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キンプリオタクの『あんスタ』ミリしら感想 最終話 奇跡は終わらない 希望を繋ぐ無限大のStar

投稿日:2019年12月27日 更新日:

それぞれの思惑

「…またやりやがりましたね。馬鹿共が…」

SSにおいてTrickstarを潰す必要がある者。
その存在を考えれば、自ずと映像を流した相手の存在は見えてきます。

過去にTrickstarを懐柔して勝利をもぎ取ろうと謀略を張り巡らせたEdenの七種茨を始めとする、コズミックプロダクションの関与を疑うのは当然です。

望まない勝利

しかし北斗と真は過去に手に入れた情報から「Edenは陰謀に関与していない」と推察。あくまでもステージに立つアイドルである彼らが、このような卑劣な方法での勝利を看過するとは到底思えないということ。

茨に関しても、過去の罠はTrickstarを自発的に夢ノ咲学院からコズプロに移籍させようとしていただけ。組織的に無血勝利を得る方法としての選択であり、そこにアイドルとしての彼らを貶める意図は一切ありませんでした。

そうであるならば、この一件の陰に潜む存在は"アイドルとして"打破すべき共通の敵に違いない。彼らと手を取り合うことで、それらに一泡吹かせることが可能なはずだと北斗達は考えました。

その想像は見事的中。
むしろかつて敵対した茨こそが、最もこの状況に苛立ちを募らせている状況。運営及び経営方面に片足を突っ込んでいる都合上、嫌でも耳に入ってきてしまう内部事情があるからでしょう。

そう考えると、茨が最初にTrickstarを懐柔しようとしたこと自体、一連の陰謀についての知見があってのことだったという見方もできそうです。もっともそれも「Trickstarのことを考えた」善意というよりは、「自分の範疇での勝利にこだわった」思想とした方が適切そうですが。

明星父に少なからず恩がある凪砂についても、この仕打ちには思うところが多々あると思われますし、Eveの2人についてはそもそもステージ上での真っ向勝負を愛する傾向があるため、彼らにとっては正に「論外」と言ったところでしょう。

Eden達も、決してこんな形での勝利を望んでいない。それが明らかになったことが、彼らのアイドルとしての見え方を良い方向に導いてくれました。

プロデューサー あんず

一方その頃あんずは、北斗が渉と共に手に入れたUSBメモリ――父親が学院の奥底に封印した秘蔵データを英智の元に届ける役目を果たしていました。

「アイドル業界の闇が一気に噴出しかねない」とされたその内容には、英智も2クール目以降ではほとんど見せたことがない特別真剣な表情で向き合っています。

その緊迫感から察するに、この情報がTrickstarを首の皮一枚で繋げるかもしれないものなのは明白。彼らがEdenに協力を仰げるのなら、これを利用して即座に次手を打たなければならない状況であることも分かります。

居ても立っても居られない雰囲気のあんずに「こういうのは僕の領分だよ」と言い放つ英智は実に頼もしい。かつてTrickstarを解散ギリギリに追い込んだ"あの天祥院英智"を思わせる空気感。

そのしたたかさと財閥の力が100%味方ともなれば、これほど心強いことはない。敵が味方になる興奮はどんなアニメであっても変わりませんね。英智はとっくの昔に味方とは言え、この状況ではやはり凄みが違います。

それでも焦りと緊張に飲まれて冷静さを欠くあんず。彼女も理性的な判断ができる状況にあるわけがありません。Trickstarと別れて単独行動ともなれば、今の彼らの状況が不明なだけにあんずには余計に不安が募るでしょう。

「おぬしがTrickstarの傍を離れてどうする」

その彼女に声をかけたのは、長きに渡りTrickstarを導いてきた朔間零です。以前に同様の失敗をしたことでTrickstarの身に何が起こったか、それを反芻させることで彼女の道標を用意したのです。

