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キンプリオタクの『あんスタ』ミリしら感想 第22話 聖夜に集う新たな光 いつか見た夢の先へ

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ハロウィンの興奮冷めやらぬ中、クリスマスの季節がやってきました。10月に七夕をやっていた頃を思うと、現実に季節感が追い付いてきて感慨深いものがありますね。

残り話数も少なくなり、夢ノ咲学院のアイドル達のお話もいよいよクライマックス。

今回「スターライトフェスティバル」は、これからSSへと歩みを進めるTrickstarの壮行会。そしてそれを取り巻く夢ノ咲のアンサンブルが描かれました。

取り零したものを拾いに行く物語。
その中心にいたのは、天祥院英智とその仲間達でした。

今回もしっかりとしたためさせて頂きます。お付き合い下さいませ。

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悩めるTrickstar

冬のS1「スターライトフェスティバル」は、クリスマスをモチーフにした光り輝くドリフェスです。

今回も企画書はあんずが担当しているようで、七夕祭以降着実にプロデューサー及び企画者としての実力を付けていると思われます。

しかしこのスタフェスの発案者はあの生徒会長、天祥院英智。季節イベントながらも(恐らく)年末にSSを控えるTrickstarの壮行会的なイベントとして位置付けられました。

学院を代表して大舞台に上がる彼らを、学院総出で勇気付けて送り出す。その準備と決断をするのもまた、別視点での代表――学院を司る者たる英智の役目と言えるでしょう。

予選を勝ち抜いたユニットが壮行会パートで再びライブを披露し、予選1位のユニットがトリを飾るエキシビジョン方式を採用。当然、Trickstarが1位になることを前提にした内容だと思われます。

だからと言って皆が手を抜いてくれるはずもない。
全ユニットが全力で勝ち星を取りに来る中で、なおトップとして輝くユニットこそが学院の代表に相応しい。

そうはTrickstarの面々も理解しているものの、真緒をパフォーマンスに集中させるために完全な裏方に回った紅月の存在など、自分達を尊重し優先する空気感の中で開催されるイベントなのも事実。"お約束"の中で行われるドリフェスに違いはありません。

「ただ激励され、送り出されるだけで良いのだろうか…」

皆が自分達に大きな期待を寄せてくれている。
大きな季節イベントを自分達のために費やすことに納得してくれている。彼らは、それ自体は掛け値なく嬉しいと感じているはずです。

でもそんな環境下でライブを終え、"代表"としてSSを迎えてしまうことへの違和感が拭えない。実力も意識もより高まったTrickstarの抱える心情は、前よりもいっそう複雑なものなのでした。

日々樹渉と氷鷹北斗

悩みを抱えながら夜の学院を歩く北斗の元に現れたのは、所属する演劇部の部長にして久々登場の三奇人が一柱、日々樹渉その人です。

彼が樹の上から投げつけたのは、一枚の仮面。
まだ何者でもなかった氷鷹北斗に「謎のホッケーマスク」という呪いをかけた"あの仮面"です。

「エレメント」という天祥院英智による奇人討伐の物語。あの日あの場所は、英智がその最後の1人である日々樹渉に手をかけるために誂えたステージです。そして渉は、それを理解した上であえてその舞台の上で演じることを選んでいました。

まだ実力も経験も乏しかった当時の北斗にとっては、あまりにも大きすぎるステージだったはず。完全敗北が確定的な中で、北斗はその敗北の責任の一端を担わせられたのです。それは英智による実効支配を完全なものにする片棒を担がされたことに等しい。

その経験と衝撃が、どれだけ北斗の心に大きな傷を残したのかは想像できません。何も持たぬ者が受けるダメージとしては、再起不能レベルであったと言って過言ではないでしょう。

渉から渡された仮面は、彼が夢ノ咲で背負ったそんな闇の象徴です。黒歴史という言葉では語り切れないような、思い出したくない過去の1つに違いありません。

それを今この場、これから壮行会を経てより大きな舞台に送り出されようとしている氷鷹北斗に投げつける意地らしい奇人、それが日々樹渉です。

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革命の種を蒔いた者

「…部長。どうしてあの日、俺を舞台に立たせたんだ?」

そんな彼の心中を理解したかのように、北斗は渉に毅然と問いかけて行きます。

DDDで英智を打破し、革命を成し遂げたTrickstar。
そのリーダーである北斗が革命に向ける強い意志を獲得した日。それこそがあの日の舞台でした。

自らが所属する演劇部の部長。その彼と周りの仲間達が完全に駆逐されたことで、北斗の心には大きな復讐心が芽生えていました。

言わばあの日の北斗は戦場での生き残り。全てを失って何故か生き残ってしまった1人の名も無き戦士。あの瞬間、彼の心の中には身内の敵、討ち滅ぼさなければならない仇敵が生まれたことでしょう。

