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キンプリオタクの『あんスタ』ミリしら感想 アプリ編㉖「スカウト!ロビンフッド」

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今回執筆するのは「スカウト!ロビンフッド」です。

「ジャッジメント」の後日談に当たり、今後の展開への伏線も多く張られているというメッセージを数多く頂いたストーリーですね。こういうストーリーに到達するたびに、感慨深くなるものです。

また2年目では初めてのレオが登場する物語でもあります。久しぶり。時系列的に途中参戦の彼がいるいないは、その年の進行度を感じる大きな指標となりそうです。

今回は「ロビンフッドを読んでの展開予想をしてほしい」というメッセを頂いているので、そちらを取り入れた内容で感想をお送りしようと思います。

言われてみれば予想というのは、原作の感想ではあまりして来なかったかもしれないですね。アニメはむしろ予想が中心でしたが、原作は1つ1つを書いて行くスタンスでしたから。

今までの感想を読んできて頂いている方には、少し懐かしい感じもあるかもしれません。それではお付き合いくださいませ。

弓道部の日常 過ぎ去った非日常

今回フィーチャーされたコミュニティは弓道部。
蓮巳と弓弦が属していることから場面場面で登場する機会の多かった弓道部ですが、実は部活単位で内情が語られたことはほぼありませんでした。

その2人に巻き込まれていると言うか、若干置いてけぼりを喰らっていると言うか、微妙な立ち位置で話に入ってくる司というのがいつもの流れ。その司の関係者であるレオが合流したことで、彼らが中心の物語が描かれたのがこの「ロビンフッド」です。

司にとって部活の先輩がユニットのリーダーであった(しかもあの月永レオ)ことが幸か不幸かは微妙ですが、少なくとも生徒会の話を神妙にされ続けるよりは"マシ"でしょう。レオが合流してようやくcommunicationが円滑に取れるようになったところもあるかもしれません。

その彼らが活動する弓道場。なんと過去のいざこざが原因で校則の及ばない無法地帯と化していることが判明し、生徒会の権限がいよいよ持って迷子に。でも冷静に考えると「校則が及ばない」というのは、「学院ではない」だけで無法地帯ではない…一般論なら…。

荒くれ者から弓道場を守る。その共通の目的を持って過去に結託した蓮巳とレオは、その責任を取るように弓道部の所属となったという感じでしょうか。それが抗争の時代を終え平和を迎えたことで、彼らの"安寧"へと変化した。それが今の弓道部だと感じられます。

いつの時代も規則を破る者に対し、規則を守る者はあまりにも無力です。守るべき者があるものは、何も守らなくて良いものに打ち勝つことはできません。

規則の外側を穿ち貫かなければ、悪を出し抜くことができない。そんな状況に置かれた時に正義が正義でい続ける方法、その1つが「在り方を変えてしまうこと」でしょう。

蓮巳は幸運にも権力者であったことから、その方法を取る権利を持ちました。それが私情を優先したリスキーな選択だったのか、誰が見ても本当に必要なことだったのかは今の段階では分かりません。

確かなのはそれ以降も蓮巳はレオと共に「弓道場を守る」という責務を果たし続けたということ。その結果、弓道部は他と変わらない「普通の部活動になった」ということです。

"普通"の大切さを感じ取る物語

動乱の夢ノ咲学院において、さして重要ではないコミュニティである部活動が、1つの隠れ蓑として機能していたのは想像に難くありません。まだ動乱の内情が全く分かりませんが、小さな組織の集合が大きな動きを起こすためには必ず必要だとは言い切れます。

もしかすると弓道部と同様の憂き目を見た部活動が、他にもあったかもしれません。その中で"蓮巳敬人がいた"弓道部が光を得ただけで、歴史の闇に葬り去られている存在もあったのかもしれません。

