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キンプリオタクの『あんスタ』ミリしら感想 第23話 努力の先で掴んだ景色 明星輝くステージの果て

投稿日:2019年12月20日 更新日:

23話!
夢ノ咲学院の物語も一段落し、2クール目のラストを飾るであろうSSが始まります。SSという名前が初めて出てからはもう4ヶ月以上経ちますね。

このアニメも残すところあとわずかになりましたが、まだまだ知りたいことや見てみたいことは色々と残っています。

その中でTrickstarが描き出す"キセキ"の物語。
一つの大きな区切りが描かれて行くだろうと予想しています。

あらゆることを経験し、一回りも二回りも大きくなった彼らに待ち受けているのは、想像もしていないような理不尽な試練。

「努力」
今回もしっかり語って参りましょう。

「SS」直前★緊急特番

「争いは何も生まない。けれど、この世は地獄…肉を喰らい合わずに生きられるのは一握りの人間だけ。平素は修道院などで神のみと対話し、たまに世に出る際には貧者に施し真理を伝え、僅かな笑顔を報酬とする。私達が生まれたこの現代日本では、そんな理想の生活を営むにはアイドルが一番適している!

そうか?

括目せよ!これがアイドルの最前線!
まぁきっと"私達が生まれた現代日本"ではそうなんだろう。というわけで、まずは前半戦の感想をしたためて行きましょう。

TrickstarとEdenの経験差

OP前のアバンパートでは、今まで名称のみ明かされていたSSについてのお話が。夢ノ咲学院が主導するイベントであることが改めて語られました。

過去に最大のドリフェスであることは明言されている都合上、ドリフェスという括りが夢ノ咲独自のものであるならば、説明不要な事実かもしれません。名称も学院内のイベントからアルファベット利用で一貫しているし、普通に考えれば夢ノ咲のイベントであるのが自然です。

しかし僕のようなアニメ新規には曖昧な点でもありました。これから見て行くイベントの方向性をしっかり定められたのは良かったです。

また学院内ではなく、番組の撮影という外部メディアが取り扱われるのも今回が初。

彼らは学院内のアイドルではありますが、世間的な知名度がどの程度なのかにはここまでほぼ触れられていません。ビラ配りなど集客活動に勤しんでいる描写の存在を考えると、多くの人が知っている存在ではまだまだないとは思っています。

一方でコズミックプロダクション所属のEdenはメディアを利用したイメージ戦略に長けるところが夢ノ咲との大きな違い。学生のうちから外向けに知名度を上げられる強みを持っているようです。

現に撮影の仕組みをよく理解していないだろうスバルの「朝までやるよー!」という勢いだけの台詞に対する凪砂の「キャラを保っていられるか心配」という反応は、両者の撮影に対する場慣れの違いを表現していると思いました。

他にも茨の「編集で"コレ"してくださーい」の"いつものこと"感と久々に台詞を貰った仙石忍くん(メインキャラで唯一撮影に立ち会えるような立場らしい)の慌て方の対比、やたら文字が小さく綺麗なあんずのカンペなど、全体的に夢ノ咲の面子は撮影慣れしていないことが分かる絵作りになっています。

その経験値の差を利用し、露骨にマウントを取ろうとする茨。それを諫める凪砂に、同意する日和、我関せずのジュンなど、短い時間でEden内の関係性もそれとなく感じ取れるシーン運びです。地味にEdenが初めて4人揃ったシーンですので、しっかりチェックしておきましょう。

あんずが英智に見せていた撮影ショットからも、Edenの場慣れ感は伝わってきます。ここまでで提示されたEdenとTrickstarの関係性を感じさせる写真が多くありましたが、アニメではほぼ接点がなかったはずの茨と真緒の距離が近いことが気になりましたね。

しかしあくまでもSSはライブイベントであり、EdenのCM戦略は盤外へのアプローチに過ぎません。大事なのは当日のパフォーマンスで優れた結果を出すことのみです。

そのためにTrickstar達が取った選択は、休息を取り英気を養うことでした。

ショッピングモールにて

あんずの指示により、SS直前でオフを取ることになったTrickstar。

やるべきことはやったので、ギリギリまで詰めるよりも今できる最高を絶対に当日出せるようにする。直前の練習でギリギリ成功したことは、往々にして本番で失敗するのが人前に立つことの難しさです。