それに対する復讐心や怒りが、Trickstarが革命に向かう1つの原動力となっていたことが今回初めて明かされました。そう考えると、北斗が革命後にも英智に対する敵意を失っていないのも納得が行くというもの。幾ら打倒し改心させたとは言え、身内を殺された過去が無くなるわけではありません(※死んでません)

だから渉があの時に自分をステージに立たせなければTrickstarの成功はなかったかもしれないし、そもそもTrickstarは生まれなかったかもしれない。そしてきっと日々樹渉はそれを見越して"その後"のために自分をステージに無理矢理立たせたのだと推察できる。

DDDで渉はfineとしてステージに立ちました。
自らを打ち果たした憎むべきはずの相手と肩を並べて、自分達と相対することを選んだ演劇部部長。それも「Trickstarに革命を成し遂げさせるためだった」とすれば辻褄が合う。

「アンタが革命の種を蒔いたんだ」

一連の"革命"の最重要ポイントには、いつだって日々樹渉がいた。彼が全てを扇動していたと考えるのが自然だと北斗は思い至ったのです。

語る

「…買い被りすぎですよ」

北斗の弁に答える渉の表情は、半分隠されたものでした。

そこまで頭を巡らせられるようになった北斗の成長を喜んでいたのか、まだまだ一辺倒な考えでしか物事を捉えられていない彼を生暖かく見る気持ちが強かったのか。そこに想像を巡らせるのも一興です。

「何かやりたいことがあるなら、自分で主役を務めろ」

知ったような口を利く可愛い後輩。
それは渉にとっては1つの正解と捉えても良いし、大きな間違いと断じても良いものでしょう。

確かに"北斗にとっては"この物語はそうなのかもしれない。Trickstarを主役に据えた、革命へのサクセスストーリー。それが渉の思い描いた物語であるとしても別に間違いではありません。

「…私はどんな役でも愛しているので、主役になりたい子達に譲っているだけです」

でも渉にとってはそうであってそうではない。
何故なら、彼が見ている物語は1人の人間を主役に定めたものではないと思えるからです。

主役という概念は酷く曖昧なもので、立場や見るべきもの、映し方が変わればどうとでも変異します。Trickstarに目を向ければ彼らの物語ですが、天祥院英智を中心に据えれば同じ時間の中にまた違った物語がある。

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「私は主役と喜びを交わしたいんです。せめて、舞台の上だけでも…」

この世界には沢山の物語があって、主役足り得る者達が大勢いる。そんな主役達のそばにいて彼らの在り方を肯定し、共に幸福を分かち合う。それが日々樹渉が目指す世界との接し方なのでしょう。

だから北斗の言うことは"結果的に"そうなのかもしれないが、別に革命の扇動は渉自身の願いや想いを成就させるための行動ではなかった。思惑なんてものは持っておらず、ただ彼らを引き立てることを旨とする語り部と成るのが彼の目的。

「私の夢は叶っていたんです。あの頃には、既に」

自分の愛する者達をより素晴らしい主役に召し上げるため、あれやこれやと想いを巡らせ奔走する。その在り方もまた1つの"主役"の形と形容できるのかもしれません。

彼がどのような経験を経て今の地位に座っているのか、元々何を目指して今の達観に至ったかのかはアニメの情報からでは想像できません。ですが、その表情から彼が「本当にやりたいこと」に殉じていることは察することができます。

「考えすぎです、北斗くん」

いつもふざけてばかりいる部長が見せる真面目な姿。神妙な面持ち、意味深げな言葉達。その1つ1つが氷鷹北斗にとって貴重な体験となり、大きな情動へと変化して行ったと思われます。

渉は考えすぎだと言いましたが、北斗はそうは思っていない。日々樹渉を語らせたことは成長の証とさえ言える。だからこそ、むしろより考えて答えを導き出さなければならないと感じたはずです。

その答えは、夢ノ咲学院のアイドル達にとって、思いもよらない形で体現されることとなりました。

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