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キンプリオタクの『あんスタ』ミリしら感想 総集編 1クール目総括 作品の魅力とアニメの構成について

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この感想ブログを書き始めて早1クール。
一定の方々にご支持を頂けているようで大変嬉しいです。

13話の「振り返りスペシャル」は予想通りノーマルな総集編ということで、今週新しく分かったことはありませんでした。

ですのでこのタイミングで、僕がこの1クールを追いかけてきて感じたTVアニメ『あんさんぶるスターズ!』の特徴を総ざらい。少し批評的な記事を書いてみようと思います。

今回は9割褒め、1割褒めるための批判?(解説)という形でお送り致します。100%肯定ではありませんので、そこだけご留意の上お付き合い下さいませ。

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"1人の男性"として魅力的なキャラ達

『あんスタ』は「男性が描く男性の物語」である。

僕が1クールを追いかけて最も強く感じているのがこのポイントです。

ミリしら感想をこのブログで展開するに辺り、様々なお声を頂きました。

その中で大変多かったのが「だいたい合ってる」「どうしてここまで想像できるのか」「本当はアプリを読んでいるんじゃないのか?」といった、僕自身の洞察力や読解力に関するものでした。アプリは本当に読んでいません。

大変光栄なのですが、実は僕自身こういった感想を目にする度に「"普通に考えれば"そうなるのでは?」と思うことが多いのです。そして今後もそう思うと思っています。

何故ならそれこそが『あんスタ』という作品の持つ大きな魅力だからです。

この作品はとにかく「キャラクターの設定や動きに嘘がない」という特徴があります。キャラの在り方にリアリティがあり"そういう設定"で済まされている色付けがありません。

全てに"そうである理由"があり、いわゆるステータスやキャラ性のみで完結しているキャラが(現状語られている範囲では)いないように思います。

僕は『あんスタ』を視聴する前、既存ファンの方の意見として「普通のアイドルものではない」「関係性を楽しむ作品である」といった情報のみは仕入れており、最初からそれを評価するつもりで作品を見始めました。

その見方で彼ら1人1人を見て行くと、確かに彼らは生きた「個人」として描かれているし、アニメとしては独特な関係性を築いているのが分かります。

であれば僕はその"理由"を紐解いていくことで、この作品の真髄に触れることができるだろうと感じ、書き始めたのがこの感想記事です。

男性社会のリアルが追求したエンタメ

キャラの個性や関係性を紐解く上で、土台となるのは受け手の作品遍歴や人生遍歴です。どれだけたくさんのものに触れ、どれだけ色々な経験を経ているかで、作品から受け取れるものの種類や量も多くなります。

僕が『あんスタ』を見る上で、大事にしているのが「彼らを1人の男性として見ること」です。

1話の感想が評価されたことで、その見方が正しいものであると確信を得るに繋がりました。

男として男性社会で生きてきた僕は、当然ですが男性と時間を共にすることが多いもの。様々な関係性の育まれ方を見ているし、自身が持つ友人関係なども、一種類の結び付きによるものではありません。

その経験によって感じられる「彼らがもし現実に存在する1人の人間だったら」という見方と、今まで見てきたフィクションの"キャラクター性"を総合して考えることで、1人1人の生い立ちやバックボーンに想像を回すことができるのです。

僕はそうして見えてきた彼らの個性と関係性を文章化して感想にしたためているに過ぎません。それが「だいたい合っている」ということは、彼らが"1人の男性"として魅力的に描かれているということに他ならないでしょう。

少々話がズレますが、男性からの女性向け作品への悪態として「こんな男は現実にはいない」というものがあります。使い古された言い回しです。男性向けの女性キャラについてもそれは成立するでしょう。

性別問わず異性を扱った作品は妄想や理想によって成り立っているものが多く、昨今ではその住み分けの明確化が完了しているとさえ言えます。

そんな中で『あんスタ』は、男の僕から見て「こういう奴いるわ」と思わせられるような語り口でキャラ性が描かれています。

だから、男性の僕が見ると「"普通に考えれば"○○という背景があってのキャラだと思うけどな」というところまで発想が飛ばしやすく、それによって描かれる人間関係の構造もスッと受け入れられる作品となっています。

