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キンプリオタクの『あんスタ』ミリしら感想 アプリ編⑯「桜フェス」「パティシエ」「プール」「ホリデー」「カンフー」「エージェント」

投稿日:2020年7月4日 更新日:

アプリ『あんさんぶるスターズ!』タイトル画面より

2015年のリクエストなどがあったストーリーの執筆が終了し一段落。

Twitterなどでは宣言しておりますが、日日日先生の執筆したストーリーに関しては全て読み、その中で記事を書くストーリーを選んで行こうと思います。

しかしやはりせっかく読んだのに触れないのももったいない。というわけで未執筆ストーリーが増えてきたタイミングで、このようなまとめて1つの記事で所感を述べる記事を用意しようと思います。

1つ1つの文量はそこそこになりますが、是非こちらもお楽しみ頂けますと幸いです。

春嵐!花舞う桜フェス

『あんスタ』の記念すべき最初のイベントストーリー。メインストーリーから引続き、Trickstarのメンバーに改めてスポットが当たる内容です。

2015年でTrickstarがユニット単位で活躍するイベントはこの「桜フェス」のみだったよう。メインストーリーで大きく活躍していることを鑑みてのバランス調整でしょう。

DDDで革命を成功させたTrickstarは、学院代表としてSSに参加する権利を獲得しました。彼らにとっての目標達成は、同時に新たなるスタートでもあったのです。

達成感での浮かれ気分の中、すぐさま次のステージのことを考えなければならない状況でもある。勝って兜の緒を締めなければならないとは言え、その切り替えは簡単にできることではありません。その意識差は、十分に軋轢を生み出しかねないものであるはずです。

アニメではDDD勝利後すぐに「サマーライブ」へ移行したため、彼らがその状況についてどう思っているかは語られることがありませんでした。この桜フェスは、その間を埋める補完的な内容として機能していると思います。

孤立していた過去の経験から、Trickstarを家族のように感じていたスバル。彼にとってTrickstarは初めて手に入れた"居場所"になっていました。

だからこそ彼はその仲間たちとのプライベートな関係性を大事にしたかった。アイドルとして活動するだけでなく、それ以上の相手としてTrickstarと時間を共にすることを望んでいたのです。

一方で、北斗はアイドルとしてTrickstarとより良い時間を共にすることを考えていました。DDDにおいて、自分が最もユニットから脱退する意思を強く持ってしまったことへの引け目もあったのだと思います。

大きな成功体験を得て心を1つにできたように見えても、やはりその内情は少しずつ違っているのが人間です。どちらもTrickstarのことを大切に、一生懸命に考えているのは同じなのに、それ故にすれ違ってしまう現実がありました。

その想いの大きさを理解している真と真緒の存在があって、Trickstarは「桜フェス」でも当面の成功を収めます。4人ともがユニットのことを大切にしている。その想いの強さに差がないことがしっかりと伝わってくる物語でした。

メインストーリーでは終わりではなく、始まりである。Trickstarはまだまだここから絆を深めて行く必要がある。

そんな方向性をしっかりと明示するために必要なストーリーとして「桜フェス」はあったのだと思います。

スカウト!スイーツパティシエ

「スイーツパティシエ」は、メインストーリーではヒール役に徹したKnightsのメンバーが勢揃いする物語。

「白と黒のデュエル」や「ジャッジメント」での硬派(?)な印象が強い彼らの、極めてどうでもいい会話を見ることできる珍しい内容。彼らが本来はどんなキャラなのか、プライベートな部分からその"良いところ"を知っていくストーリーとして用意されたものだと思います。

それぞれの個性がただただ真正直にぶつかり合い続けるため、会話がまるで成立しておらずもう滅茶苦茶。口では何だかんだ言いながらもべったりしている彼らの、非常に初々しい姿が見られるのが魅力です。瀬名泉の近寄りたくなさがすごい。

これだけ見れば確かに個人主義者の集まりと言えなくもありません。しかし行動面では何故か投げ出して帰宅する者がおらず、一同に介した上で目的に向かってちゃんと努力するのが笑いを誘います。

この点で、Knightsというユニットの全体像を何となく感じ取れるストーリーでもあると思います。嵐が言うよりに「ここから仲良くなっていけばいい」というのが全て。

偏屈で第一印象がとても良いとは思えない彼らの味わい深さ、今後の楽しみ方が提示されています。

辛抱強く向き合っていれば、相応のカタルシスが得られるかもしれない。そんな期待感に溢れたイベントです。沼は深い。

スカウト!プール開き

姫宮桃李くん、上半身裸NG系のキャラだと思っていたら普通に出てきてビックリした。真緒のことを「あっ、サル!」ともはや悪口レベルのあだ名で呼ぶなど、謎の不意打ちに溢れた日常回です。