リスクの高い挑戦に身をやつすより、確実にできることをより素晴らしい完成度で披露する。そのためにコンディションを100%に整えるのも練習の内です。そしてそれは、ここまでしっかり歩みを進めてきた彼らの確固たる自信に裏打ちされていると言えるでしょう。

ですが、なかなか当人達ではそのバランス調整が難しいもの。その見極めこそがプロデューサーたるあんずの最大の仕事の1つでもあります。彼女もここに至るまで様々なイベントをこなし、サマーライブ以降常に彼らのそばに寄り添ったことで、より多くの可能性を見出せるようになったのだと思います。

オフのシーンでフィーチャーされたのは、ショッピングモールで買い物を楽しむ遊木真と衣更真緒。その2人に付き添う(問題ある)幼馴染達です。

彼らのことを見て行きましょう。

遊木真&瀬名泉

エデンだかおでんだか知らないけどぉ、お前は何なんだ?

前回で概ね解消されたアニメで提示された情報の回収ですが、細かなやり残しにこの2人の関係性は挙げられたと思います。しっかり押さえてきましたね。

実際、真が瀬名のことをどう思っているかは(気持ち悪いと思っていることを除けば)不明なままで、今回はこの点よく掘り下げられていたと感じています。

この日の真はオフでありながら、Edenの偵察も兼ねて行動を選択しています。「オータムライブ」で見せた状況処理能力の高さを、SSに至るまで余念なく発揮です。

それでいて端からは「単にショッピングモールに買い物に来ている」ように見えなくてはならないので、Trickstarのメンバーのみでの行動は避けるべき。万全を期すなら個人行動も得策ではありません。

偵察を兼ねるなら外部の人間を引き連れて行動するのがベスト。その中で真が選んだのが瀬名泉だったという事実は、今までの関係性から考えると重要なポイントです(真緒が凛月を連れてくる時に付いてきてしまった可能性もなくはない)

何だかんだ言いながらLOVEマフラーをちゃんと付けてきたり、そのお返しにクリスマスプレゼントを渡したり、あんな仕打ちを受けても瀬名のことが決して嫌いではない真は懐が広い。現在進行形で眼鏡を奪われ、何故か顔を撮られている問題行為も華麗にスルー。

プレゼントも適当に渡すのではなく、ちゃんと2人に縁のあるものを選ぶ辺りに親密さを感じます。「プレゼントを渡した方が良いだろう」と考えるのと「あの人に合ったプレゼントは何だろう」と考えるのでは、レベルが大きく違いますからね。

このことから真は過去、瀬名にかなりお世話になっていたようで、その時の感謝の気持ちとここ1年ほどの気持ち悪いムーブを別物として捉えている、もしくはそれを押して余りあるほど強い気持ちがあることが伺えます。

「でもまぁ、頑張る男の子は世界の宝だよねぇ」
「泉さん…!」

いや何に感動しているのか分からない。
客観的にはこれも十分気持ち悪いムーブですが、これも真にとって瀬名に褒められること・励まされることにそれだけ特別な意味がある、と捉えても良さそうです。

恋する乙女?なのか何なのかよく分からない瀬名泉のLOVE溢れ出る画面作りからは、「それで良いのかKnights」と言いたくなるおぞましさがありますが、このアニメを見始めて最初に大きなクレイジーセンセーションを届けてくれたのは瀬名泉でした。

それにより深い形で回帰したようで、妙なノスタルジックを感じました。

衣更真緒&朔間凛月

「俺がまーくんを逆におんぶ❤」

何なん?