その可能性が捨て切れないと考えた上で、今の弓道部を見てみるのも一興です。

首の皮一枚で窮地を脱した弓道場では、ごく自然に弓道が行われています。そこに集まるのは新しい関係性を紡ぎ、他愛ない日常を過ごす部員たち。ありふれた日常の一幕がダラダラと展開されています。

それらは全てそれを取り戻さんと努力し、行動した救済者の手によってもたらされたものです。そして件の彼らはそこで過去を知らぬ純粋な者と共に、ひと時の安寧を享受する。これほどに素晴らしいことがあるでしょうか。

目の前に存在している"普通"は、誰かが本気で努力して勝ち取ったものなのかもしれない。今恵まれた時間を過ごせているのは、その土台を作ってくれた先人のおかげなのかもしれない。

緩やかな時間が流れる日常エピソードの中で、まだ見ぬ過去の存在に想いを馳せる物語。「スカウト!ロビンフッド」は、弓道部がまた他と違った関係性を匂わせてくれる趣きを残してくれました。

隠されしKnightsの過去

今回判明した内容の中で触れておかなければならないのが、やはり「Knightsの過去について」です。

名を替えては内部分裂を繰り返し、大元である「Knights」を直径とする数多のユニットを生み出しては消滅させた。そんな血で血を洗う抗争があったことが示唆されました。

蓮巳が「内部抗争については知り得るところではない」と言っているように、その現実を深く知っているのは当事者のみに限られるようです。公の場においては、Knightsは大きな変化なく「Knights」でい続けたユニットということになっています。

現実においても、組織の歴史が長くなれば中身は入れ替わり、最終的には最初にいた者は誰もいなくなってしまうもの。これは避けられない現実です。

そうなった時、残った人間はその組織の初志を持っていると言えるのか。もしそれがないのなら、同じ組織でいる必要はないのではないか。それこそが全ての組織がどこかで直面する問題でしょう。

だから多くの組織はそのタイミングで形を保てなくなります。志を違えた者から1人、また1人と組織を離れて行き、最終的には霧散する。そうやって無数の組織が生まれては消え、長きに渡って残るのは本当にごく僅かな存在のみです。

Knightsはその中で組織の形を保ち続けた数少ないユニットで、故に「古豪」なのでしょう。

しかし中身が入れ替わって行く現実は他と変わりありません。そしてそれは、組織を保とうすればするほどに脅威となって関係者の身に襲いかかるのです。

組織を存続させるということ

多くの人がKnightsを捨てて去って行けば、他のユニット同様にその存在が消えるだけで済んだこと。離れた人間は新しい居場所を見つけて、そこで新しい幸せを見つけることだって普通にあるでしょう。

ですがKnightsはそうはなりませんでした。そこに集う者が「Knightsであること」を望んだが故に、それぞれが内部で"真"を主張して他を遠ざけた。それこそが、彼らが「Knights」の枠の中で小さなユニットを作り、名を変えていた理由だと思います。

こうなってしまえば最後、関係する全ての者が折れるまで、誰かが絶対的な"個"と化し勝者となるまで闘争が続きます。それを乗り越えて生き残ったのが「今のKnights」である。そう考えるとレオの話しぶりにも合点が行きます。

そこでヒントとして提示された「レオが名前を初期の"チェス"に戻した段階で抗争が起きた」というのが引っかかります。

この選択は数多の変化を経験してきたユニットの"初期化"を意味しますし、相応に反発があったものと考えます。それが抗争の契機となったのなら、それだけ月永レオが抱えるものは甚大なものとなってしまったはずです。

彼が過去に何を見て、何を望み、どのような結末を迎えて"今"を過ごしているのか。それを知るのはもう少し先になりますが、きっと多くのものを抱えて多くのものを打破してきたのだと思います。

