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キンプリオタクの『A3!』ミリしら感想 第2話 春組の幕開け 演劇の光を感じさせる座組

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『A3!』2話でございます。
演劇に挑む若者達の姿が描かれる作品。1話はひたすらに前向きな作風を感じ取れる創りだったと思います。

急造で揃えられたメンバーが公演に向けて動き出す第2話。物語の中心となるMANKAIカンパニーの新スタートが描かれ始め、ここからが本番というところ。

明るいキャラクター達が一歩一歩前へ進んで行く様が魅力的で、朗らかな作品です。今回もしっかりと語って行きましょう。

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あくまでも舞台演劇に焦点

僕が2019年3月から続けて長文で感想を綴ってきた『KING OF PRISM』と『あんさんぶるスターズ!』は、どちらも女性向けアイドルアニメという括りの群像作品。この2つに共通して見られたのは、アイドルものという土俵の上で濃密な人間ドラマを展開するという点。アイドル活動よりも先に人間を見て紐解く作品で、その上でアイドルとしての彼らの輝きを応援するという感じです。

対して『A3!』は同じく女性向け群像劇ではあるものの、あくまでも舞台演劇に挑む彼らに焦点を当てた物語。1つの舞台を創り上げて劇団を成功へと導く彼らを見守ることを主軸に据えており、キャラクターや物語の複雑性をあまり重要視していないように見受けられます。

例えば2話では佐久間咲也の両親の話を筆頭に各キャラの家族関係などが明かされましたが、本作ではキャラの背景を深掘りしてダークな話を展開したいという意図は今のところ感じられません。

ネガティブ要素はあくまで彼らを応援する(好きになる)ための1つの要素に過ぎず、基本的には演劇と真摯に向き合って行く姿こそが本懐。その彼らを追いかけて行く…というスタンスでの視聴が望ましいと思っています。

アイドルものは溢れ返っているので、普通にアイドルしているだけではもはや没個性。ヒットのためには別のアプローチを考えなければなりませんが、演劇ものはさほど多くありません。そのおかげで演劇というジャンルだけで物語を起こしても新鮮に見えるというわけですね。

ですのでキャラクターの内面を考察して読み解いて行くというより、表現される魅力はストレートに受け入れて咀嚼して文章に起こしたいと思います。

春組のキャラクター達

では本編へ。今回はキャラクター1人1人について紐解いて行く形で全編をしたためて参ります。新たに見えた彼らの一面を楽しんで行きましょう。

佐久間咲也

安定の主人公ムーブを決める真ん中の彼。演劇に誰よりも情熱を燃やすが、誰よりも不器用で演技が下手という悲しい現実が彼には待ち受けていました。

でも今は上手いとか下手とか関係なく、ただただ芝居をするのを楽しんでいるというのが彼の魅力。経験者としては昔を思い出します。始めたばかりの頃は、皆で発声練習をするだけでも楽しいと思ったものです。特別なことを"やっている"感覚があるんですよね。

舞台は個人の演技力も大切ですが、最も大事なのは飲み込んでアウトプットすること。周りと合わせて1つのアンサンブルを組み上げることです。故に、彼のような真っ直ぐで人の話をよく聞く素直な少年は、それだけで役者としての素質があります。

変に上手くて意固地な人より、少し劣っていてもしっかり上の指示と周りの演技に応えられる人の方が、最終的には舞台上で輝ける。だから舞台上で全力で演じ切る彼の姿は鮮明に想像できます。

不器用な咲也くんはそこに辿り着くまでがまず大変かもしれないけれど、ここから精一杯頑張ってほしいです。

そして彼に降りかかるのは初舞台で初主演という大きな試練。次回以降はその行動と情動にしっかり注目して行きましょう。僕も初舞台が初主演で色々苦労した経験があります。彼の気持ちが分かるかもしれません。

碓氷真澄

台詞がいちいちいづみさん準拠の少年。
良い具合に斜め上で攻めてくる感じが個人的にかなりツボ。俺も就職しよう…(そこ?)