これらは原作者が男性であることに起因すると僕は考えています。

作者自身が持つ人生経験を土台にして丹念に行われたキャラの掘り下げと関係性作り。そこには妄想や理想だけでは組み立てれない奥深さがあります。

そして実際のアニメ漫画系の作品創りは「同性の好むものは同性の方が分かっている」という価値観で行われることが多く、対象性別を特定した作品の多くは同性の作家によって生み出されています。

ですので、こういった作品はどちらかと言えば少数派に当たるもの。しかしながら『あんスタ』は、そのリアリティに対する練り込みが「性別を超えたエンタメ性を醸すに至っている」と言えるのです。

その域に達したキャラ性と物語性は、女性からすれば「今までに見たことがないほど深いもの」であり、多くの女性がその深さに魅了され熱狂している。

これが『あんスタ』という作品の熱量を支える作品の魅力ではないかと思っています。

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余談:男性はこの関係性を楽しめるのか?

では「この作品は男性でも(の方が)楽しめるのか?」と言われると必ずしもそうではないというのが個人的見解です。

これはそもそも「キャラクターの関係性を楽しむ」という価値観を持つ男性が、アニメ界隈では少数派だからです。

男性はストーリーの面白さや巧みさに魅了される人が圧倒的に多く、その後にキャラの良さが来て、最後にキャラの関係性を楽しむようになります。これが多数派の嗜好です。

関係性を楽しむ人達も女の子キャラの絡みを見て楽しむ人がほとんどで、それもリアリティを重視した内容は大きな支持を得られません。多くの男性にとってアニメはあくまでファンタジーであるべきもので、それ故の偶像的な魅力が求められています。

深い関係性のみで奥行きのある話を創ろうとすると、いわゆる鬱展開に近い過酷な描写を増やさざるを得ません。男性向けでそれを行う場合、それを乗り越える要素が必要であり、それが偶像的な女性キャラやストーリーその物の魅力に繋がっていくのです。

こういった側面から「男性キャラの深い関係性を楽しむ」というのは、男性にとってかなり限定的な嗜好であると言え、クリエイティブな知識として"学ぶ"レベルの事柄です。

僕は数年前にその知見を「必要なものだ」と捉え学んだことで、こういった記事を書けるような楽しみ方を身につけましたが、恐らく男性の多くにはできません。僕も5年前に見たらよく分からなかったと思います。

「マリオネット」や「エレメント」を見ても、男性では「そういうことが起きた」以上の感想にはならず、キャラを理解した先に広がる解釈の面白さを噛み締めることは難しい。現に男性の間では"解釈違い"という言葉はほとんど登場しません。

ですから『あんスタ』は男性の方が理解できる物語ではあるけれど、それを楽しめる男性は少ないのではないかと考えています。

むしろ女性向けであれば、これほど丹念に丁寧にリアルを追求した物語が、純粋なエンターテインメントとして成立するということで、それ自体僕にとって1つの驚きでもありました。

書き手としては物凄くやり甲斐がある作品なんじゃないかなぁと、勝手に想像していますね。

分かりやすいように見えて複雑なキャラ達

もう1つ補足で語っておきたいのは、『あんスタ』は関係性やキャラ性の深さこそリアリティがあり独自性の強いものですが、表面的に見えるキャラ性はスタンダードなものに支えられているという点でしょう。

パッと見はいわゆる「女性人気が高そうな男の子達」であり、そういう目線で見れば"どこかで見たことがあるようなキャラ"が多いです。

男性が男性キャラを書くと男として魅力的にはできるものの、女性に"ウケる"要素は想像でしか取り入れられません。ですから、テンプレ的な要素に頼ってキャラが創られている、と取ることもできるかもしれません。

女性向けの男性キャラは、表面的なキャラ性(外見やステータスの配合割合など)を工夫して"ウケる"個性を出していくイメージが強いです。一方で『あんスタ』は表面では分かりやすい形を維持し、ひたすら深さを追求していくスタイルで組み上げられています。

"分かりやすいように見えて複雑なキャラ"達。
そんな彼らが描く、一筋縄では行かない物語。

それこそが『あんさんぶるスターズ!』最大の魅力だと感じます。

アプリ版ではその間口の広さで「とりあえず遊んでみる」人々を獲得し、深みにハマったファン達がその作風を広めることで、巨大コンテンツに成長させることができたのだろうと推察しています。

…ですが、アニメにおいてはその取っ付きやすさが「またこういう感じか」と思われてしまう要因になりやすく、新規ファン獲得においては1つの大きな壁となっていると思われます。