その先で勝ち取ったものが「俺のKnights」ならば、彼がそこに懸ける想いは複雑かつ猟奇的なものに違いなく、まだまだ予想するのは困難です。

まだまだ身勝手なことを言うべきではない状態。ですが今回の「ロビンフッド」で、長らく謎に包まれていた彼らのクソデカ感情の正体を紐解く取っ掛かりを得ることができたように思います。今までは1つの想像さえ難しい、そんな状態で放置され続けていたので。

この感想を読んでくれている方が望んでいる「チェックメイト」に辿り着くのはいつになることやら…ですが。ここまで来たら責任持って見届けたいところ。

今回活躍したキャラクター達

では最後に今回活躍した4人のキャラクターに少しずつコメントして行きましょう。

月永レオ

うっちゅ~☆
と返すと喜んでくれるので書いておく。

弓の腕なら蓮巳以上、実質No.1の射手でもあるKnightsの王さま。しかし「当たればいい」という我流の極みのようなので、礼節と型が重んじられている弓道の大会でも結果を残せるのかは謎に包まれている。

登場するたびに突飛な発言とテンションで楽しませてくれるレオですが、今回見ていて思ったのは思考の根底は基本的にまともなのではないかということ。

たまにまともなことを言う変な人でもなく、変な人を演じているまともな人でもなく、自分のことを変だと思っていないまともな人でもない(いやまぁ自分のことを変だとは思っていないと思うのだが…)そもそも変な人ではないのかもしれない(?)

言うなれば「表現方法が変なだけで実はまとも」なのではないかという疑惑が現れてきた…ように感じています。

思い返しても(よく分からないテンションでよく分からないことを言っているのは確かですが)噛み砕いて行くと発言内容が異常であったことは今までになかったような気がします。

当然これはロジックの範囲の中でだけの話で、行動を含めると露骨におかしい人になってしまいます。故に「脳内の彼の異常性をどこで線引きするか」が、彼の本質を紐解く上で重要になってくるだろうという感じです。

何を言っているのか分からないかもしれませんが、僕も書いていてよく分かっていません。いつか分かるようになると良いですね(他人事)

朱桜司

猫に対し「畜生風情」など相変わらず滅茶苦茶言う。

Leaderが変なところに落書きしないよう、ノートを常備するようになってしまった少年。ジャッジメント以降も足取りがほぼ掴めない存在の奇行を、君がリスクヘッジをすることの異常さに気付いてほしい。

その用意周到さと言うか、レオに対するある種の執着は凄まじいものがあります。しかしきっとその炎を燃え上がらせることが、彼の成長を強く大きく促してくれることでしょう。そのままでいてください。

Knightsの可愛い弟分にして「過去を知らない純粋無垢な少年」として立ち回る彼は、同様に色々とあった弓道部でもやはり同じようなポジションに。

無知は時に恥であり罪でもありますが、知らぬからこそ言えることやできることも沢山あります。そして新しい可能性とは、得てしてそういった存在によってもたらされるものです。

彼の純粋さは夢ノ咲学院にとって新しい光であり、同時に闇にも簡単に転じる危険性を孕んでいます。今後何かが起きるとしたら、その結果は司のような人間によって左右されるものなのかもしれません。

だからこそ彼のような人間には教え導く者が必要で、今回はその役割をレオが果たすことになりました。

「回り道はいいけど、寄り道はすんな」と諭されて自分の集中すべきことに気付かされたのは特に印象的。司にとってレオは自分に全くない世界観と経験を持つ相手。理解できないながらも、理解できないからこそ学ぶことは多いでしょう。

そしてその在り方が、月永レオがKnightsを守ってきた証にもなり得るのです。

彼が命がけで守ったものは、受け継ぐ者がいてこそ真に意味を為すものです。何も知らないはずの司が何かを知る・察すことでレオの志を継承する。そのような存在が現れてこそ、その全ての努力が報われます。