それで良いのかKnights(再)
どこに連れて行くつもりだったのだろうか。

直前に瀬名が「ゆうくんと2人きりでデート」と言っているので、たまたま居合わせたのか初めから4人でのダブルデート(?)だったのか微妙なライン。話の流れ的には一緒に来たように感じますが、それだと瀬名泉がさらにヤバい奴に…。

このシーンでは、珍しく前髪を下ろしている真緒を見ることができました。アニメではオフの姿が描かれたことがなかったのであまり馴染みがありませんが、そういう時もあるキャラクターなのでしょうか。前髪下ろしてた方が可愛いぞ。

せっかくのオフなのに張り詰めている真緒を休ませるため、強制的に眠らせることができる幼馴染パワーを持つ凛月。真緒は普通に言っても聞かないタイプでしょうから、彼らの関係性あってこそ成立していると思っています。

そして当の真緒はあの体勢でおんぶされても起きないくらいぐっすり眠ってしまっているようで、相当に疲れているのが分かります。

「オータムライブ」での一件以降、真緒は誰よりも根詰めて活動しているはず。よりアイドル活動に真摯に勤しむからと言って、他事の手を抜くこともできないのが衣更真緒ではないかなと考えます。本人が自覚している以上に身体に負荷がかかっていることでしょう。

徐々に休息を取ることも覚えなくてはならない立場ですが、それができない今では凛月のような信頼できる相手がいることが救いですね。

今までの真緒と凛月の会話はどちらかが精神的に追い詰められているシーンばかり。彼らの日常的な関係性を垣間見ることができたのも、今回が初めてとなりました。

なるほど、君らも"こういう感じ"か。
と言わざるを得ないものでしたが、この2組がセットで登場して絡むところはもう少し色々見てみたいなぁと思わされもしました。

七種茨

遊木真が偵察に来ていることを察して、逆に自分の範疇に取り入れてしまおうという大胆な戦略。

察した…と言うより、「オータムライブ」での経験からよりTrickstarについての見識を深め、真がここに来るであろうことを見越してプランを練っていた、とした方がしっくり来ます。

戦略的なことを言えば前回は茨の失態と言える結果に終わっています。態度こそ大きく変わらないものの、内に秘めたる対抗心はあの時の比ではないはずです。煽り方からもそれが伝わってくるようです。

「SS直前特番」では夢ノ咲学院に主導権を取られていたので大人しくせざるを得なかった節がありますが、今回は自分がどうとでもコントロールできるカメラの前での行動。絶対に断ることができない状況に相手を追い込んでから、確実に捕える。戦闘の常套手段ですね。

一方で相手の弱点を突く、白々しく振る舞うなど、煽り方は直線的でイマイチ芸がない。瀬名に「それで煽ってるつもりぃ?」と言われているように、本作に登場する皮肉屋&天然達の前では、煽りのパンチがいささか弱い印象。

実際、戦術面でも彼は確実に勝ちを掴み取るオーソドックスなものを好むようで、奇をてらった破天荒な方法論を取ることはあまりないようです。

裏をかくより表から正攻法で攻めるタイプ。落とし穴を隠すより、落とし穴にハメることを考える、とでも言いましょうか。

攻撃的な性格ではありますが、内面は意外と真面目で保守的なところがあるのかもしれません。

Eden

茨がTrickstarを追い詰めてステージに立たせ確実に仕留めようとする中で、あくまでも客のことを考えて煌めくことを旨とするEveの2人。

勝ちを優先した先にアイドルとしての煌めきを求める茨と煌めきを優先した上で勝つことにこだわる日和とジュン。そして主体性のない凪砂。実力は折り紙付きながらもチグハグなところが目立ちます。

茨については、自身の戦略よりも日和達の弁を優先すべきだと感じたら素直に引き下がる聡明さがあるようで、互いがギリギリで主張を交わすことでEdenというユニットは形式を保てていると感じます。

個人力を旨としながらもメンバーは同じ方向を向いているKnightsと違い、Edenはメンバーが違う方向を向いているにも関わらず、ステージ上で魅せるべきものの方針のみが一致しているというイメージ。似ているようで着地点はかなり異なっていると言って良いでしょう。

朔間凛月の地雷をナチュラルに踏み抜いて行く凪砂、瀬名泉の地雷をナチュラルに踏み抜いてしまった茨。気持ちが逸るTrickstarとKnightsの混合チーム VS Edenのステージはどのような内容だったのか。見られなかったのは少し残念ですね。

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