こうとするからこそ、山田一郎の元に弟たちは付いてくるのでしょう。弟たちはやはり、自分1人を特別扱いしてほしい気持ちはあるようですが。

「…騒ごうぜ」

その兄の一言で三兄弟のタガは切って落とされます。ここから彼らが送る真のラップの時間。音楽を冒涜する輩に響かせる本当のヴァイブスが、余すことなく炸裂します。

Homies we are Buster Bros!!!

いくぜこの街のトップランナー 俺らBuster Bros!!!の出番だ
Wackな奴ら掃除する Buster Bros! Bros!
俺らRun this city
We run this city

それぞれのフィールドでそれぞれの時間を。誰が相手だろうと関係ない。

自分たちの意志と世界をまっすぐに体現する。それこそがラップに、言葉に想いをかけるということ。

目の前の相手を屠るために歌うのではなく、ただただ自分たちができることを全力で相手にぶつけるのみ。その後で目の前の相手が倒れているとしたら、それはあくまで"結果"に過ぎない。

だからこそ彼らの音楽は常に強く激しく輝き、時として相手はその光に飲み込まれます。そうなりたくなければ、目の前に立たなければ良い。その選択権は常に本人に委ねられているのですから。

今回の相手は、最期まで戦う意志を失わない意志がありました。それは決して正しいものではなかったでしょう。しかしその本質がどうあれ、立ち向かってくる者には全力で自分たちをぶつけていく。それが彼らBuster Bros!!!の在り方で、彼らがラップに込めた想いでした。

どんな相手であろうとも、倒れるまでその相手をリスペクトして打ち倒す。ひたすら楽しそうに表現し、自分たちの世界でビートを刻む彼らの姿は、ヒプノシスマイクを振りかざすラッパーとして最も理想的な形の1つなのではないでしょうか。

煌々と輝く3つの光は最後に折り重なり、大きな流星となって強盗犯の頭上へ降り注ぎました。

大きな光が集まればより大きな1つの光になることくらい、少し考えれば分かること。それを承知の上で逃げなかったのだから、それは留まった方の落ち度と言うべき。

流星の着弾はお約束の大☆爆★発!!
"まき込まれた"男は無惨にも再起不能に。

ですが光り輝く3原色は、相手がどうなったかなど気にしません。その結果を見ることなく、相手に背を向けてその場を立ち去りました。

ただ自分たちの発した"音楽"に満足するかのように、腕を掲げて勝利を噛み締める。それが彼らBuster Bros!!!の描いた結末なのでした。

おわりに

イケブクロディビジョン「Buster Bros!!!」の物語は、あまりにもスタイリッシュでセンセーショナル。

1話からさらにトンチキぶりを増強し、疾走感溢れるカッコ良さと同時に大きすぎる笑いを我々の心と腹筋にもたらしてくれました。なるほど『ヒプアニ』はこの方向性で行くつもりなのか、と強く強く実感することができる一話だったと思います。

ディビジョンラップバトルが始まるであろう後半に向けて、この空気でテンションを上げられる心を育てることがアニメを200%楽しむ上で重要になるでしょう。元々そういう心を持っている人はそのまま楽しんでください。

それぞれのディビジョンがどのような物語を描くのかはアニメオリジナルな部分が多く、毎回異なった衝撃を与えてくれることに期待しています。

大きな期待に応える形でしっかりと面白いアニメを創ってくれている『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- Rhyme Anima』。今後とも楽しんで行きましょう。よろしければこの感想群ともお付き合いくださいませ。それでは。

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