いささか以上に乱暴なやり方ですが、彼は最初からずっとこうでした。その表情から彼なりの優しさをしっかり感じられる程度には、あんずも関係性を積み上げてきたはず。

「はい!」

決意と共に自分のすべきことを見据えるあんずの走りっぷりは、実に勇敢で。色々と感慨を得られるものでした。

彼女もTrickstarと共に多くの場数を経て成長した。もうただの女の子ではないし、ひたすら酷い目に遭わされる役目を押し付けられていたあの頃とは違う。

彼女と共にこの作品を追いかけてきたんだなぁと、強く実感させてくれる一幕でした。

朔間零達の貢献

「SS本戦の再開は?」
「間もなく。ご協力ありがとう、朔間くん」

1年前は睨みを効かせていがみ合った2人が、肩を並べて共通の目的を果たさんとする。これもまた、積み重ねが感じさせてくれるエモーショナルです。

SSの本戦は中断されてしまったものの、再開を前提に動いている。その間を繋いでくれたのが、朔間零率いるUNDEADとその愛し子達である2winkでした。

彼らはこういった有事を切り抜けるために朔間の指示で行動することが多かったため、アドリブ対応やトラブルの際の立ち回りに"慣れている"と思います。無準備でいきなり大舞台に立つという無茶振りに対応できるのも、彼らならではなのではないでしょうか。

悲惨なトラブルを目の当たりにし、困惑する観客の心をステージに繋ぎ止める大役。時間稼ぎ…と言ってしまえばそれまでですが、それがどれだけ困難を極める行いかは想像に難くない。

全てはTrickstarの再起のため。
スタッフとして場を回す紅月を含め、夢ノ咲学院は水面下で一体化してこの陰謀を乗り越えようとしています。

EdenとTrickstar

一回戦を衣装が破れてしまうほどの鬼気迫るパフォーマンスで突破したTrickstar。

夢ノ咲が誇る優秀な衣装班の力を借りることでその芸術に綻びはありません。地味に現代では鬼龍と斎宮がセットで登場する初めてのシーンになった様子。世話が焼けるのだよ。

そしてTrickstarは様々なアイドル達の力を借りて、無事決勝に残る2組に選ばれることとなりました。この時点で"あの明星"の映像は、観客側にさして大きなネガティブイメージを与えなかったと考えて良いでしょう。

もし彼女達があの映像に揺さぶられていたのなら、そもそもTrickstarが上位に残ることはあり得ない。彼女達は純粋に彼らのパフォーマンスを評価して「もっと見ていたい」と思う人ばかりだったことが伺えます。

しかしながらEdenとの一騎打ちとなる決勝では、僅かな揺れが勝敗にダイレクトに影響するであろう熾烈な戦いなのは確実。そうなった時、全く影響がないとは言い切れません。

やはり、彼らとステージ上で競うならば釈明の必要がある。果たしてそれを上手く乗り越えることができるのか…。その心配を一心に向けるRa*bits達。全ての本番はこの後に懸かっています。

コズミックプロダクションの闇

舞台裏には芸能界の闇に直面して苛立ちを抑えきれないジュンの姿が。

ジュンの父親もそういった闇の犠牲者になった1人であるとされ、そういった意味ではスバルと境遇を近しくする存在。この一件について、彼が純粋な怒りを露わにするのは当然と言ったところでしょうか。

それを理解して宥める巴日和は普段と大きく変わりません。本質を見抜く力に長ける日和は、この状況でも至って平静を保っているように見えますが、その実「何を思っていたのか」が最も気になる人物でもありました。明確に語られないところもまた魅力でしょう。

口ではつっけんどんとしている茨も、しっかりと下調べをしての完全協力体制で臨んでくれています。カメラにハッキングして映像を奪取するなど、流石は軍事組織で技術を磨いた過去を持つ男です。凪砂に本音がバレバレなのに、微妙な信頼関係を感じます。

「これより共同作戦を開始します!」

今回の目的は、卑劣な手で自らの手の内に勝利を収めようとしたコズミックプロダクション上層部の糾弾。

茨曰く、明星事件は業界全体でもみ消した「最大レベルの不祥事」だった…とのことですが、前記した通り明星父の逮捕には別の陰謀が渦巻いている可能性も否めません。もしコズプロ上層部にその関係者が在籍しているのなら、過去の事件諸共に今回の事件を大きな問題にしてしまいたいという勢力もいるのかもしれません。

しかしそうならば余計に彼らはこの機会に糾弾しておかなければならない邪悪な存在です。

茨が彼らに敵意を向けるのは、自らが引き継いだゴッドファーザーの遺志を蔑ろにし、私利私欲を優先しようとしているからだと思います。「仕事を邪魔されるのは困る」という台詞からそれを読み取っています。逆に、上層部にとっても茨は目の上のたんこぶかもしれませんね。

「この機会に…愚か者共の寝首を掻いてやりましょう」

アイドルになりたかったのではなく、ゴッドファーザーの遺志を継ぐ者としてアイドルを選んだ七種茨。

その意志を阻む者達との戦いが幕を開けます。

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