いづみに惚れているだけだと思っていたら既に「付き合っている」ことになっているなど、かなり自分の世界に入り込みやすいタイプ。ただ自分の世界を持っていることは演技という分野ではプラスで、まだまだ超大根な他のメンバーに比べると、最初の時点でそこそこ上手に入り込めているように見えます。

いづみにも「そつなくこなせる」と言われていることもあり、現時点では主力と言って良い存在でしょうか。

しかし現実だとこういうマイワールド系の役者は、上手いけれども幅が狭い(扱いにくい)というジレンマに各所が悩まされることが多く、どこかで伸び悩む傾向にあります。

彼がそのタイプとしてどこかで壁にぶち当たるのか、はたまた単純に天才肌として劇団を引っ張っていく役者になるのか、監督たるいづみへの恋愛感情が功を奏すのかなど、この作品の全体の空気感に大きく影響を与えそうな要素の多いキャラだなと思って見ています。

単純に面白い台詞ややり取りも多く、今のところはシュールギャグ要因でもある。とにかく美味しいキャラという印象。

皆木綴

2話では役者ではなく脚本家として挑む姿がフィーチャーされ、そのまま本作で最初に大きな壁にぶち当たるキャラクターになりました。

1週間で1本の脚本をゼロから上げるという(物書き的には)考えたくもない窮地。今でこそ「丸っと一週間あれば何とかできるかな…」と思えますが、素人同然の人間が挑んで何とかできるレベルではありません。

でもやらなきゃならないと決めたら人間動けるものだったりして、ギリギリあり得るレベルの話でもあります。その「動いた」という実績が今後の彼を支える大きな柱になることでしょう。

大家族の長男?だからかリアリスト傾向があり「次の公演があるかどうか」なども考慮した上で今回の脚本執筆に名乗りを上げました。しっかり者だけどブラックコーヒーが苦手だったりと可愛いところもあり、バランスが取れていますね。

自分も出演する舞台の脚本は、自分の扱いに苦慮したりと最初に書く本にしてはハードルが高い挑戦でもあります。3話以降で「演技をする綴」と「脚本を書く綴」の差について楽しんで行けるのかも1つのポイントとして見て行きたいところです。

今回は脚本を書く姿に終始していたため、キャラクターとしての個性がより見えるのは次回以降。努力家で意志の強い彼が、仲間達と会話する姿も見せてもらいましょう。

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シトロン

おい雅!俺達の五十嵐雅じゃないか!(※『キンプリ』界隈では非常に重要)

日本語がイマイチで英語もイマイチというなかなかに癖の強い外国人キャラ。独特な変換ミス。空気も読めない。

しかし、普通だったら若干イラッと来るかもしれない行動も何故だか許せてしまう。そんな大いなる温もりに溢れていてるキャラです。このタイプの外国人だからこそ…というところもありますね。

独特なキャラクター達に加えて経営難で現実を見なければならないこともあり、どうしても真面目な空気感になりやすいMANKAIカンパニーに、明るい華を添える役割を一身に担っています。

人を否定せず万人を常に肯定し続ける彼は、元気と根性で突っ走りそうになる咲也のサポート役でもあります。シトロンがいないと、咲也のポジティブさが浮いて見えてしまう劇団になっていた可能性が高いです。

包み込むような柔らかさ、寛容さ、前向きとは少し違う流れるような明るさが全身を包む彼の存在が、苦難に挑む彼らから辛気臭い色味を消してくれているんですよね。

「良いなぁお前は気楽そうで」と皮肉られてしまいそうなキャラではあるのですが、こういうキャラクターこそがいつでも全体の"救い"になる。そんな光のイメージがある男性。

全体を整える人材としては決して珍しくないタイプ。しかしその役割を担っている彼がここまでぶっ飛んでいるというのは、このMANKAIカンパニー全体が"濃い"仲間の集まりだということの表れでしょう。

昨年書いた作品は「内面の濃さ」の読解を要求されることが多かったですが、今回は「外面の濃さ」がどう調理されているかをしっかり見て行くのが大事になるのかなと感じています。シトロンはその筆頭キャラという印象です。

茅ヶ崎至

家賃等タダという触れ込みに反応して、演劇未経験なのに住み込みを決めたなかなか大胆な社会人。『A3!』は基本の活動場所が劇団なので、年齢や立場に一貫性がないのが魅力だと思います。それぞれが演劇をしていない"顔"も持っているということを一番感じさせてくれたキャラですね。