ひなたと桃李、弓弦に真緒(+あんず)と、独特すぎるメンバーで展開されたスカウトストーリー。全体的に関係性が閉じたイメージだった桃李が、同級生と子供らしく無邪気に遊ぶ姿が印象的。

桃李は天邪鬼ではあるものの、基本的には真面目に目の前ものに取り組もうとする意思があるのも愛すべきポイントです。弓弦の言葉をそのまま受け取るなら、DDDの結果を受けて「変わってきた」と捉えるべきでしょう。

元々そういう人間ではない…と言ってしまうのは簡単ですが、成長して全く違う価値観を得られるのも人間の良いところです。『あんスタ』は誰もが少しずつ変化して行くのを見守る作品でもあり、桃李はその点を象徴的に楽しめるキャラの1人だと認識しています。

奴隷呼ばわりされている弓弦も決して桃李の望みを聞くばかりではなく、むしろ力関係で言えば弓弦の方が上であることが分かりやすく描かれてもいます。普段のやり取りから何となく感じることはできる部分ですが、明確になる意味は大きいでしょう。

どことなくエロスを感じさせるイラストも相まって、物語と関係のないサブストーリーとしての味わい深さに溢れた一作。このストーリーを押さえておかなくても問題はありませんが、押さえておけばきっとどこかでふと思い出す。随所にそんな鮮烈さがある物語です。

スカウト!ホリデー

創ちん個人にスポットが当たる初めてのストーリー。
脇を固める面子もに~ちゃんに朔間零、嵐ちゃんと独特な面子。スカウトストーリーは全く想像もつかないようなメンバーで襲い掛かってくるのが魅力ですね。

"可愛い"が売りのRa*bitsの中でも取り分け弱々しいイメージで女の子らしさを感じる創ですが、本人はどちらかと言うと男らしさを求めているのが分かるストーリー。

あんずと2人きりで楽しむ創を裏から見守る仁兎…を見守る朔間と何を見せられているのかよく分からない内容。デート(?)をストーキングした挙句「あんずなら、悪さもしないだろう」と何目線で何を心配しているのかよく分からない発言まで飛び出す始末。しかもどちらかと言えばデートしてるのはお前らだと言いたくなる状況。

後半では嵐が登場して不良から創たちを助ける展開に。
しかし彼らは創の熱狂的なファンで最終的には嵐のファンにもなる。全てがカオス。勢いで描かれている。

しかし後半では創と嵐の持つパーソナリティの比較が行われるなど、真面目な内容も展開されています。

体格もよく男らしい見た目で、それを活用することもしっかりできている嵐。その振る舞いについて自分の男らしさに自信がない創は、羨望の眼差しを送ります。

ですが嵐の面持ちは複雑です。彼は彼で「可愛い自分」を目指す存在。カッコ良さや美しさが自分の武器になっていることを理解しているとは言え、それは彼が本心で目指したいものではありません。身体が相反する個性を持っていることに、影が差していないわけではないでしょう。

"カッコいい"を持っているけれど"可愛い"を求める嵐と、"可愛い"を持っているけれど"カッコいい"を求める創。その中で長所を理解した上でそれ以外を求める嵐と、まだ自分の長所を理解できてない創の間には、経験と知識の面で大きな差があるように感じます。

人間はないものねだりをする生き物です。それは望むから手に入らないのか、持っていないからこそ欲しくなってしまうのか。そんなことをぼんやりと意識させられるストーリーです。意外と重要度の高い情報が多い内容だったりする。

スカウト!カンフー

校内ではないアルバイトに勤しむ友也、ひなた、北斗、真の4人(+あんず)を描いた「カンフー」。

最終盤ではゆうたくんも登場。Trickstarから北斗と真だけが登場するのも珍しく、他のスカウトと同様に珍しい組み合わせで物語が彩られています。

前半では「怪盗VS探偵団」では見られなかった北斗と友也の演劇部コンビのやり取り、終盤では「流星のストリートライブ」の葵兄弟へと繋がる話が展開。その後のイベントへの伏線的な意味合いも強いストーリーです。

原作ではウザ絡み傾向がある真ですが、やはり"ネタ"への理解力がない北斗が相手だとその"投げかけ"も虚しく空を切るばかり。ですが、真もそんな北斗のことを理解した上であえてぶつけているので、逆にかなり際どい球を放り投げても許されているような雰囲気です。