そういった事情を踏まえて、次の項ではこのアニメの構成について考えて行きましょう。

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アニメの挑戦的構成について

『あんスタ』のアニメと言えば、ジェットコースター染みた急展開が特徴的。12話で進行した内容の濃さで言えば、(同じ菱田監督の『キンプリ』を除くと)なかなか類を見ない作品だったのではないでしょうか。

その高速進行具合から既存ファンの方々の中でも「もっと丁寧にやってほしい」という意見は出ているようですし、僕も振り落とされそうになる場面が何度もありました。尺に対して登場キャラが多すぎて処理できない部分も少なくありません。12話のスタッフロールのキャストの多さには笑った。

こういったアニメの創りについて、僕なりの見解を書いて行きます。

メインシナリオ「一部」の扱い

まず『あんスタ』の1クール目は、アプリの「メインシナリオ一部」に当たる部分が展開されたとのこと。

Twitterで確認させて頂いたところ、この「一部」のみがメインとして書き下ろされたシナリオであり「二部」以降はイベントシナリオの幾つかかが常設化してメイン扱いになったとのことでした。ご回答頂いた方々ありがとうございました!

つまり今回1クール目で扱った部分は、アプリで言う「最初に押さえるべき設定解説」に当たるシナリオだと受け取っています。

そしてこの作品の最も深い楽しみは、それを前提として展開される「イベントシナリオ」。フィーチャーされるキャラを主人公とした、個別の深い関係性の物語にある。そういったこともアニメから伝わってきています。

これは1クール目にて個別で展開された「マリオネット」と「エレメント」が、どう見積もっても1クール目で優れた内容だったことに加え、アニメ的にも初見にそう思わせるような丁寧な作劇が意識されていたことから、そう認識することとなりました。

どちらかと言えば今の僕は「○○(前編)」といった話を色々見てみたいという気持ちが圧倒的に強いです。

と言うのも、「一部」の内容に関しては、ストーリーの筋自体は極めて凡庸なものであると言わざるを得ないからです。

1クール目で"伝える"ことを選んだ

断っておくと「一部」の物語は決して詰まらないものではありません。ただ、ひたすらに"先が読める"のです。

Trickstarという新進気鋭の半人前ユニットが修行し大きな成果を為し得る。その先で真のラスボスの策略にハマり一度は崩壊しかけるも、何だかんだ言って再結成してそのラスボスを討ち果たすサクセスストーリー。

こういった極めて当たり前の話が当たり前に進み、特に大きな驚きもなく終わります。

その間に展開されるキャラ同士の関係性の紡がれ方や台詞の1つ1つに面白さはあれど、ストーリーのみに着目すると"よくある話"に過ぎない。

この「一部」は、コンテンツの規模が維持されている限りイベントで無限にキャラの掘り下げが行える、アプリであれば必要なものです。最も基本となる「分かりやすい王道ストーリー」を最初に打ち立てておかなければなりません。

ですが、ことアニメという限られた尺で完結させなければならない媒体においては、この王道さが仇となります。

アニメを中心に楽しむ層は、男女問わずストーリーを第一に考える嗜好が強いと僕は考えており、その作中で「何が起きたか」が、アニメの面白さを語る上で大きなウェイトを占めています。

この価値観に当てはめて考えると、『あんスタ』の「一部」は2019年のアニメとしてあまりに普通すぎる内容であり、この話を丁寧に描き切ったところで大きな支持を得られる可能性は低いと言えます。

「一部」を2クールかけて丁寧にやる選択肢もあったはずです。でも、それだと新規にとって「好印象」にはなり得ても「心に残る」アニメにはならなかったでしょう。

より濃密な物語を2クール目で解放する

『あんスタ』の面白さの真髄がイベントシナリオであるならば、それをなるべく多く映像化した方がアニメファンには確実にウケます。しかしながら「一部」はこの作品の土台として絶対に必要となる物語でもあり、アニメ化が必須な部分なのは間違いありません。

これらの事情を鑑みると、『あんスタ』のアニメは「一部」の中で絶対に伝えなければならない部分のみを1クールに圧縮し、残りの1クールで作品の魅力を最大限解放していく方向に舵を切ったと考えられます。だからこそ、この作品のアニメの成功には2クールが必ず必要だったとも思えます。