時間に正確だったり、無理をしすぎない提案を持ってきたり、冷静な判断力ができる正しく大人の男性。一見ドライに見えますが、こういう判断力を持った人間がいない組織は長続きしないですからね。

まだ学生で一本槍になりやすい咲也とキャラクター性の対比が成立していることで、お互いの良いところがスッと理解できるようになっているのもグッドです。

状況的に演劇やMANKAIカンパニーに凄く熱量を持っているわけではないでしょうし、他のメンバーと比較して演劇に淡白であるように見えるシーンが多くありました。

ですが、あの条件を飲んで活動しているということは特別嫌でもないのでしょう。そもそも社会人をやりながら演劇をやること自体が大変なことです。その辺りを含めた感情の動きに注目したいです。

裏では実は廃ゲーマーという一面も。
コントローラーを持つと人が変わってしまう"よくいる一般男性"。分かる…分かるぞ…俺はFPSはやらないけど似たようなことはよくある…(※「急に大きい声を出すな」とよく言われる一般男性)

時間に正確なのはゲームをする時間を捻出したかったからでしょうか。ゲーム最優先。二重人格っぽく見えるのも、本人は全く自覚がないタイプの"よくいるゲーマー"だったら嬉しい。

かなり親近感が湧くキャラなので、終盤でグッと引き込まれました(引き込まれてはいけません)3話以降でステータスやパーソナルな部分が明かされるのが非常に楽しみです。

立花いづみ

カレー女。
カレーに妙なこだわりを見せる。ソシャゲの主人公格には割とよくある、何か1つのものに凄く固執する設定。彼女の場合カレー。イベントの物販では是非カレー皿を売ろう。

今のところまとめ役として過不足ない活躍で好印象。キャラクターとして主張しすぎず、邪魔にもならず、それでいてしっかりと必要な人間としての立ち回りが確立されています。

彼女に凄く注目させられるわけではないけど、彼女がしっかり物語の軸となっているのは分かる。序盤としてはなかなかベストな動きではないかなと思います。

今は多くは語らずに。今後の活躍に期待します。

松川伊助

1話から疑心暗鬼で情けない言動が目立つため、序盤はどうしても良い印象を持たれにくいキャラだと思いますが、冷静に考えるとMANKAIカンパニーの経営に直接関与している唯一の人間です。

他のメンバーは様々な事情でMANKAIカンパニーの立て直しに協力していますが、今はまだあくまで拠り所に過ぎません。別に彼らはここでなくても芝居をすることはできるでしょう。

だからこそ監督や演者の立て直しの方法は得てして「良いものを創る」ことに向きがち。その中で「失敗しないこと」を全力で考えないといけない経営者ポジションの伊助は、どうしてもネガティブに映ってしまうところがあります。

彼が今後どう前を向いて行くかも、物語の鍵を握りそうです。こういうキャラが前向きになる瞬間はお約束の熱さがありますし、その姿を見せてくれたら嬉しいです。

料理下手ですが、見た目はともかく味は美味いというギャップを見せるキャラが多い中で、見た目もメシマズで味も酷いというどうしようもない0点を披露してくれました。最近では珍しいストレートなタイプを極めてくれていますね。

彼の見た目や振る舞い、設定を含んだ全体像に「90年代」を感じるのは、恐らく気のせいではないでしょう。

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おわりに

今回はキャラクターを中心とした執筆でお送りしました。

物語としてはオーソドックスに展開されており、とても見やすく分かりやすい。キャラクターの魅力を感じさせるのに終始した創りであったため、今回は物語の筋ではなくキャラクターを尊重した形に仕上げました。楽しんで頂けていたら幸いです。

舞台演劇をテーマにしているということで、キャラや物語を深読みしなくとも「演劇」というジャンルについて、色々語りたくなってしまうところがあります。それぞれの立場から皆が一丸となって1つの舞台を創り上げる、そんな魅力が演劇にはあります。

その中の光を感じられるやり取りを、今回の彼らは見せてくれました。そしてこの作品は恐らく、各キャラの演劇への取り組み方を大事にしているのではないかと感じています。

今後も僕なりの視点でその方向性を大事にした感想を書いて行ければと思っています。まずは1クール終わりまで頑張ろうと思いますので、是非ともよろしくお願い致します。

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