それを適当にあしらうのとは対照的な、部活の後輩である友也への過保護な対応が目立ちます。あの部長だからこそ、過保護にならざるを得ないという側面もあるでしょうが。上がトンチキだと下の結束力が強まるのは、現実でもよくある話です。

加えて基本1人でもいつも楽しそうなひなたに、状況に巻き込まれまくるあんず。スカウトの中でも、取り分けコミカルな雰囲気でテンポよく進むのが魅力だと思います。

ですがその裏で、真が母子家庭であることや葵兄弟の幼少期の話など、割と重要な設定がしれっと放り込まれているので油断なりません。重要な設定があまり重要な感じで出てこないのも、『あんスタ』ではキャラが"生きている"ことを意識させてくれるポイントですね。

アイドルたる彼らが、普通の仕事を経験して価値観を拡げて行く。いつもと少し異なった達成感に包まれて、少しだけ大人になった彼らを感じられる優しい物語でした。

スカウト!エージェント

物語の中で組織として常に意識させられているものの、その内情が取り上げられることはあまりなかった生徒会。

彼らの日常風景が語られていたのが、この「エージェント」でした。とりあえず「弓弦は生徒会の役員ではない(姫宮に付いているだけ)」という事実に「はあ!?」と声が出るほど驚いてしまいました。なんでそんな大事なこと誰も教えてくれなかったの。

「エージェント」などと仰々しいタイトルで煽ってはいますが、その中身は天祥院英智と藤原氏(蓮巳敬人)の個人感情に振り回される生徒会メンバーを描いたもの。またお前らか。いい加減にしろ。

今回は生徒会の中でも、表題キャラとなっている衣更真緒が他のキャラとやり取りをする姿を中心にした話が進みます。

真緒はTrickstarと生徒会の掛け持ちしている点が多々話に上がる印象ですが、逆に生徒会内ではどのような関係を築いているかが曖昧な状態でした。今回でその点が大分クリアになったように思います。

優れたバランス感覚の持ち主らしく、概ねどのメンバーとも良好にやり取りができる真緒。特に蓮巳からは大きな信頼を得ていますが、今回はあんずを絡めた戦略によって英智にその点を利用されてしまいます。

結果エージェントであったはずの真緒はあんずを伝に懐柔されてしまい、より優れたエージェントはあんずだったという着地点に。器用なだけでまだまだ未熟であることも、彼を知る上で重要なポイントですね。

終盤では英智から謎のクソデカ感情が蓮巳に向けられます。そしてその台詞を事前にそのまま伝えられていれば、蓮巳も決して邪険になどしなかっただろうと思わされます。相変わらず「人を信頼する」ということが絶望的に下手な男ですね。

ただ何の因果か、そのおかげで生徒会全体の絆はよりいっそう強まったように感じます。全てが不要な行程ではあったものの、不要なことに全力を注ぐことで得難き体験ができるのも事実です。

それぞれが英智の望みを叶えてあげたいと思ったのかもしれないし、英智の望みを叶えることが蓮巳への感謝の気持ちを表すことに繋がると考えたのかもしれない。はたまた、そのどちらもを皆が抱えていたのかもしれません。

結果として生徒会には皆が望んだ「クリスマスパーティ」が体現され、それは彼らにとってまたとない唯一無二の機会となりました。

彼らは決して一蓮托生というわけではありません。ここを離れれば立場や考え方を違えたアイドルとして、ぶつかり合うこともあるのです。

けれどこうして一同に介せば、同じ想いを共有して笑い合うことはできる。

ならばこそ、その時間を大切に。
今この瞬間、この場でこのメンバーだから得られる至福を楽しむ彼らの姿は、非常に微笑ましいものなのでした。

おわりに

ザッと6つのストーリーを駆け抜けまして。
こういうアソート的な書き方も、疾走感があっていつもと違った趣きがありますね。読者の方々にも楽しんで頂けましたら幸いです。

これで2015年の日日日先生の執筆したストーリーには全て触れることができました。今後もこのようなやり方で、可能な限り多くのストーリーに触れて行ければと思っています。よろしくお願い致します。

2015年で一区切りとしましたが、年表的にはここからはいよいよ年度末に入って行きます。初めての返礼祭が直後に待っているようで、色濃い物語に期待が高まります。

皆さんにとっても返礼祭は取り分け感想が気になるくくりではないかと思っています。ご期待に沿える形に仕上げられるよう、頭をこねらせて頑張ります。

それではまた次回の記事でお会い致しましょう。お楽しみに~!

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