そして1クール目に「①より濃密な作品の魅力を伝えられる②設定上押さえておくべき内容が含まれる③ファン人気の高いエピソードである」といった点を満たしたイベントシナリオを挿入する形で「この作品はただの王道物語ではない」ことを初見にも印象付ける構成が1クール内に創り上げられています。

あとは2クール目をより丁寧に、熱く展開するのみ。

現に僕は「マリオネット」「エレメント」を見ることで、ファンの方々がこの作品に熱狂している理由の一端を把握できたと思っていて、「こういう物語が2クール目ではもっと沢山見られるのかな?」という期待感情が現在の視聴意欲に直結しています。

「一部」のアニメ化について僕は"話の筋"だけであれば、ほぼ100%理解できたと思っています。

しかし、そんな整った内容であっても、僕のところには「原作をやってほしい」というお声が多数届いています。キャラや関係性を理解する上では、カットされて分かり辛くなった台詞がかなりあるようです。

メインシナリオが一番好きだという方もいるでしょうし、Trickstarなど「一部」での活躍の多いキャラが推しという人には、「話だけを押さえる」展開について思うところが多々出てくるでしょう。それは仕方がないことだと思います。

しかし、アニメ化する以上は僕のような初めて見る人への気回しも必要不可欠であり、それについての内容の向き不向きを考える必要もあるのだと思っています。

その気回しを僕は初見なりに感じ取っています。
だからジェットコースター的展開であっても、見ていて「丁寧な作品だな」と思わされるところが多いのです。

映像作品では文章のように全てを「語り切る」ことはできません。その代わり細かいところで「何かを匂わせる」ことができます。

その"匂わせ"から感じ取れるものを想像し、楽しむことができるのがアニメの長所だと思います。

そして『あんスタ』のアニメは、そんな台詞やシーンとして入れられなかった部分について、細やかな演出を利用することで「なるべく多くのものを伝える努力をしよう」という気概が感じられる作品です。

こういう作品創りの観点を踏まえて考えると、アニメ『あんスタ』のスタッフが「これだけ見ても楽しめるアニメ」と「できる限り多くのファンを楽しませられるアニメ」のバランスを追求して製作しているのが分かるため、僕は2クール目には今まで以上に期待を寄せています。

膨大なキャラとシナリオがある原作のアニメ化では、全ての人の要望に100%応えるのは大変難しいと思います。

そんな中で、この僕のような初見の解釈が何かの役に立てばと思い、このようなまとめ方をさせてもらいました。

『あんさんぶるスターズ!』は良いアニメだと思います。あと3か月、楽しみです。

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おわりに

1クール目を見て、現在の僕が『あんスタ』に抱いている感覚は「好印象」です。

まだ熱狂的に好きになったとは言えず、熱量は既存ファンの方の1/10にも満たないかもしれません。

それでもこの感想記事が書けているのは、この作品にはそれだけ多くの人を熱狂させる創り込みがあるのがアニメから伝わってくるからです。だから僕は普通に楽しんでいるだけで、全く無理なく長文記事を書くことができます。

それはこの作品がそれだけ沢山のものを伝えられるように創られていたということのはず。この記事ではその理由を、アニメ初見として書き続けてきた僕の視点で語らせて頂きました。どうか受け入れて頂けましたら幸いです。

ちなみにですが、今回この記事で書いた要素の多くが菱田監督のオリジナル作品『KING OF PRISM』や『プリティーリズムシリーズ』に共通して感じられるものです。このアニメの作風を見ていると、彼が監督に指名されたことにも物凄く納得させられるところがあります。

僕が一番『あんスタ』を見ていて熱くなったのは「エレメント(後編)」を見ている時で、その後の12話からもかなり感じるものがありました。だから今後はもっと熱くなれるんじゃないかと思っています。

ちなみに今のところ一番お熱なのは英智です。
ですがメインでも大活躍して、2話かけて主人公シナリオがたっぷり展開された彼に興味が湧くのは、割かれた尺の長さからして最早当たり前と言って良く、英智は半ばズルしているところがあります。流石皇帝、やることがしたたかで汚い。

今後彼を超える大活躍を見せてくれるキャラに出会えるのか、はたまた英智くんは今後とも英智くんなのか、見守って行きたいです。

次回は「スーパーノヴァ」。
男臭い感じで最高ですね。流星隊の話かな?

是非2クール目もよろしくお願い致します。

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