それは見方を変えれば「背負わせる」ということに他ならず、その相手は当然レオが「背負わせてもいい」「背負わせても大丈夫」と心から思える相手でなければなりません。

きっとレオはその「背負う者」としての片鱗を司に見出していて、その安心感が今回の2人のやり取りには乗っていると思います。本当の意味でそうなれるのは、まだまだ先の話なのでしょうが。

レオと司は良いコンビですね。アニメの時にも書いた気がしますが、似ているところもある2人です。今後ともその師弟関係(?)を楽しませて頂きましょう。

蓮巳敬人

蓮巳「出産は慶事。寺の息子である俺が祝うのは当然」
弓弦「理屈がわかりかねます(貴重なマジレス)」

本当に意味不明だったから仕方がない。感情に変な理屈をつけて説明するのはやめなさい。

今回はリトル・ジョン(猫)相手にやたらとテンションを上げていたことくらいしか見せ場がありませんでしたが、弓道部という話のくくりでは存在感を発揮してくれました。

本来であれば平和になった今では弓道場の治外法権は撤廃してしまうべきなのに、それをそのままにして自分の都合が良いように利用しているとのこと。これはなかなか、なかなかなところがある。

レオにも指摘されている通り、蓮巳は論理的な人間なのに感情に正直なところがある人間で、それが彼の最も魅力的なところだと思います。

「スターマイン」の記事で瀬名を「感情をベースにした論理を組み上げている」と書きましたが、蓮巳は感情と論理を完全に分けた上で、感情を優先する人間という印象。ちょっとずつ考え方が違うから、現れる人柄も相応に違ってきます。

どちらも持っていてどちらも大事にしていますが、いざと言う時は絶対に感情を優先する。そういう人間臭い人間だからこそ、周りから信頼されるのではないかと思います。

意外と熱い男と言うか熱い展開に向いているキャラ。そこら辺を天祥院英智に良いように握られてしまっているのが不憫。

伏見弓弦

司と同じく過去を知り得ない部員で、話の主題からも完全に外れている弓弦。今回は割と賑やかし役に徹した感じですね。

ですが普段が何かと話の軸に絡んだ活躍をしていたり、誰かと一緒にいることが多いこともあり、常に忙しく動き回っている姿が印象的な彼。よって「特に何もしていない」というのが極めて貴重なように思います。蓮巳にマジレスしてしまうのもそのためでしょう。

本当にただただ弓道部員として活動し、部員との歓談を楽しむ。一個人として立場に捕らわれずに自身のことに集中する姿は、さながら普通の高校生のようです。

彼も色々な意味で普通ではないものをたくさん抱えている人間。弓道部という枠組みの中でホッと一息ついているという点では、蓮巳やレオと立場を同じくしている面もあります。

弓道部が治外法権であることは今回で初めて知ったような雰囲気でしたが、その起こりと内情を考えると、弓弦もまた弓道部員でいるにふさわしい人間だと言えるのかもしれませんね。

おわりに

「スカウト!」ストーリーらしい日常重視の掌編の中に、極めて重要な情報がてんこもりだった「ロビンフッド」。

その情報を上手く活用することで、他愛ない日常の大切さまでも読み手に伝えようとしてくれている、奥行きのある物語だったなと思います。

メッセージを頂いていた通り、「ジャッジメント」の完結編でもあり、今後のKnightsに触れて行くための新たな始点でもあると感じました。

この話を読んでいなくても物語は問題なく理解できるでしょうが、期待感を持って触れるのと突然触れるのでは感じるものは大きく変わります。その部分へのワクワク感をしっかりと覚えさせてくれる物語でした。

これを知った上で感じる真実の味は、格別なものとなるでしょう。楽しみです。

ではまた次回の記事でお会いしましょう。お次は長らくお待たせしていた(むしろ俺が待っていた)「エレメント」の原作版。アニメ1クール目では、個人的に間違いなく一番熱いものを感じた物語。原作の英智を知ったことで感じ取れるものにも変化があるはず。こちらも楽しんで行こうと思います。それでは。

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