雑学

沖縄のイラブーはハブの70倍の毒を持つ毒ヘビ!?高級食材の秘密に迫る!

投稿日:2018年11月15日 更新日:

イラブーという生き物を知っていますか?

ハブの70倍の毒を持つと言われる超凶悪な毒ヘビにして、沖縄では昔から食されるポピュラー?な食材の1つ。沖縄好きな方々には割とよく知られています。

食べ物とし有名であるため、毒蛇と言われてもあまり実感が湧かないですが…。今回はこのイラブーについてまとめてみました。

※ここから爬虫類注意※

生態:臆病で人を襲うことはまずない

イラブーは正式名称を「エラブウミヘビ」と言い、沖縄や奄美ではサンゴ礁に普通に生息しているウミヘビの一種。

体長は70cm~150cmと幅があり、卵を産むメスはオスよりも胴が太くたくましい傾向があります。

コブラ科の生き物で、毒も「キングコブラ」などと同じく神経系に作用する毒です。エラブトキシンという毒素で、上述の通りハブやマムシの70倍近い力を持ちます。進行すると呼吸困難や心肺停止に陥り、最悪の場合死に至る猛烈な毒です。

しかし性格は非常に臆病で人を感知したらまず逃げてしまうため、素手で掴んだり自分からちょっかいをかけに行かない限りは噛まれることはまずありえないとのこと。

海で出会っても、何もしなければ並んで泳げるくらいには温和なようです。口も小さく陸の毒蛇のように強力な牙もないため、物理的にも咬まれにくいのだとか。

こういうところから、恐い生き物というよりも食材としてのイメージが非常に強く表れているようですね。でも地元の漁師さんとかは素手で捕まえるのが普通らしいから、本当プロってのはどの分野でもスゴいなぁと…。死と隣り合わせなんですけどね。

唯一の注意点として、夜行性で昼間は陸地の岩場などで休憩することがあります。人間の活動時間に波打ち際などでジッとしていることもあり、稀ですが不注意で接触し噛まれてしまう危険はあります。見つけたら刺激しないようにして、そばから離れるようにしましょう。

食物としてのイラブー

では、次に食べ物としてのイラブーの特徴を見て行きましょう。

400年以上前から漁が伝承されている

琉球王国時代の古きから高級食材として親しまれていました。その青みがかった身体にくっきりとした黒帯が入る美しいまだら模様の容姿から「神の使い」と呼ばれており、当時から王朝への献上品としても使われるほどに価値あるものだったようです。

400年以上前から手づかみで捕まえる形式の漁が伝承されてきていますが、今ではかなり少人数の方々で行っています。神の島と言われる久高島では、イラブー漁は位の高い人にしか許されておらず、今は3人しかいないんだとか。伝統の重みを感じるとは言え、このまま無くなってしまわないと良いのですが…。

燻製にして保存され、食べる

イラブーは燻製にして食べるのが一般的です。
軽く茹でたイラブーのうろこを剥ぎ、専用の小屋で1週間かけてじっくり燻します。身体は完全に真っ黒になり、炭のような見た目に変わります。

しおしお~。どことない哀愁が良い感じ(※爬虫類好きです)

小さいものはトグロを巻いて燻すことになっており、これらは沖縄の出店などで外に連なってぶら下がっているところを見ることができます。沖縄によく行かれる方は、1度は見たことがある光景ではないでしょうか。

対して大物は丁寧に1本に伸ばして燻しますが、非常に数が少なく高級食材として取引されています。その値段は1本あたり3万円以上になることもあるとか。

体長は1mを超えることも少なくない大型の生き物ですが、燻製にすると水分など色々なものが飛び、最終的には生きている時の1/10程度の重さになってしまいます。持ち運びに困ることはそんなにないそうです。

肉は豚肉、皮はキクラゲのような食感

イラブーを使った料理で特に有名なのはイラブー汁と呼ばれる汁物。

これですね。燻製のイラブーを汁に入れて、肉感が戻ったものを食す料理です。肉の見た目が「ヘビ!」という感じなのが気になりますが、見ようによっては皮付きの魚とあまり変わりません。理解して食べれば問題なさそうです。

これを求めて沖縄旅行で店を探す方も大勢いるくらいなんだとか。上質なイラブーを用いた有名店などもあるようです。

肉は厚めの豚肉のような感覚で癖が少なく食べやすい他、皮はキクラゲのような食感。内臓部分も肉とは少し食感が異なっているようで、口の中で豊富なバリエーションを楽しむことができる食材です。

非常に栄養価が豊富で滋養強壮、神経痛などに効果があり、「1年に2度食すと風邪をひかない」という言い伝えも残っている沖縄文化を代表する伝統料理の1つとして親しまれています。

まとめ

イラブーの生態と食し方についてまとめて参りました。

沖縄というと、ゴーヤとか豚肉料理が有名なイメージがありますが、その土地ならではの特殊な食べ物というのもやっぱりたくさんあるようです。そもそもゴーヤも昔はそのなかの1つだったような気がしますし…。

生き物の生態も食べ物の文化も、海を隔てて南にあるということで見たことも聞いたこともないようなものばかり。情報を調べてまとめるだけでなく、実際にバッチリ体感してみたいものです。行くか沖縄!

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